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うつ病と双極性障害
うつ病とは違う、双極性障害とは?

うつ病と双極性障害の違いは?

「双極性障害」という病名を聞いたことがあるでしょうか?
一般には「躁うつ病」と呼ばれる病気で、「うつ病」と同じ気分の障害を基本とする精神疾患です。
共通症状として“抑うつ状態”があるため「うつ病」と似ていますが、双極性障害の場合、抑うつ状態に加えて躁状態にもなります。

躁状態とは、極端に気分の高揚した状態が持続することをいいます。一般的に、楽しいことをするとだれでも気分が高揚しますが、双極性障害の場合は特に理由がなく気分が高揚します。
抑うつ、躁状態の二つの病相を繰り返す疾患が、双極性障害です。

また、最近では異論もありますが、「うつ病」と同様に回復、治療が可能とされています。

その原因は複合的な要因によることが多く、下記の複数の要素を含んだ問題であることがほとんどです。傾向として、うつ病よりも身体的要因など内因の割合が大きいことが特徴です。

図:外的要因・内的要因

また双極性障害は、季節や天候など自然の変化に「うつ病」よりも影響されやすく、環境変化に適応しようとする働き「自律神経系」が大きく関係していることが知られています。

日本人の双極性障害の生涯有病率は、Ⅰ型とⅡ型を合わせて0.7%と厚生労働省が発表しています。
世界的に見ると2~3%とされているため、日本では本格的調査の実施が少なく正確なところは不明とされています。ちなみに、双極性障害の発症率に男女差はありません。

図:うつ病と双極性障害の違い

治療方法

双極性障害の治療で重視されることは、躁うつの状態からの回復だけではありません。
再発を繰り返すごとにそのスパンが短期間になり、悪化しやすいというリスクがあるため、再発を予防することが最も重要な治療となります。
主に、薬物治療と心理社会的治療を組み合わせての治療となります。

1 薬物治療

双極性障害に有効な薬は、気分安定薬です。
日本で主に処方される気分安定薬には、リチウム・バルプロ酸・カルバマゼピンです。最も広く使われているのはリチウムで、躁うつ症状の改善・予防効果、突発的に起こる自殺予防の効果があります。
しかし、リチウムは効果的な薬である反面、副作用が強く、血中濃度を測りながら服用する必要のある、難しい薬でもあります。
主な副作用は、飲み始めの下痢、食欲不振、喉が渇く、尿意が頻繁になる、といった症状が見られます。また、適切な血中濃度で服用した場合でも長期間手の震えが出る場合もあります。

血中濃度が高すぎると、足元がおぼつかず歩行困難、意識が朦朧とする、など中毒症状がでる場合があり、副作用が軽い薬とは言えません。

しかし、副作用がこわいから、と薬の服用を止めるのはおすすめしません。どんな薬にも副作用がある反面で、治療の見込みがあるのです。「副作用が出たから、薬をやめる」となると、双極性障害の治療は途端に難しくなります。
薬物治療では、副作用があることを前提として、副作用による症状との折り合いをつけながら、病状をコントロールすることで治療に望む姿勢が必要です。

2 心理社会的治療

薬での症状緩和に加えて、根本的な解決のために用いるのが心理社会的治療となります。
単純な心の問題だけではないため、うつ病のようにカウンセリングをすれば治るというものではありません。
しかし、下記のような精神療法ももちろん必要となります。

1、双極性障害という病気を理解すること
2、病気に対する心理的反応に目を配ること
3、治療のために、支援をすること

これらの精神療法的治療を、医師の間では「心理教育」と呼びます。

まずは、自分の病気に対する理解を深めることからはじめます。
双極性障害の性質や特徴、薬で解決できる症状と、それぞれの薬の副作用。また、再発のサインは何なのかを自分で把握できるようになることを目指します。

再発に気づけないと、自分自身で「発症している」という自覚を持てなくなり、病状悪化、通院不可などの状態に陥る可能性があります。
しかし、再発時でも初めのうちに治療をはじめることで、重度な症状を食い止めることができます。
再発時の初期症状を知ること、家族や身の回りの人間と共有することで再発の放置を予防します。
また、きっかけとなりやすい心理的負担を事前に把握し、避けること、そのストレスに直面した際の対処法を考えることで、予防に関する知識を学ぶことができます。

また、双極性障害は、天候変化などに適応しようとする力(自律神経系の働き)が影響することが多いため、規則的な生活が効果的です。徹夜をしない、朝日を浴びる、適度な運動(散歩など)をする。どんな心理状態の場合でも、このように一定のルールを守った生活をすることで、病気の安定に繋がります。

過去の事例

現在40代の男性の例です。
仕事が原因で調子が悪くなり、病院に行った所、鬱病と診断をされました。
それで通院を始めたのですが、全然状態が変わらないので、病院を変えたところ病名が双極性障害II型と診断され、病名が変わりました。

それからその病院に通院をして約3年になるのですが、少し良くなったと思えば又悪くなったりを繰り返していました。
それで先日一体いつになったら治るのでしょうか?とドクターに聞いた所、こういう病気は完治と言う事はない、寛解と言うんだと言われました。
寛解と言う言葉は、ある程度知っていましたがまさか自分がそういう状況だなんて思っていなかったもので正直ショックでした。
ちなみに寛解と言うのは、ある程度症状が落ち着いた状態が続いている状態の事を言うのだとドクターから言われました。

誤診かも?

初めはうつ病だと思われている患者さんの約10人に1人が最終的に双極性障害と判明すると言われています。

うつ病と双極性障害が似ている、というのは「うつ」の症状が双方で現れるからです。その症状は、どちらの病気でも同じため、区別がつきません。

「躁(無意味に高揚している)」状態が現れて初めて双極障害であると診断できるため、双極性障害の場合でも、はじめはうつ病と診断されている場合が多いのです。
誤診を避けたい、というのは当然の話ですが、双極性障害の症状として、「躁」と「うつ」を繰り返すスパンは人それぞれのため、数ヶ月~数年という長い期間で現れる双極性障害に対して、正確な診断をするのは非常に難しいと言われています。

また、初診時にうつ病と診断された患者さんの内、約10人に1人が実は双極性障害であると判明します。そのため、うつ病と診断された場合でも、躁症状が現れるまで、うつ病なのか双極性障害なのか、わからないと言われています。

双極性障害の場合、2/3の患者さんはうつの時にしか病院を受診しないとされています。
それは、発症後に症状がある期間の内、約1/3~半分が「うつ」状態であると言われており、「うつ」の期間が「躁」の期間よりも多いためです。
「躁」症状になった経験がある場合も、本人には「うつに付随する症状」という自覚がないため診療時に医師に話をしません。そして、「躁」状態の時には本人では「最近調子がいい」と感じる(気分が高揚している)ので、医者にかかることが稀なのです。
このように「うつ」状態の時のみ受診する、「躁」状態に気づかないため、双極性障害を見抜くことが難しいのです。
特に、比較的軽い躁状態「軽躁」の場合、家族や主治医に見逃されることがあります。

近年では研究が進んだことで、うつ病や双極性障害であることを調べるために、「光トポグラフィー検査」といううつ病の状態を数値化する検査があります。

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