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双極性障害とは

双極性障害とは

双極性障害は、うつ病と同様に「気分障害」に分類され、躁状態(躁病エピソード)とうつ状態(大うつ病エピソード)という病相(エピソード/症状を発症している状態)を繰り返す精神疾患です。少し前では、躁うつ病と呼ばれていたものがこれに当たります。また、双極性感情障害などと呼ばれる場合もあります。

生涯有病率は疫学調査によると、日本では約0.2%と報告されており、かなり低い数値です。しかし、海外に目を向けてみると、1.0 - 1.5%とされています。
このように大きな差が生まれる原因として、人種・環境などの違いも考えられます。しかし、それだけではありません。日本と海外では研究、調査の方法が異なるため、アンケートの回答率や回収率、実施の有無などが影響している可能性もあり、日本の発表している生涯有病率が確たるものであるとは考えられていません。

また、双極性障害は遺伝的要因も高いと多くの研究者に指摘されています。
一卵性双生児の場合は50~80%、二卵性双生児の場合は5~30%の一致率とされており、一卵性双生児の方が双子で発症する確率が高いことから、遺伝子的な関連性がある可能性は否定できません。
ほとんどのケースで、双極性障害の患者さんは回復に向かいますが、再発の可能性も大きく、薬物治療での症状緩和、抑制、予防が必要となるのが一般的です。

原因・発症要因

遺伝的要因

発症の原因として、上記に述べたように遺伝的要因が考えられていますが、双極性障害は遺伝病ではありません。(通常、遺伝病はある遺伝子を持っている場合に発症する病気を指します)
単一の遺伝子による要因ではなく、要因となる複数の遺伝子を持つことで、発症すると考えられています。

それは、一卵性双生児と二卵性双生児を比較した場合、半分の遺伝子が一致する二卵性よりも、基本的に同一の遺伝子を持つ一卵性の方が、双子で発症する確率が高いことが理由です。一卵性双生児での発症率も、決して100%ではありません。
このとおり、双極性障害の発症に遺伝的要素は関係していますが、それだけで発症する病気ではないことがわかっています。「同じ遺伝子を持つから双極性障害になる」のではなく「原因となる複数の遺伝子を持っているからなりやすい」のです。

環境的要因

双極性障害の発症について、「どのような環境をたどった際に発症する」ということははっきりわかっていません。幼少期からの育った環境や、日常的に周囲から受けるストレスは、要因になりうると考えられていますが、解明はされていないのです。

●病前性格(びょうぜんせいかく)

病前性格とは、発症前の性格のことです。この病前性格を調査した報告では、下記のような性格の方が双極性障害を発症しやすいと言われています。

・社交的 ・周囲への心配りができる ・ユーモアがある ・現実的

しかし、あくまでこういった性格は発症の可能性がある危険因子であり、大きなストレスや生活リズムの乱れ(仕事が急に忙しくなり睡眠や食事がおろそかになる)など、何らかのきっかけがあった時に、複数の要因が重なり、双極性障害を発症すると言われています。

症状

双極性障害とは「2つの極を持つ」という意味です。2つの極とは、躁とうつのことであり、上下の二つの方向へ気分が変化することを指します。

躁とうつの間には正常な精神状態があり、それを上向きに行き過ぎた状態を躁状態と呼びます。また、躁状態にも2つのタイプがあり、激しく気分の上向いている状態を「躁状態」(双極性障害Ⅰ型)、 気分の上向きが軽度である場合を「軽躁状態」(双極性障害Ⅱ型」と言います。

●症状の例として、躁状態では下記のような症状が挙げられます。

・高揚気分または易怒性  ・自尊心の肥大または誇大  ・睡眠欲求の減少
・多弁          ・観念奔逸         ・注意散漫
・目標志向性活動の増加  ・焦燥           ・危険な快楽的活動への熱中
※目標志向性活動(仕事・勉学、社会的活動、性的行動のいずれか)

上記のような症状が一週間以上継続し、さらに仕事や人間関係に大きな障害をきたして入院の必要があるような場合を「躁的エピソード」、4日間程度継続し入院は不要な場合は「軽躁病エピソード」と診断されます。

Ⅰ型・Ⅱ型の違い

診断上のⅠ型・Ⅱ型の区別は、「躁状態の重症度」「深刻さ」「激しさの違い」にあると言えます。

しかし、Ⅰ型の躁状態は期間が長引くため深刻で、正常時には持つことのできる「社会適応性・他者協調性が、極端に欠如してしまうほどの気分の高揚や開放」を伴う躁病です。Ⅱ型と比較して、長期間に渡り躁状態となるため、一時的異常とみなされず、複数の問題行動が、社会的・対人的・経済的な不利益に直接つながってしまうこととなります。Ⅱ型は軽い躁状態「軽躁状態」を繰り返します。以前よりも今は調子が良いと思うため、正常時より気分が高揚していることに気づかない事が多いのです。

Ⅰ型の特徴は、「躁状態」がはっきりしていて症状が重いことです。上向きの躁状態が、Ⅱ型と比較して大きく現れます。
近年まで「躁うつ病」と呼ばれていた病気は、ほとんどの場合がⅠ型の双極性障害を指します。
わかりやすく躁うつの波があり、躁状態のときは、本人は「気分が高揚」し、「無敵状態」になります。また、病気だという自覚がないため、他社へ攻撃的態度をとりトラブルを起こす、仕事や家族を失うなどの深刻な喪失を伴う場合があります。

Ⅱ型の特徴は、「軽躁状態」とうつ状態を頻繁に繰り返すことです。「軽躁状態」は入院するほど重篤ではなく、幻聴や妄想もなく、社会生活に大きな支障を来さない事が特徴です。
本人は「以前より今は調子が良い」と思うため、正常時より気分が高揚していることに気づきません。また、「今日は気分がいい」という程度なのでトラブルはなく、本人も周囲も見過ごすケースが多いです。実は深刻な問題で、摂食障害や過度な不安を感じる、アルコール依存を合併しやすいという傾向にあります。

身近に発症しうるⅡ型

双極性障害チェックリスト
あなたはどのくらい当てはまりますか?

躁状態とうつ状態の症状:躁状態の症状/・エネルギーにあふれ、気分が高まって元 気になった気がする。・あまり眠らなくても元気・急に偉くなったような気になる・なんでもできる気になる・おしゃべりになる・アイデアが次々に浮かんでくる・怒りっぽくなる・すぐに気が散る・じっとしていられない・浪費・性的逸脱 うつ状態の症状/・気分が落ち込む・寝てばかりいる・やる気が起きない・楽しめない・疲れやすい・なにも手につかない・自分には生きる価値がないと自分を責めてしまう・決断力がなくなる・死にたくなる・食欲がなくなる

上記のような当てはまる症状はありませんか?
うつ病、または双極性障害の可能性があるかもしれません。

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