効果的な背外側前頭前野(DLPFC)の勉強法とは

医学的な「DLPFC(背外側前頭前野)」の機能と勉強効果

「DLPFC(背外側前頭前野)」[Dorsolateral prefrontal cortex]は脳の各部位で喜怒哀楽の感情や、睡眠、食欲をコントロールしています。
※頭蓋骨に近い脳の表面の
前頭部の一部がDLPFCです。

背外側前頭前野(DLPFC)の機能

判断、意欲、興味をつかさどる

機能が低下すると、やる気がなくなる。

扁桃体(へんとう体)のバランスを整える

扁桃体(へんとう体)は、不安、悲しみ、自己嫌悪、恐怖などの感情をつかさどる。機能が低下すると、これらの感情が強く出てしまいます。

「DLPFC(背外側前頭前野)」で受験合格?!

40億年に及ぶ生命進化の競争を勝ち抜いてきた人体には、無駄な部分はありません。これについては脳も例外ではなく、生きていく上で脳内のすべての領域が何らかの役割を果たしています。しかし、受験に限定して言えば、脳の中で決定的に重要なのは、「DLPFC(背外側前頭前野)」という部分です。

志望校にウカるもスベるも、この部分の機能がカギを握っています。合格通知を手にするためには、「DLPFC(背外側前頭前野)」の機能を集中的に高める勉強法が求められます。神経生理学など最近の脳科学の発展は目覚ましいものがあります。そこで、こうした研究成果をもとに、「DLPFC(背外側前頭前野)」を最も効率よく育成できる方法を集大成し、「DLPFC勉強法」と名づけました。本郷赤門前クリニックでは、来院されたすべての受験生に「DLPFC勉強法」を実践していただいていますが、実際に東京大学や医学部など志望校への合格が続出しています。科学的な根拠に乏しい精神論に基づく勉強からは一刻も早く卒業し、脳機能に合致した「DLPFC勉強法」を取り入れて学習の効率化を図ることをおすすめします。具体的な方法については、後ほど詳しく説明します。その前に、「DLPFC(背外側前頭前野)」が脳内でどのような働きを担っているのか、簡単にご紹介しておきましょう。

「DLPFC(背外側前頭前野)」の凄い能力とは

「DLPFC(背外側前頭前野)」とは、図に示したように、大脳の中でオデコの左右の部分に相当する領域で、サルから人間に進化する段階で急激に発達しました。実際、人間とチンパンジーの脳を比較した場合、後頭葉や側頭葉などは極めてよく似た構造をしていますが、「DLPFC(背外側前頭前野)」についてはチンパンジーの脳は驚くほど貧弱です。

人間にはできてチンパンジーにはできないことが数多くありますが、そのうちのかなりに「DLPFC(背外側前頭前野)」が関わっています。もちろん、受験勉強や試験問題に解答することも、その中に含まれています。

具体的には、次のような能力を「DLPFC(背外側前頭前野)」が生み出します。いずれも合格を勝ち取るために生命線ともいえる重要な脳機能です。

ワーキングメモリー(作業記憶)
以前、受験うつを招いたストレス源を探るヒアリング調査をしたことがありますが、多かったのは「受験は大丈夫か?」という親からの問いかけでした。これは、試験の直前には、絶対にやめていただきたいことです。「大丈夫か?」と聞かれたら、受験生は全科目の中から大丈夫ではないことを探し、不安感を高めてしまうからです。
多くの親が「大丈夫か?」と尋ねてしまう理由は、自分自身が安心したいからです。
つまり、親は尋ねることで自分の不安感を子どもに転嫁してしまっているわけです。
これでは本末転倒です。

集中力(受験勉強の持続)
一般的な集中力は脳内の様々な領域が協調することで生み出されますが、受験勉強に限っていえば集中力を支える最も重要な中枢は「DLPFC(背外側前頭前野)」だといえます。効率よく学習を進めるには、他のことに気を散らさず、目の前の勉強に意識の焦点を合わせ続けることが必要です。脳の中でこうした勉強の集中力を主導的に生み出しているのが、この領域なのです。逆に、うつ病などを発症して「DLPFC(背外側前頭前野)」の機能が低下すると、受験勉強の集中力は劇的に低下してしまいます。

記憶力(高度な知識の記憶)
一般的には記憶の中枢は海馬だといえます。しかし、海馬だけでは単なる情報の羅列として記憶されるだけで、受験勉強には無力です。使いこなせる高度な知識としての記憶を行うには、「DLPFC(背外側前頭前野)」の機能が不可欠なのです。実際、「なるほど、そうなのか!」と内容を理解した上で記憶する場合は、この領域がしっかりと活動していることが実験でも確かめられています。一方、うつ病になると複雑なことを理解して記憶する能力が極端に低下しますが、その背後にも「DLPFC(背外側前頭前野)」の機能低下が見られます。

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DLPFC勉強法 – No.1
「DLPFC記憶術」

暗記が苦手なのも苦痛なのも、
「DLPFC(背外側前頭前野)」の使い方が原因!

「暗記は勉強の本質ではない」などと言って記憶を軽視する教師も少なくありませんが、現実問題として最後は記憶量が合否にモノを言うということは、受験生ならどなたでも感じているはずです。実際、私のクリニックを訪れる受験生の大半が暗記に苦戦していると訴えており、これを克服しない限り合格はありえないとも話しています。

また、勉強の中でも暗記は特に苦痛だという悩みも抱えています。そんな場合に、ぜひとも実践していただきたいのが「DLPFC記憶術」です。暗記ができないのも暗記が苦痛なのも、脳の「DLPFC(背外側前頭前野)」が十分に活用できていないのが大きな原因です。逆に言えば、これを解決すれば、記憶力は一気に改善します。

勉強したことを効率よく長期記憶に残すには、頭の中で情報を処理することが不可欠です。
このとき、カギを握っているのが「DLPFC(背外側前頭前野)」なのです。脳内のこの領域の機能を駆使し、情報を深く処理するほど長期記憶に残りやすい傾向にあることが指摘されています。

これは、「処理水準説」と呼ばれ、研究者の間で広く支持されています。情報の処理には、「形態的処理」、「音韻的処理」、「意味的処理」の三種類があるのですが、このうち「意味的処理」が最も深い情報処理で、このため記憶に残す効果も圧倒的に大きいのです。

つまり、受験勉強の成否は、いかに「意味的処理」が深く行えるかにかかっているわけです。脳内で、この「意味的処理」を中心になって進めるのが「DLPFC」です。実際、「受験うつ」になると「DLPFC」の機能が低下するため、「意味的処理」が十分に行えなくなり、記憶の効率が格段に悪くなります。「維持リハーサル」は「意味的処理」を伴わないので長期記憶に残りにくいわけですが、これに対し「意味的処理」を伴う記憶は「精緻化リハーサル」と呼ばれています。意味を探求していくと、情報の中身がより詳しく綿密になっていくため、この名がつけられました。

世界一ダメな記憶法とは

効率のよい記憶法を確実に身に着けるには、まず、最も役に立たないダメな記憶法を知っておき、反面教師にするとよいでしょう。実は、確実に忘れてしまうので、まったく受験には役に立たないことが実験によって確認されている記憶方法があります。それは、「維持リハーサル」と呼ばれているものです。

「維持リハーサル」とは、頭の中で言葉や数字をただ単に反復し、記憶にとどめようとすることです。たとえば、「応仁の乱:1467年」を覚えるときに、頭の中で「1467、1467、1467・・・」とただひたすら繰り返して情報を頭の中に維持しようとする方法です。

このやり方で暗記するというのは、単に記憶の効率が悪いと言うだけにとどまらず、長期的な記憶として定着する割合は、ほぼ0であることが実験で確かめられているのです。つまり、科学的にも「世界で一番ダメな記憶法」だといえるわけです。「そんな記憶はしていない」という受験生であっても、私がカウンセリングを行う中で勉強方法を詳細にチェックすると、ほぼ全員が何らかの形で「維持リハーサル」に陥っています。

特に、英単語、古文単語、地理・歴史などの暗記では顕著です。日々、行っているすべての受験勉強の中から、「維持リハーサル」を徹底的に排除しる取り組みが求められます

超効率暗記術のポイント

効率よく長期記憶に残すためには、「意味的処理」をできる限り深く、より高頻度に行うべきです。これを実現できる具体的な勉強方法をまとめました。

「DLPFC記憶術」
ポイント!

必ず「暗記」と「思考」を同時に行う

「あ!そうか!」と思った瞬間が最も記憶しやすい!

内容を「構造化」して、教科書の余白に図解する!

連想を広げて余白にメモしておく!

ポイント01必ず「暗記」と「思考」を同時に行う

多くの受験生が「暗記」と「思考」は相反するものだという印象を持っているようですが、これは間違いです。
「意味的処理」を行うには、脳の「DLPFC」が中心になって「思考」を行わなければなりません。また、勉強の中で「思考」をしても、その結果を記憶に残さなければ、受験には役立ちません。つまり、「暗記」と「思考」を表裏一体のものとみなして同時に行うのが受験に勝ち抜く秘訣なのです。

具体例

次のように、思考を巡らせながら暗記します。「応仁の乱は、1467年に始まって10年後の1477年に終わる。1467より1477のほうが覚えやすいので、こっちを覚えて、始まった年は10を引けばいいんだ。関ヶ原の合戦が1600年は常識だけど、応仁の乱はその百年ちょっと前だから、1400年台だというのは考えればわかる。だから、終わった年の77を覚えればいい。ラッキ7のゾロ目と暗記しよう。」

ポイント02「あ!そうか!」と思った瞬間が最も暗記しやすい!

あれこれと思考を巡らせる中で何かに気づき、「あ!そうか!」、「なるほど!」などと思うことがあります。実は、この瞬間、脳内では「意味的処理」が一気に進んでいるのです。だから、長期記憶に残す絶好のチャンスです。
さらに、発見や気づきに対して感動が大きいほど、鮮明に記憶が残りやすいことも実験で確認されています。こうした心の動きを大事にしながら、その瞬間にすべて覚えきるように心がけましょう。

具体例

次のように、発見に感動しながら暗記します。「応仁の乱の1467年は、初めの1は当然なので、残りの467を覚えよう。あ!そうか!4567の順番から5を除いた467だ!これって大発見かな!感動!よし!もう忘れないぞ!」

ポイント03内容を「構造化」して、教科書の余白に図解する!

「意味的処理」の中でも、特に内容の構造を分析して整理することが、とりわけ記憶を促進する強力な効果を持ちます。
英単語は対義語や類義語をセットにして暗記すると覚えやすいのも、この効果が働くためです。この場合も脳内では「DLPFC」が主導的な役割を果たしています。内容の構造化を進めるには、図解することが必要です。教科書や参考書の余白に、要点を図解して書き入れる習慣を身につけましょう。

具体例

次のように、内容を構造化した図解を余白に書いて暗記します。暗記する用語:カルボン酸、酸化還元反応、無機化学、芳香族、エステル、理論化学、脂肪族炭化水素、有機化学、熱化学方程式。用語が羅列された状態では暗記が困難ですが、以下のように図解すると、記憶が一気にはかどります。

ポイント04連想を広げて余白にメモしておく!

直接は関係のないことでも、連想を広げると、すでに脳内にある記憶と結びつくことにより「意味的処理」が行われ、記憶が定着しやすくなります。連想したことを教科書の余白などに書き入れておくようにしましょう。

具体例

その科目とは関係のないことでも、連想したことを余白に書き入れる。「応仁の乱は、1467年から1477年まで、10年間にわたって続いた」
⇒関連性が高い連想「ドイツの三十年戦争は、1618年から1648まで、30年間にわたって続いた」実際には、こうした関連性の高い連想は、なかなかできないものです。

そのようなときは、もっと関連が低いことでも、何か連想を引っ張りだし、書き出しておきましょう。
⇒10年間は英語だと「decade」だったな。「December」は12月だけど、古代ローマではもともと10月という意味だったんだよね。ということで、余白に「decade」と「December」をメモしておく。

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DLPFC勉強法 – No.2
「DLPFC音読勉強法」

音読ができているかセルフチェック

脳の「DLPFC(背外側前頭前野)」を上手に活性化すれば、短い時間の勉強であっても、合格に向けて最大限の成果を残せます。「DLPFC」を活性化させるために、ぜひとも実践していただきたいのが音読です。「音読がいいという話は聞き飽きた」という方も多いでしょう。でも、ちょっと待ってください。実は、多くの受験生が間違ったやり方で音読をしており、かえって勉強の効率を悪くしています。「DLPFC」を確実に活性化させ短時間に効果が上がる科学的な音読勉強法を習得してください。

脳を活性化させる音読ができているかセルフチェック!

Check01

10分以上、続けて音読している!

音読は、長時間続けて行うと、受験勉強に逆効果です。

Check02

音読を行う時間帯が、毎日バラバラ

1日の中で、音読を行うのに適した時間帯があります。

Check03

勉強のヤル気が高まっているときに音読を行う!

ヤル気が出ないときこそ、音読の効果は大きいのです。

Check04

高い声を張り上げて音読を行う!

音読は、低い声で行ったほうが記憶の定着率が高いのです。

Check05

机の上に置いた教科書を音読している!

姿勢が悪い状態で音読をすると、効果が半減します。

音読で合格を勝ち取る極意とは

極意その1「音読は1回、5分間に限定して行う!」

音読を長時間にわたって行うと、勉強の効率を大幅に落としてしまうので注意が必要です。音読が脳機能に与える長所と短所をよく知った上で、上手に勉強に取り入れましょう。
音読を行うと、声を出すために、胸やノド、アゴや舌など様々な筋肉を脳がコントロールします。

また、音を耳で聞いて再確認するため、聴覚の中枢も使用します。こうして脳は、DLPFCを含め幅広く刺激を受けるため、勉強のためのウォーミングアップには最適なのです。しかし、音読には学習の上でいくつか欠点があります。もっとも決定的なのは、文字を読み取るスピードが大幅に低下してしまうことです。黙読の場合、DLPFCの機能が優れている人は、かなり速く読み取ることが可能です。読み取るのが遅い人であっても、音読と比べれば、はるかに速いのが一般的です。つまり音読は、DLPFCの機能をかなり無駄にしているわけです。

また、音読の場合は文字を読み取るスピードが一定になります。黙読でしたら、どうでもいいところは読み飛ばし、必要なところはゆっくり正確に読み取るといったスピードの調節ができますが、音読の場合は困難です。実は、重要な部分だけを精読し、どうでも良い部分を読み飛ばす能力は、最近の入学試験で特に重視されています。

これは、IT革命によって世界中に情報が氾濫する中で、必要な情報だけを速やかに見つけ出しスピーディーに読み取る能力が社会で重視されるようになってきたためです。
このように音読には、学習を進める上で欠点があるため、長時間、続けて行うべきではありません。音読の目安は、一回あたり5分間ぐらいが適当です。10分以上、音読をやり続けるというのは、特殊なケースを除けば効率の悪い勉強法だといえます。

極意その2「音読は、勉強の準備運動だと心得る!」

音読自体は、内容をスピーディーに読み取るという点では効率が悪くても、DLPFCなど脳機能を高める効果は高いので、勉強のウォーミングアップとしては最適です。
どんなスポーツでも、練習の前に準備運動をしないと、ケガをする、悪い癖がついてしまうなど、うまくはなれません。

勉強の場合も脳機能の準備運動が必要で、そのために適しているのが5分間程度の音読なのです。音読は勉強の準備運動なのですから、本格的な勉強を行う直前に行わなければ意味がありません。脳を刺激して目を覚ます効果があるので、朝、起床して、その日、初めて勉強に取り掛かるときは、必ず音読をして脳のコンディションを整えてください。さらに、昼食後、夕食後など、30分以上の休憩をとった後に勉強を再開するときも、5分間程度の音読は必要です。脳機能は、休憩を取るモードから勉強をするモードに速やかに移行してくれます。

極意その3「勉強のヤル気がなくなったときこそ音読を行う!」

脳にとって音読は勉強の準備運動だというのが大原則なのですが、勉強中に音読したほうが良い場合もあります。それは、イライラする、ヤル気が出ない、雑念がわいてきて勉強に集中できないなど、何らかの形でメンタル面の不調をきたしたときです。

黙読をすると、こうした状態がいつまでも続くことが多く、最悪のケースでは勉強の効率が限りなくゼロになってしまいます。そんな場合は、勉強の途中でも黙読はやめ、音読に切り替えるべきです。
音読をすると、脳内で雑念が生じにくくなるので、メンタル面で不調に陥った場合でも、それなりに文章を読み進めることができます。また、音読は身体を使った運動としての効果もあるため、脳の中で意欲に関わっている側坐核を刺激する作用もあり、結果としてヤル気がよみがえる効果が期待できます。

極意その4「低い声で音読をしたほうが、記憶に定着しやすい!」

人間は、自信があるときは声が低くなり、自信がないときは声が高くなる傾向があります。脳は、こうした性質を幼いころから学習するため、高い声で話しているときは自信が持てない不確かな情報だと判断し、無意識のうちに記憶に留めないようにしてしまいます。
逆に、低い声で話していると、脳は自信の持てる確かな情報だと判断するため、優先的に記憶に残そうとしてくれるのです。効率よく暗記するためには、できるだけ低い声で音読したほうが有利だということです。

極意その5「立ち上がり背筋を伸ばして音読すると、勉強の効率が上がる!」

姿勢と脳機能は、密接な関係にあることが実験によって明らかになっています。背筋を伸ばして胸を張ると、その影響が脳に及び、積極的な心理状態に切り替わるのです。逆に、背筋を丸めると、何ごとにも消極的な判断をするようになります。
教科書を机の上に広げた状態で音読する人が多いようですが、これでは背筋が丸くなってしまうため、勉強へのヤル気が出にくく、学習の効率も低下します。まずは立ち上がってください。それだけで脳が刺激を受け、DLPFCの機能も高まります。さらに教科書を手で持ち、背筋を伸ばして音読をすれば、勉強への意欲も増し、学習の効率も上がります。

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DLPFC勉強法 – No.3
「DLPFC時間管理術」

勉強スケジュールをメディカルチェック

脳の「DLPFC(背外側前頭前野)」を上手に活用することが合格へのカギになるのですが、そのためには勉強のスケジュールの立て方がとても重要です。実は、脳機能は一日24時間の周期で変動していることがわかっています。つまり、あなたの脳のDLPFCは、朝・昼・夜のそれぞれの時間帯で働き方が異なるということです。ですから、時間帯に合わせて勉強の中身を上手に選択することで、最小の時間で最大の学習効果をあげられるわけです。

脳の「時間医学」を応用!
あなたの勉強スケジュールをメディカルチェック!

Check01

午前中には、どんな勉強をすると効率がいいのか?

午前中に高まる論理的思考力を使う勉強に集中するのが最適!

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Check02

特に早起きして早朝に勉強したら効率が上がる科目は?

数学・物理・何回か論説文(国語・英語)その他の苦手科目

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Check03

午後に低下する論理的思考力を回復させるには、どうすればいいのか?

昼食後に15分間に限って昼寝をする!

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Check04

夜遅い時間帯は、どんな勉強をすると効率が良いのか?

睡眠中に長期記憶に代わるため、暗記中心の勉強が最も有利!

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Check05

眠る直前の30分間は、どんな勉強をすると合格につながるのか?

その日の総復習にあてると、丸一日分の知識が長期記憶に変換されやすくなる!

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時間医学を取り入れてDLPFCを有効活用!

「時間医学」と呼ばれる研究分野が、今、臨床の現場でも注目を集めています。地球上で生息している生命体の多くが、サーカディアン・リズムという24時間の周期でホルモンの量や体内の代謝を変動させており、人体も例外ではないことは以前から知られていました。

こうした生命活動のリズムを専門に研究するのが「時間生物学です。さらに、これを人間の医療に応用したものが「時間医学なのです。たとえば、心筋梗塞は朝の8時から10時に発症しやすい、胃潰瘍は夜に悪化しやすいということがわかっているため、それに合わせてタイミング良く薬を服用すると、効率よく病気を予防できるのです。

人体のほぼすべての臓器が、何らかの形でサーカディアン・リズムに従って機能を変化させますが、中でも顕著なのが脳なのです。ですから、脳機能を使いこなさないといけない勉強こそ、「時間医学」を何よりも取り入れる必要があるといえます。それを十分に理解した上で、脳の「時間医学」を応用することで、DLPFCをしっかりと機能させられる最も効率のよい勉強スケジュールを立てましょう。

Check01論理的思考力は午前中に高まる

DLPFCを含む脳の前頭前野が中心になって論理的思考力を生み出しますが、こうした脳機能は午前中に最も高まることがわかっています。論理的思考力を最も必要とする科目は、数学や物理です。ですから、こうした科目の勉強は、午前中に重点的に行うのが有利です。また、英語や国語も、難解な論説文を読解するには、高度な論理的思考力を必要とします。さらに古典では、古文よりも漢文の方が理屈っぽい文章が多いため、午前中に勉強するのが向いています。

逆に、小説の読解には、論理的思考力よりも感情による共感が求められるため、午前中は向いていません。特に古文は男女の恋愛を扱う題材が多く、過度に論理的思考力に依存して解答しようとすると正解にたどり着けなくなることも多く、とりわけ午前中に行うメリットが少ない教科だといえます。

午前中に行った方がよい科目は論理的思考力が必要な科目

  • 数学
  • 物理
  • 論説文(英語・国語)
  • 漢文

Check02数学・物理は早起きして早朝に勉強しよう!

数学や物理は、特に論理的思考力を必要とするので、成績を上げるためには早起きし、朝の時間帯に重点的に勉強することをおすすめします。また、それ以外であっても、苦手科目であれば、克服するにためにDLPFCなどの脳の前頭前野の機能が不可欠なので、やはり朝の時間帯に勉強すべきです。

受験生は、夜中にダラダラと勉強する人が多いのですが、論理的思考力が低下した時間帯に数学や物理を勉強しても、脳に無理な疲労がたまるだけで、大きな学力アップは期待できません。また、夜遅くなるほど感情が不安定になるため、苦手科目の勉強にも向いていません。私がクリニックで受験生のカウンセリングを行なっていると、「数学や物理も、夜のほうがはかどる気がする」という人もいます。

しかし、ストップウォッチで時間を計測しながら問題を解くことで勉強の密度を調べ直してもらうと、実は夜に勉強がはかどるというのは誤解である場合が大半です。夜はDLPFCなど脳の前頭前野の機能が低下して時間が流れる感覚が鈍感になるため、勉強がはかどったように誤解してしまうのです。実は、問題を解くのに長い時間を浪費しているため、本人が感じているほどは勉強の効率が上がっていません。それよりも早めに眠り、その分、早く起きて、登校の前の時間帯に勉強したほうが得策です。

ポイント

  • 数学や物理の勉強が夜中にはかどると感じるのは、誤解である場合が多い!
  • 夜中は脳の前頭前野の機能低下で、時間が流れる感覚が鈍感になる!
  • 感情が不安定になる夜中は、苦手科目の勉強に向かない!

Check0315分の昼寝で、午後も論理的思考力が発揮できる!

残念ながら、論理的思考力は午前中でピークとなり、午後に入ると早々と低下してしまいます。とはいえ、数学や物理や論説文など、論理的思考力が必要な科目を午後になったらまったく勉強しないというわけにはいかないでしょう。

そのような場合におすすめしたいのが、昼食の後に、15分程度の昼寝をすることです。たった15分の昼寝で、DLPFCなど脳の前頭前野の機能が効率よく回復し、論理的思考力が復活してくれます。ただし、長時間の昼寝は逆効果であることもわかっているので注意してください。30分以上眠ると、脳は深い睡眠に移行するため、目覚めた後もぼっとした状態が続きます。
そうすると、論理的思考力は極端に低下するので、難解な問題は一気に解けなくなります。また、たとえ短い時間でも、午後2時を過ぎて昼寝をすると、やはり脳機能に悪影響を与えます。学校や塾からの帰宅途中に、電車の中でウトウトする人が少なくありませんが、これはやめるべきです。

論理的思考力を回復させる
昼寝の条件

  • 15分程度の昼寝がベスト!
  • 30分を超えると逆効果!
  • 午後2時を過ぎたら昼寝はしない!
  • 帰宅途中の電車内でのウトウトもNG!

Check04夜遅い時間帯は記憶中心の勉強が有利!

いくら熱心に勉強して多くの事柄を暗記しても、試験までに忘れてしまったら意味がありません。受験で合格を勝ち取るには、その日に習得した短期的な記憶を、脳内で長期的な記憶に変換することが必要なのです。

短期的な記憶は主に脳の海馬と呼ばれる部分で生み出されるのですが、放っておくと、いずれ消え去ってしまいます。しかし、これが大脳新皮質に置き換えられると長期記憶に変化するため、半永久的に維持され忘れにくくなるのです。勉強で得た知識は、ただ覚えればいいというのではなく、長期記憶に変換することが重要なのです。

実はこのプロセスが重点的に行われるのが、ほかならぬ睡眠中であることが実験によって明らかになっています。朝、記憶した場合は、寝るまでには長い時間があります。その間に、かなりの知識が長期記憶へ変換されることなく忘れ去られてしまうわけです。逆に、寝る直前の時間に暗記をしたら、覚えた知識はホヤホヤの状態で長期記憶へ変換できるので、とても効率がよいのです。だから、夜遅い時間帯には、記憶中心の勉強を行うのが得策だということです。

ポイント

  • 短期的な記憶のままだとすぐに忘れるが、
    長期記憶に変換されると忘れにくい!
  • 長期記憶への変換は主に睡眠中に行われるので、
    寝る直前は暗記中心の勉強をしよう!

Check05眠る直前の30分間は、1日の総復習に当てよう!

受験勉強に必要な知識は、海馬だけではなく、DLPFCなど脳の前頭前野の機能が働かなければ記憶できません。ところが、いったん眠りに落ちると前頭前野は機能が極端に低下するため、眠った後に新たな情報が脳に入ってきて、すでに覚えた記憶を台無しにするということはないのです。

睡眠にはこうした性質があるため、寝るときに記憶にとどまってさえいれば、知識は損なわれることがないまま長期記憶への変換を行える可能性が高まります。このような理由で、寝る直前の30分に暗記した知識は特に記憶に残りやすいことがわかっています。こうしたメカニズムを最大限に受験勉強に利用するには、この時間帯は1日の総復習に当てるのがベストです。

もちろん、寝る直前の30分に新しい知識を覚える勉強をしても、効率よく長期記憶に変換されるのですが、わずか30分間では、覚えられる知識に限りがあります。しかし、復習だったら、たった30分間でも、その日に学んだすべての知識をカバーすることも不可能ではありません。
たとえば、教科書やノートをペラペラとページをめくりながら軽く見直すだけでも、その日に暗記した知識がよみがえります。その状態で眠れば、丸1日分の知識が効率よく長期記憶に変換できるのです。これが寝る直前の貴重な時間帯を最も受験勉強に役立てられる方法だと私は確信しています。

ポイント

  • 新しい知識の暗記では30分間にわずかしかできないので、
    寝る直前に行うのはもったいない!
  • 復習なら30分間に丸一日分でもこなせるので、
    貴重な寝る直前の時間がベスト!

受験専用の心療内科本郷赤門前クリニックの早期合格コース

新型うつの傾向がある受験生の勉強方法

吉田たかよし先生からの大原則

症状が重いときは、勇気を持って受験勉強を休みましょう。
結局は、そのほうが合格につながります。

受験勉強を続けられるかどうか自己判断は危険なので、
医師に任せてください。

受験勉強が可能な場合でも、うつ状態にビッタリあった
勉強法が必要です。

「メランコリー親和型うつ」と「新型うつ」では、
効率のよい勉強法がまったく異なる!

従来は、マジメで責任感が強く几帳面で勤勉な人がうつ病になりやすいといわれ、「メランコリー親和型うつ」と呼ばれていました。ところが、最近、若い人を中心に、問題が生じると他人のせいにし、周囲からは自分勝手に見える新しいタイプのうつ病が増えてきました。

こうしたうつ病をメディアは「新型うつ」と呼び、世間でも注目を集めるようになってきています。「新型うつ」という病名は、まだ正式には認められておらず、診断基準もありません。
ただし、受験に挑む若い世代に、こうしたタイプのうつが増えているのは、否定しようがありません。特に注意していただきたいのは、いわゆる「新型うつ」は、従来からの「メランコリー親和型うつ」と、効率のよい勉強法がまったく異なるため、対処は区別して考える必要があるということです。今回は、いわゆる「新型うつ」に限定して、合格を勝ち取るための勉強法をアドバイスしたいと思います。

「新型うつ」の傾向がある受験生におすすめしたい勉強法

新型うつの傾向がある受験生には、いくつかの心理的な特徴が認められています。それを否定せず、勉強法を心理的な特徴に合わせて上手に工夫すれば、成績の大幅アップが期待できます。

新型うつの心理的な特徴-1
「こだわりが強い」

「新型うつ」の方は自分なりのこだわりを持っていることが多く、それに過剰に固執する傾向があります。それを親や教師など周囲の人が否定すると、心の奥底で反発し焦燥感につながるのです。
受験生本人も周囲の人も、こだわりを受け入れ、上手に受験勉強に利用していくと良い結果につながります。ただし、これが自分の性格の特徴なのだということは、しっかり認識しておくことが必要です。最も大切なのは、「こだわり」を仕分けすること!受験にとって致命的なハンディーとなる「こだわり」と、致命的ではない「こだわり」をしっかりと区別する。

CaseStudy 01 受験生Aさん(現役高校3年 男子)の実例志望校:東京大学理科I類

東大の英語で必ず出題される要約問題を完璧に解きたい

塾の先生は「要約問題よりも他の分野の学習をしなさい」と指導。これに反発して焦燥感が高まる。イライラが制御できず、勉強も手に付かない。

吉田たかよし先生のアドバイス

要約重視のこだわりは、東大の入試で致命的なハンディーではありません。塾の先生の指導は、一般論としては正しいですが、新型うつにより、柔軟に受け入れることができなくなっている受験生には、足かせとなるだけです。要約の学習を通して、他の総合問題の得点力も高められる勉強法をアドバイスしました。課題文を段落ごとに即座に要約できるようになれば、全体の論旨を問う設問の正答率も大幅に高まります。また、英作文や文法の学習も、要約と関連付ければ効率よく学習できます。実際、Aさんは強いこだわりを逆手に取って利用することで、結果として英語全体の得点力がアップしました。

強いこだわりを逆手に取って利用し、
他の総合問題の得点力を高める勉強法を。

数学の図形問題を完璧に解きたい

図形問題に特別な才能を持っており、また、図形問題が解ける人こそ価値があるという思い込みがある。そのため模擬テストでは、6問出題される数学の問題のうち、図形問題が解けないと、他の問題に移れず、答案用紙が白紙になってしまっていた。

吉田たかよし先生のアドバイス

この場合のこだわりは、合格を勝ち取るために致命的なハンディーとなります。実際、このままでは、数学が0点になることだってあるでしょう。ただし、新型うつの傾向がある場合は、頭ごなしにこだわりを否定すると、イライラして焦燥感が高まってしまうだけなので、逆効果です。親子カウンセリングを行うと、実は両親にも図形問題を過剰に評価する思い込みがあり、幼少期の自我の形成に影響していたことがわかりました。

受験生本人にそれを理解させた上で、単に「図形問題を解くこと」ではなく、「制限時間内で図形問題を解く」ことが能力の証明になることを納得させました。また、心理の根底に、親から本心で評価されたいという渇望感が強く見受けられましたので、毎晩、図形問題に挑み、制限時間内で正解できれば褒めてあげる、正解できなければ励ます習慣を導入してもらいました。その結果、模擬テストでは、無理なく適切な時間配分ができるようになりました。

心理の根底にある「親から本心で評価れたい」
という渇望感を理解し、満たしてあげる

新型うつの心理的な特徴-2
「極度の負けず嫌い」

そもそも受験は、合否という勝ち負けがつく勝負ごとなので、負けず嫌いという心理的な特徴自体は、むしろ長所だといえます。ところが、新型うつの傾向がある受験生は、負けず嫌いが過剰になりすぎて、問題行動につながる場合が少なくないのです。放置しておけば、やはり不合格につながります。

CaseStudy 02 受験生Bさん(浪人生 男子)の実例志望校:私立医学部

模擬テストの結果が悪いと、受験勉強を投げ出そうとする

模擬テストの成績がよいときは、気分を良くして前向きに勉強する。しかし、模擬テストの結果が悪いと、親に八つ当りし、2週間から3週間ほど、まったく勉強しなくなる無理に勉強させようとすると、「こんな子どもに産んだお前が悪い」と暴れだす。

吉田たかよし先生のアドバイス

成績が悪かったという現実を柔軟に受け止める力が低下しているため、受験勉強を投げ出すことで、心のバランスを維持しようとしているのです。失敗から学び取ることが苦手なタイプなので、少々、過激ではありますが、成績の悪かった模擬テスト答案は、両親の目の前で破り捨てさせました。間違った設問の復習もしなくていいと指導しました。心理的に受け入れるのが困難な経験は、早期に風化させ、忘れさせるのが得策です。

塾の先生は「復習しないなんて愚の骨頂だ」とおっしゃるでしょうが、新型うつの傾向がある受験生に限って言えば、長期的には合格につながります。代わりに、最も成績が良かった模擬テストの答案を勉強机の前に貼っておき、毎日眺めるようおすすめします。また、良い成績の模擬テストが返ってきたら、両親そろって家庭で「表彰式」を行い、子どもを大々的に讃えてあげるのも、実践したい習慣です。もともと嫌な経験を繰り返さないように勉強するというスキームは苦手なタイプなので、心地良い経験を繰り返したいから勉強するというポジティブなモチベーションの形成に切り替えると、劇的に成績が向上します。

苦手な科目はあえて復習させず、
得意な科目をさらに伸ばし自信を持たせる

新型うつの心理的な特徴-3
「学校を休むことに抵抗がない」

「メランコリー親和型うつ」の場合は、学校を休むと自分を責めますが、「新型うつ」の傾向がある場合は、学校を休んでも本人は抵抗感がないことが多いという特徴があります。

CaseStudy 03 受験生Cさん(高校3年生 女子)の実例志望校:私立文系

勉強はするが、学校を休むことに、まったく罪悪感をもっていない

学校に行くと極度の抑うつ感に襲われるが、休ませると、ケロッとした表情で受験勉強を続ける。学校を休むことに、まったく罪悪感を持っていない。

吉田たかよし先生のアドバイス

一般的にいえば、学校を休ませて受験勉強をしても、いい結果が得られないことが多いのが現実です。ズル休みをしている心の負い目がストレスにつながるため、最も大切な受験の直前期に成績アップに急ブレーキがかかってしまうのです。

だから、普通の生徒さんの場合は、学校に登校させてください。ところが、こうした傾向が合致しないのが新型うつの特徴です。合格だけのことを考えれば、無理をして学校に行かすのは、現実論として得策ではないでしょう。ただし、保護者によるフォローが不可欠となります。万が一、卒業できなくなったら大変なので、学校側と頻繁に連絡を取り、出席日数の確保に務めることを怠ってはいけません。学校側には単なるズル休みにしか見えない場合が多く、そうではなく新型うつだということをしっかりと理解させることが必要です。

ただし、理解さえしてくれれば、学校によっては、夏休みなどに登校して自習することで出席日数にカウントしてくれるケースもあります。また、丸一日休むのではなく、可能であれば授業ごとに出席・欠席を分けさせることも検討すべきです。Cさんの場合は、保護者に代わって私が担当医として学校と交渉し、出席計画を詳細に策定することで、卒業にこぎつけました。

卒業できるよう学校に新型うつを理解させる

新型うつの心理的な特徴-4
「過剰に他罰的な性格」

従来型のうつ病では、何か問題が生じたときに自分が悪いと考える自罰的な性格が多いのですが、新型うつの場合は、周囲の人が悪いと考える他罰的な性格が多いのが特徴です。

CaseStudy 04 受験生Dさん(浪人1年目 男子)の実例志望校:東京大学理科I類

周りの人や環境が悪いと考え、他人を非難したり、攻撃的になる

家庭の環境が悪い、親の接し方が悪い、先生の教え方が悪い、問題の出題者が悪いなど、周囲の人に対して何かと腹が立ち、イライラして勉強が手に付かない。とくに、東大の数学の出題傾向に不満を募らせていた。ユニークな発想でエレガントに解く数学の問題に思い入れがあるのに、東大の数学の問題は、複雑な場合分けをして力づくで解く問題が多く、そんな問題に出会うたびにイライラして間違ってしまっていた。さらに、こうした心の歪みがキッカケになって、それ以外の科目でも、勉強自体にヤル気が持てなくなった。

吉田たかよし先生のアドバイス

まず、受験生本人が他罰的な性格であることを理解させることから始めます。しかし、無理に環境に自分を合わせようとすると、焦燥感がつのり、受験には良い結果は得られません。他罰的な性格を受け入れた上で、それが暴走しないようにコントロールしながら、合格を勝ち取るために上手に利用していくのが望ましいのです。学習環境を改善するのには、他罰的な性格のほうが、むしろ上手くいくことが少なくありません。そのためには、不満を感じたら、ノートに箇条書きにする癖をつけることが必要です。頭のなかだけで考えると心が暴走しやすいのですが、紙に書くと一定の制御が可能になります。それを見ながら対処を考え、やはり紙に書くのです。

新型うつの受験生の場合、ほぼ例外なく先生の教え方が悪いという不満をつのらせますが、無理に先生に合わせる必要はなく、塾なら先生を変えることを検討しましょう。参考書の説明が悪いと不満を感じたら、参考書をドンドン変えればいいのです。参考書を丸一冊使うのではなく、一部分だけ使用するようにするのも効果的です。見落としてはいけないのは、試験の出題が悪いという不満です。この場合は、志望校の出題傾向が受験生に合っていない可能性がありますので、偏差値が同水準の他の大学の過去問を片っ端から解き、志望校の再検討を行いましょう。

Dさんの場合は、京都大学の過去問を解かせ、比較させました。東大では入学後にDさんの性格的な傾向が進学する学科の振り分けで不利になることも考慮し、結局、試験問題をリスペクトできる京大を受験して、大学院で東大に戻るキャリアデザインを目指すこととなりました。腹立たしさやイライラは認知力を低下させるので、受験勉強の妨げになるのですが、工夫をしてそれを乗り越えれば、強い興味や関心を掘り起こすキッカケになるのも事実です。受験については、無関心や無感動に陥るよりは、むしろイライラのほうが良性だといえます。

偏差値が同水準の他の大学の過去問をみて、
志望校の再検討を行う

受験専用の心療内科本郷赤門前クリニックの早期合格コース

吉田たかよし先生による
ストレス軽減勉強法動画

ストレスで応用問題が解けなくなる理由!

多くの受験生の方が、実感として気づいていると思いますが、ストレスが高まると、応用問題が集中的に解けなくなります。
これは気の迷いではなく、脳の仕組みに原因があって本当に生じる現象なのです。ですから、応用問題で点数を確保するには、ストレスの性質をよく知っておく必要があります。

ポイント

  • 視野を広げれば応用問題が解ける!

ストレスを味方につけるインターバル勉強法!

ストレスは人体にとって、全面的に悪いものだというイメージをお持ちの方が多いようですが、これは医学的には間違いなんです。人体に良いストレスと悪いストレスの両方があるんです。成績を上げる良いストレスを知ることでストレスを味方につけましょう。

ポイント

  • オンとオフの切り替えを訓練

記憶力を高めるストレスホルモン攻略法!

受験ストレスでスランプに陥るのを防ぎ、逆にストレスと上手に付き合いながら成績を上げることができる勉強法を解説します。受験ストレスで増加するストレスホルモンは脳にも作用し、記憶力を変化させるため、受験の合否にも重大な影響を及ぼすのです。ストレスの本質を理解することで克服しましょう。

ポイント

  • 精神論は逆効果!記憶力は余計に悪化

夕食の時間が受験に悪影響!?

このテーマは多くの受験生の方に、脳のため今すぐ改めていただきたいこと。それは、「夕食の時間」なんです。
受験生は、学校から塾へ直行する場合が多いですね。そうすると、どうしても夕食は夜遅い時間帯になってしまいます。これが脳機能に重大な悪影響を及ぼして、受験勉強の足を引っ張っている場合が多い。

ポイント

  • 遅い夕食は、受験生にとって大問題

脳機能を活かす試験日当日の食事は?

このテーマは、試験の当日、脳機能を高めるには、食事は何を食べればいいのかということです。受験生ご本人、それから受験生のお母様にはぜひ、聞いていただきたいですね。

ポイント

  • 普段の食事と試験の当日の食事は、脳にとって必要な栄養素が違う

スーパーマンのポーズで自信が付く!?

受験生にとって、自信をつけるというのは、とても大切なことです。自信がついていれば、勉強も試験も、空回りしないので、確実に点数を稼げます。
今日のテーマは、そんな自信が、なんと、スーパーマンのポーズをしただけで深まるという研究結果です。しかも、たった2分間で効果が出るのです。

ポイント

  • 姿勢で自信が出てくる?!

「朝、起きれない」は脳機能の赤信号!

このテーマは多くの受験生の方が、思い当たるんじゃないでしょうか。脳機能にとって「朝起きれない」ということは、いわば合格への赤信号で、放置してはいけないということです。
私は、メンタル面で不調をきたした受験生を数多く診察していますが、「朝起きれない」という方が本当に多いのです。

ポイント

  • 寝る時間と、起きる時間、どちらが大事か