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受験うつ、親のサポート講座!【パート3】学校との交渉編
受験うつ勉強法講座 第5弾 『学校との交渉が子供の人生を決める!』

「受験うつ」を乗り越え、志望校への合格を手にするには、親子のコミュニケーションがとても重要です。しかし、現実には多くの親が間違ったコミュニケーションの取り方をしてしまっていて、愛情とは裏腹に、結果として子どもの症状を悪化させる大きな要因となっています。これは、とても残念なことで、今すぐ改善していただきたいのです。ここでは、「受験うつ」に関する実際の症例をもとに、親が注意しなければならない4つのポイントについてわかりやすく解説していきましょう。

本郷赤門前クリニックの開設以来、受験生のうつ病治療に数多く携わってきた吉田たかよし先生による、新型うつの対処法と勉強方法をご紹介します。
吉田たかよし先生プロフィール

子供が受験うつに陥った場合に、親がやらねばならないサポートの中で最も大切なのは、学校とタフな交渉を行うことです。
受験うつになると、授業を休みがちになり、また、定期試験も受けられなくなります。
子どもは学校を休んだことに対して罪悪感を覚えるため、これがストレスとなって、さらにうつの症状を悪化させることになるのです。

こうした悪循環を断つため、親は主治医としっかり相談した上で、学校と緊密に連絡を取り合い、子どもが安心して学校を休める環境を整えてあげましょう。
このとき、親の交渉次第で、学校の子どもへの扱いは大きく変わってきます。
時には学校側に対して上手に駆け引きを仕掛けながら、子どもにとって最小限の負担で確実に進級・卒業ができるよう道筋をつけてあげることが必要です。
そうすれば、子どもは安心して学校を休むことができるので、早期の回復につながるのです。

学校との交渉のポイント!

鉄則その1 進級・卒業への最低ラインを明確にする!

一般的には、欠席日数が3分の1を越えると進級や卒業ができないということになっています。しかし多くの場合、これは建前に過ぎず、実際にはこれより寛大な扱いをしてくれる学校が大半です。
私はご家族の依頼を受け、学校と直接、交渉した経験もありますが、出席日数がゼロで卒業に持ち込めたことも少なからずあります。
その一方で、少数ではありますが、原則論を振りかざし、長期に欠席した場合は断じて卒業を認めないという学校もあります。
また、本当は長期の欠席を容認する方針であっても、他の生徒への影響を考慮し、当初は厳しい目の言い方をするというのも、よく経験することです。
そのような場合こそ、安心して長期に学校を休ませることが子どもの回復に不可欠なのだということを、親が粘り強く学校側に訴え、進級・卒業への最低ラインをできるだけ早期に引き出すことが必要です。
これが子どもに安心感を与え、うつの回復に役立つのです。

学校側との交渉で、進級・卒業に影響が出ない出席ラインを確認しましょう!

鉄則その2 学校側の問題を明らかにし、対応策を取らせる!

子どもがうつ病になるというのは、学校生活にも何らかの問題があるはずです。
いじめや暴力の被害にあっていたら、それは論外なのですが、私がカウンセリングを行う中で多く経験しているのは、学校に理不尽な時間の使い方を強いられているケースです。
高校3年生になれば、目の前に迫ってきた大学受験に全勢力を注ぎたいと思うのが当然のことです。
にもかかわらず、文化祭の実行委員に命じられたり、体育祭の準備に長い時間を取られたりすると、受験への焦りから焦燥感にとらわれるようになります。
特に真面目で責任感の強い生徒は、上手に手を抜くことができず、やがて、うつに陥ってしまうというケースが、受験うつではとても多いのです。
このような場合は、与えられた役割を子どもが断ると、クラスメートや先生に悪いことをしたという罪悪感が芽生え、これがストレスとなって、うつの症状をさらに悪化させてしまいます。
そうならないためにも、親は学校と交渉し、あくまでも学校側から子どもの役割を解くという形式を取らせるべきです。

学校側の問題を指摘し、過度な負担から解放させましょう!

鉄則その3 夏休み、冬休み、春休みは、出席日数を稼ぐチャンス!

うつ病のタイプにもよりますが、他の生徒と顔さえ合さなければ、学校に行くことは可能だというケースが少なくありません。
このような場合は、夏休み、冬休み、春休みに登校しておき、出席日数を稼いでおくのが得策です。
私がご両親に代わって学校と交渉したあるお子さんは、学期中はすべて休んでしまいましたが、その代わりに休暇中に登校することで卒業にこぎつけました。
具体的には、休みの日に職員室に顔を出し、先生に登校を確認してもらった上で、図書館や空いている教室で自習をするのですが、これで出席日数にカウントしてもらいます。
中には年度末の3月31日に出席日数が規定に達し、ギリギリで卒業にこぎつけたケースもありました。

夏休みなどの長期休暇期間を利用し、出席日数を稼ぎましょう!

鉄則その4 期末試験は別室受験を要求しよう!

うつ病になったときに、授業の欠席日数とともに問題になるのが、期末試験を受けられなくなることです。
試験を受けなければ成績の付けようがなく、学校側としても卒業させるわけにはいかなくなります。
この場合も、うつ病のタイプによるのですが、クラスメートとともに期末試験を受けることはできなくても、一人で受けるのなら可能であることが少なくありません。
そこで、親は学校と交渉し、別室で試験を受けることを認めてもらいましょう。
少なくとも医師の診断書を提出すれば、学校側が別室受験を断ることは、まずありえません。
また、どうしても試験を受けることができない場合は、他の時期に受けた試験結果の7割程度の点数を元に成績をつけてくれることもあります。
成績についても、子どもが不安に思うことが、うつの症状を悪化につながります。
親は、できるだけ早期に学校と話し合い、卒業への道筋をつけて子どもを安心させてあげましょう。

1人で試験を受けれるよう、別室受験を要求しましょう!

鉄則その5 学校側の問題を明らかにし、対応策を取らせる!

一定期間、学校を休むと、必ず診断書の提出を求められます。
このとき注意していただきたいのが、不用意に診断書を提出すると、子どもの将来に禍根を残す場合があるということです。

特にダメージが大きいのが、入試の願書とともに提出する内申書です。
長期に学校を休んだ場合、学校側は内申書に具体的な理由を書かざるを得ません。
このとき現実には、医者が書いた診断書に基づいて内申書に記載する場合が大半です。
私は、高校の教諭を対象に調査を行なったことがありますが、中には具体的な表現まで診断書の文言をそのまま転載したと打ち明けてくれた先生もいました。

一方、診断書を書く医師の側は、診断書の記載が内申書を通して患者の受験の合否に影響を与えるということに対して、残念ながら意識は極めて希薄です。
その結果、受験に著しく不利になる診断書を書いてしまうこともあるのです。

一般の大学入試では内申書が合否に占める割合が低いので、まだいいのですが、医学部の入試など、面接がある場合は特に注意が必要です。
面接官は、内申書の記載に目を通した上で面接を行うのが一般的です。
内申書によって面接の方向性があらかじめ決ってしまうので、あなどってはいけません。

また、将来、留学する場合は、高校にさかのぼって内申書の提出を求められることが多く、しかも諸外国では内申書が合否に影響する場合がむしろ主流派です。
医師には内申書への影響まで考慮した上で、診断書を書くにあたって文言を慎重に吟味してもらいましょう。

内申書に響かないよう、お医者さんに相談し、診断書を書いてもらいましょう!

講師プロフィール

吉田たかよし

本郷赤門前クリニック院長
医学博士 心療内科医師
http://docor-t-yoshida.jimdo.com/

1964年生まれ。灘中学校・高等学校、東京大学工学部を卒業後、1989年にNHKに入局。個性派アナウンサーとして『ひるどき日本列島』や野球実況などを担当。NHKを退職後、東京大学大学院医学博士課程修了。本郷赤門前クリニックを開設し院長を務め、受験生を専門に扱う。現在では脳医学や自律神経機能の学習への応用研究に取り組む。人間情報学会理事・ヘルスケア部会長。

主な著書『最強の勉強法』(PHP出版)『子供がヤル気を出す家庭の秘密』(角川書店)

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