1. 受験うつ予防ナビTOP
  2. 受験うつ、親のサポート講座!【パート4】

受験うつ、親のサポート講座!【パート4】
受験うつ勉強法講座 第6弾 『受験生の心を守る食事の鉄則!』

本郷赤門前クリニックの開設以来、受験生のうつ病治療に数多く携わってきた吉田たかよし先生による、新型うつの対処法と勉強方法をご紹介します。
吉田たかよし先生プロフィール

受験ストレスから心を守る食事の極意!

学校との交渉のポイント!

極意その1 魚は「うつ症状の回復」と「学力の回復」のダブルの効果!

「うつ病の治療薬の代わりになるものを見つけたければ、魚屋へ行け!」
これは、英国の脳栄養科学研究所所長、マイケル・クロフォード博士が語った言葉で、私たち心療内科医で知らない人はいないくらい有名です。実際、魚を食べると、うつ病の予防や治療に役立つことを示す研究は数多く発表されているのです。

青魚のオメガ3系脂肪酸は天然の抗うつ薬!

こうした研究のさきがけになったのは、NIH(アメリカ国立衛生研究所)のジョセフ・ヒベルン博士が1998年に「The Lancet」という権威のある医学誌に発表した調査結果でした。
図のように横軸に一人あたりの魚の消費量、縦軸にうつ病(大うつ病性障害)の発病率をとり、各国の統計データをプロットしていくと、右下がりの傾向にあることが分かります。
これは、魚をたくさん食べるとうつ病になりにくく、魚を食べないとうつ病になりやすいということを示しているわけです。

グラフ:魚消費量と大うつ病性障害の相関

魚を食べないニュージーランドは、うつ病発症率が日本の50倍!

特に衝撃的なのは、一人あたり1年間に63㎏の魚を食べていた日本と、10㎏しか魚を食べていなかったニュージーランドの較差です。
ニュージーランドは日本と同じように周囲が海に囲まれていますが、牧畜が盛んなため魚の消費量は少ないのです。

そんなニュージーランドでは、なんと人口あたりのうつ病の発症率が、日本の50倍も高かったのです。環境面ではニュージーランドの方がのどかでストレスの少ないお国柄ですから、「やっぱり魚には何かがある」ということで、研究が一気に進みました。

その結果、分かってきたのが、DHAやEPAなど魚に含まれるオメガ3系脂肪酸と呼ばれる成分が、うつ病の予防効果も発揮してくれるということです。

ですから、魚の中でも、オメガ3系脂肪酸を多く含むサバやイワシ、それにサンマなど背の青い魚が、とりわけ、うつ病を予防する効果が高いと考えられます。

実際、うつ病の患者にオメガ3系脂肪酸を投与したところ、うつ病の症状が軽くなったという研究結果も発表されています。 また、血液中のオメガ3系脂肪酸の濃度が高い人は、そうでない人に比べ、自殺する割合がなんと五分の一から八分の一と劇的に低かったという調査結果も報告されています。

「魚を食べると頭が良くなる」は、あながちウソではない!

「さかな、さかな、さかな~♫、さかなを食べると~♫、頭、頭、頭~♫、頭が良くなる~♫」
誰もが耳に馴染んでいるフレーズだと思いますが、残念ながら魚に含まれる成分に関して脳の認知機能を高める効果が明確に証明された研究結果は得られていません。
しかし、オメガ3系脂肪酸が不足している子どもは成績が悪く、この場合はオメガ3系脂肪酸を摂取させることで成績が向上したというデータは得られています。
つまり、魚を食べれば食べるほど成績が良くなるというわけではありませんが、不足している場合は成績の回復が期待できるわけです。
受験うつの場合は、オメガ3系脂肪酸が不足している可能性があるので、「うつ症状の回復」と「学力の回復」という一石二鳥の効果を求めて、魚をしっかり食べることをおすすめします。

極意その2 2週に一度、夕食に大好物を食べさせ、「受験うつ」を早期に見抜く!

どんな病気も早期発見が重要なのですが、うつ症状は心の問題で、しかも受験生は自室にこもって勉強する時間が長いだけに、症状が重くなるまでご家族は気がつかない場合も少なくありません。
そんな中、子どもの異変にいち早く気づくことができる貴重な機会として大切にしていただきたいのが食事の時間なのです。

受験うつになると、ほとんどの場合、食事の時間に何らかのSOSサインを発します。
それを親は、見逃してはいけません。
といっても、朝食は慌ただしくとる場合が大半ですし、昼食は自宅でとることが少ないでしょう。
だからこそ、自宅で比較的長い時間をかけて食事をとることが多い夕食こそが、うつ症状が出ていないかどうかをチェックする絶好の機会なので、ご家族が子どもをよく観察していただきたいのです。

以下は、そのためのチェックポイントです。

食事中に現れる「受験うつ」のSOSサイン!

・大好物だった料理を定期的に出して、子どもの反応を観察する。

⇒美味しく感じなくなったら要注意!

・子どもが食事をとる量が変化しないか観察する。

⇒食べる量が極端に減る。
 逆に食べる量が極端に増える。
 増えたり減ったりを繰り返す。
 いずれも要注意!

亜鉛の不足などによる味覚障害はよく知られていますが、うつ症状が重くなっても味を感じにくくなります。
ひどい場合は何を食べても味がまったく感じられなくなり、「まるで砂を食べているようだ」と話す受験生もいます。

「受験うつ」に気づくために、ぜひ、習慣にしていただきたいのは、お子さんの大好物だった料理を食べさせて、その反応を観察することです。 もともと嫌いな食べ物を美味しく感じないのは当たり前ですが、大好物の食べ物を美味しく感じなくなった場合は、うつ症状のSOSサインである可能性が高いと考えるべきです。
私がおすすめしているのは、あらかじめ子どもの好きな食べ物の中で母親が子どもに内緒で一つの料理を選んでおきます。
そして、目安として2週間に一度くらいのペースで食卓に出し、前回の反応と比較してみるのです。
そうすれば、子どものわずかな変化にも母親が即座に気づくことができます。

普段の食事の量も、子どものメンタル面の異変を見逃さないために、注意を払っていただきたいポイントです。
脳の中でストレスの処理を行っている中枢は視床下部という部分ですが、食欲を管理している摂食中枢と満腹中枢もこの視床下部の中にあるため、ストレスの異常は食欲にダイレクトに現れます。
抑うつ症状が現れると食欲が低下する場合が多いのですが、逆に食べることでストレスを紛らわせようとして食事の量が増える場合もあります。 また、食欲が不安定になり、食事の量が増えたり減ったりを繰り返す受験生もいます。

極意その3 夕食時に子どもに話しかけ、受け答えで「受験うつ」をチェック!

常にストレスにさらされている受験生にとって、夕食の時間はリラクスできる数少ない機会です。
また、食事によって血糖値が上昇するため、普段は勉強でカリカリしている受験生も本来は心が穏やかになるはずです。
にもかかわらず、コミュニケーションに異常が現れていれば、子どもはメンタル面で何らかの問題を抱えていると考えられるのです。
夕食は、隠されている心のSOSサインを親が見つけ出してあげられる好機です。
ぜひ、親のほうから積極的に子どもに言葉をかけ、どんな答えが返ってくるか耳を傾けてください。

夕食時に子どもに話しかけ、返事に以下の兆候が現れたら要注意!

・子どもの口数が極端に減る。
・何度も同じような内容の話や言葉を繰り返す。
・会話のキャッチボールがスムーズにできなくなる。
・イライラしながら親や学校の不満ばかりを口にする。
・「もうダメだ」といったネガティブな発言ばかりをする。

極意その4 食事の時間は受験や勉強に関する話題を避ける!

多くの親は、食事のとき、受験や勉強に関することを子どもに問いただそうとしますが、これは絶対にやめてください。
普段の受験勉強でストレスを抱え込んでいる子どもにとって、食事はメンタル面をリセットする貴重な時間です。
そこで親が受験や勉強の話をしたら、子どもの心はズタズタになります。

多くの親は、勉強の進み具合や模擬テストの成績を話題にするのは、子どものために子どもを気づかってのことだと思っています。
でも、それは親のカン違いである場合が少なくありません。
実は子どもの成績に関して親自身が不安を感じていて、親のストレスを子どもに転嫁しているのが、子どもに勉強の話をする親の心理の実態である場合が少なくありません。

「子どもが不合格になるのが怖い・・・」
「子どもが落ちたら、近所で私が恥をかく・・・」
「いい学校に進学してくれないと、会社で自分の立場がない・・・」
そんな親のエゴについて、ストレスに押しつぶされてデリケートになっている子どもの心は見逃しません。
子どもは傷つきメンタル面で一気に不安定になってしまいます。
以下のチェックポイントを参考に、夕食のときの話題を厳選してください。

夕食時の会話

講師プロフィール

吉田たかよし

本郷赤門前クリニック院長
医学博士 心療内科医師
http://docor-t-yoshida.jimdo.com/

1964年生まれ。灘中学校・高等学校、東京大学工学部を卒業後、1989年にNHKに入局。個性派アナウンサーとして『ひるどき日本列島』や野球実況などを担当。NHKを退職後、東京大学大学院医学博士課程修了。本郷赤門前クリニックを開設し院長を務め、受験生を専門に扱う。現在では脳医学や自律神経機能の学習への応用研究に取り組む。人間情報学会理事・ヘルスケア部会長。

主な著書『最強の勉強法』(PHP出版)『子供がヤル気を出す家庭の秘密』(角川書店)

好評発売中

試験に受かる「技術」 灘高が教えてくれた「超」合理的メソッド

「うつ症状」で不登校、成績は学年ビリの落ちこぼれ!
こんな僕でも…この勉強法ですべて合格できました!
灘高流「超」合理的勉強法がマスターできる実線的解説書。

講談社現代新書 本体760円(税別) ISBN:978-4-06-288298-9

  • 受験生を救う磁気刺激治療はこちら
  • うつ磁気刺激治療(TMS)の紹介
  • 受験うつと勉強方法
  • 新型うつと勉強方法
吉田先生監修 受験うつ、親のサポート講座
パート1お母さん必見!親が受験勉強のコーチになる方法とは
パート2親が大げさに褒めると「受験うつ」が悪化する!その理由とは?
パート3学校との交渉が子供の人生を決める!
パート4受験生の心を守る食事の鉄則!
  • 受験生を救う磁気刺激治療:薬に比べて副作用が少ないうつ治療のひとつです
  • DLPC勉強法:DLPC(背外側前頭前野)の概要
  • DLPFC記憶術:暗記と思考は同時に行いましょう。
  • DLPFC音読勉強法:脳を活性化させる音読ができていますか?
  • DLPFC時間管理術:時間帯に合わせて勉強科目を上手に選択していますか?