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合格を勝ち取る!脳のメカニズムに則した効率的な勉強法

受験生を救う磁気刺激治療

うつ病の受験生を苦しめる「DLPFC」の機能低下!

受験勉強を効率よく行い合格を勝ち取るには、脳の「DLPFC (背外側前頭前野)」を効果的に活用することが不可欠です。このことは、「DLPFC勉強法」の解説を通してご理解いただけたと思います。

ただし、これに関し、受験生を扱う心療内科医として大きな問題を感じていることがあります。それは、受験生がメンタル面で不調に陥ったときに、脳の「DLPFC」が活発に機能しなくなり、これがもとで受験に失敗してしまうケースが少なくないということです。

実際、うつ病を発病した場合、脳内では「DLPFC」の活動が低下しているというのはよく知られている現象です。うつ病になると、不安や悲しみ、それに焦燥感が心の中で渦巻き、意欲も消失するのですが、同時に注意力や認知機能も全般的に低下します。その原因の一つが「DLPFC」の機能不全にあるのです。受験生の場合は、これにより試験の問題を解く能力が壊滅的なダメージを受けることになり、二重三重に苦しめられるわけです。

抗うつ薬で注意力や思考力の回復が遅れた受験生!

SSRIなどの抗うつ薬は、うつ病の回復までに長い時間がかかってしまうのが大きな問題なのですが、それに加え、受験生の場合は注意力や思考力の回復がさらに遅れる場合が少なくないということを、私はカウンセリングの現場で痛感させられています。

ケーススタディー:本郷赤門前クリニックの症例

Eさん 浪人生、4浪、男子うつ病(大うつ病性障害)私立大学医学部志望

Eさんは高校3年生の5月に極度の無気力を訴え、近医精神科でうつ病(大うつ病性障害)との診断を受け、抗うつ薬を処方されました。しかし、3年間にわたり目立った効果は見られず、受験勉強も中断を余儀なくされたそうです。その間、抗うつ薬の種類を何度も変えることになりましたが、3浪目の夏を境に無気力や焦燥感については徐々に症状が緩和されるようになり、やがて、うつ病は寛解(発病以前の元気が回復している状態)に至ったとの診断を受けました。

ところが、受験勉強を再開したところ、「頭の回転が遅い」、「論理的な思考力が働かない」、「勉強の中身に集中できない」という学習上の障害を強く感じたそうです。すでに多浪生となり、一流企業への就職は難しく、何としても当初の志望である医学部への合格を実現したいと思い、効率のよい勉強法を身に着けるため当院を受診されました。

当院で認知機能の検査を行なった結果、ワーキングメモリー(作業記憶)の機能が低下していることがわかり、さらにうつ病の発病前と寛解後で模擬テストの答案を比較分析したところ、ワーキングメモリーの機能低下はうつ病の発病以前には生じていなかった可能性が高いと推定できました。

抗うつ薬による脳の「DLPFC」の回復は二次的!

うつ病を発病した受験生を対象にカウンセリングを行っていると、抗うつ薬によって不安や焦燥感が緩和されたとしても、Eさんのように多くの方が、その後も何らかの認知機能の低下に悩まされ、これが合格を勝ち取る上で大きな障害となっているということを強く感じさせられます。

では、なぜ、このようなことが起こるのでしょうか。
うつ病を発病したとき、不安感や焦燥感が広がるのは、脳の奥深くにある扁桃体と呼ばれる部分が過剰に活動することが深い関わりを持っています。一方、扁桃体と左側のDLPFC(背外側前頭前野)とは互いにシーソーのような関係になっており、扁桃体の活動が高まると、左側のDLPFCの活動は低下させる傾向にあります。うつ病を発病すると、受験勉強で求められる認知機能が低下するのも、こうしたDLPFCの活動の低下と関連しているのではないかと指摘されているのです。

一方、SSRIなどの抗うつ薬が、なぜ効くのか、厳密に言うと正確な薬理学上のメカニズムはまだ完全には解明されていませんが、扁桃体の過剰な活動を抑制しているのは確かで、左側のDLPFCは、その結果として二次的に回復してくるという可能性が考えられます。このスキームが正しいとすれば、仮に抗うつ薬でうつ病の症状が緩和されても、受験に必要な認知機能の回復が遅れるケースが頻発するのは、ある意味で必然なのかもしれません。

抗うつ薬の中には、受験に深刻な副作用を及ぼすものもある!

現在、抗うつ薬として広く使われているSSRIやSNRIは、従来の三環系抗うつ薬などに比べると、副作用はかなり軽減されています。ただし、抗うつ薬の中には、重度の眠気を生じるなど、受験に深刻な副作用を持つものもあるため、使用には十分な注意が必要です。

ケーススタディー:本郷赤門前クリニックの症例

Fさん 高校3年生、女性うつ病(軽症うつ)私立大学文科系志望

Fさんは、メンタル面での不調を感じ、近医精神科を受診。うつ病(軽症うつ)との診断を受け、抗うつ薬を処方されました。それを服用して大学入試の本試験に臨んだところ、極度の眠気に襲われ、試験の真っ最中に眠ってしまったのです。もちろん、入学試験は不合格となってしまいました。Fさんは不審に思い、セカンドオピニオンを求め、当院を受診されたのです。

当院で服用した薬を拝見したところ、NaSSAと呼ばれる抗うつ薬でした。NaSSAは2009年に日本で承認された新しいタイプの抗うつ薬で、ノルアドレナリンという脳内物質の受容体に働きかけなど今までになかったメカニズムでうつ病を治療します。飲み始めて1週間でうつ病の症状が軽減するなど、比較的、即効性がある薬として期待を集めています。

ただし、NaSSAには多くの方に眠気の副作用が強く現れます。うつ病になると眠れなくなることがあり、この場合は眠気が生じることはむしろ望ましいことで、NaSSAが急速に使われるようになった理由の一つでもあります。

ところが、入学試験の真っ最中に強い眠気が生じたら、致命的な結果になりかねません。Fさんには、少なくとも試験期間中はNaSSAの服用をやめる方向で主治医と相談するようにアドバイスしました。

受験期のうつにおすすめしたい磁気刺激治療!

受験勉強に不可欠なDLPFCの機能に対して、抗うつ薬は二次的にしか効果を発揮しない可能性が考えられるのに対し、直接的な機能の改善を期待できるのが磁気刺激治療だと私は大きな期待を寄せています。

磁気刺激治療とはDLPFCに磁気で刺激を与えることで、うつ病を治療するもので、アメリカではすでに1万を超えるうつ病患者がこの治療を受け、高い治療実績を残しています。左側のDLPFCを磁気で刺激して活動を高めると、これとシーソーのような関係になっている扁桃体は、必然的に過剰な活動が抑制されます。こうしたメカニズムによって、うつ病に伴う不安感や焦燥感は緩和されるわけですが、私が注目しているのは、DLPFCが二次的ではなく、磁気によって直接的に刺激を受けることによる認知機能への効果です。
これにより受験勉強に必要な認知機能が速やかな改善されれば、合格を勝ち取る上で大きな助けとなるのは間違いありません。

ケーススタディー:本郷赤門前クリニックの症例

Gさん 浪人生(3浪)、女性抑うつ症状を伴う集中力の低下。医学部志望

Gさんは、医学部受験で二浪し、三浪目に入っていましたが、以前からメンタル面で不調を感じていました。特に勉強しようと思うと頭がぼーっとしてしまい、受験勉強が進まないという悩みは深刻でした。

予備校のチューターに相談しましたが、効果的な対策につながるアドバイスはもらえず、困っていたところ、磁気刺激治療のことを知り、2013年9月から治療を開始しました。効果はすぐに現れ、外見上も生き生きとした表情に戻り、受験勉強の効率も一気に改善したということです。「頭が良くまわり、集中できるようになった」と本人も証言しています。

抗うつ薬一辺倒の治療には再考が必要!

抗うつ薬は、服用してすぐに効くというわけではありません。早くても服用を開始してから効き始めるまでに1週間、十分な効果が現れるまでには4週間ほどが必要です。

また、抗うつ薬の服用を開始したからといって、その薬が効くとは限りません。効果が認められない場合は、抗うつ薬の種類を次々と変えなければなりませんが、何度も何度も薬を変更し、それでも十分な効果が得られる抗うつ薬に巡り会えないといった残念なケースも少なくありません。

一般論としては、「うつ病は、あせらずに気長に治療すべきだ」という意見にも、うなずけなくはありません。しかし、受験生の場合は、治療が遅れると、浪人を繰り返し、いわゆる「多浪」という状態に追い込まれてしまいます。この場合、切迫した問題としてのしかかってくるのが、就職活動です。「多浪」の末に大学に入学すると、誰もが憧れる一流企業に正社員として入社するには、圧倒的に不利になってしまいます。

商社や放送局の中には、生涯給与が4億円を超える企業もあります。これは一部の恵まれた特殊なケースかもしれませんが、大企業であれば正社員として入社した場合、生涯給与は2億円を超えるのが一般的でしょう。しかし、「多浪」のせいで非正規雇用になった場合は、生涯給与が一気にその半分以下に低下してしまいます。こうした現実を直視すると、私は受験生に対して、「時間をかけて気長に治せばいいんです」とは言えなくなってしまいます。

それに対し、磁気刺激治療は受験生にとって大きなメリットがあります。治療中に頭皮の下の筋肉や神経を刺激して軽い痛みが生じる可能性はありますが、それ以外にこれといった副作用は認められていません。また、なんといっても受験生にとって福音となるのは、たった数回の治療で効果を実感できる場合も少なくないなど、抗うつ薬とは比較にならないほど早期に治療効果が現れやすいということです。

受験とは、今後の人生の方向性が決まる大きな分岐点です。だからこそ、磁気刺激治療も検討すべきだと私は考えています。

うつ磁気刺激治療(TMS)の紹介
  • 受験生を救う磁気刺激治療:薬に比べて副作用が少ないうつ治療のひとつです
  • DLPC勉強法:DLPC(背外側前頭前野)の概要
  • DLPFC記憶術:暗記と思考は同時に行いましょう。
  • DLPFC音読勉強法:脳を活性化させる音読ができていますか?
  • DLPFC時間管理術:時間帯に合わせて勉強科目を上手に選択していますか?
  • 受験うつと勉強方法
  • 新型うつと勉強方法
吉田先生監修 受験うつ、親のサポート講座
パート1お母さん必見!親が受験勉強のコーチになる方法とは
パート2親が大げさに褒めると「受験うつ」が悪化する!その理由とは?
パート3学校との交渉が子供の人生を決める!
パート4受験生の心を守る食事の鉄則!

磁気刺激治療が受けられるクリニック

うつ病治療として使用

東京都新宿区 新宿メンタルクリニック http://www.shinjuku-mental.com/
東京都三鷹市 杏林大学医学部付属病院 http://www.kyorin-u.ac.jp/hospital/action/action_detail-57.shtml
神奈川県横浜市 芹香(きんこう)病院 http://seishin.kanagawa-pho.jp/kinkou/section/clinical.html
福岡県糟屋郡 社会医療法人 青洲会 福岡青洲会病院 http://www.f-seisyukai.jp/about/keizugai.html

脳のリハビリとして使用

東京都港区 東京慈恵会医科大学 http://www.jikei-reha.com/?page_id=509
埼玉県さいたま市 医療法人社団ブレイン・コンシェルジュ おちあい脳クリニック http://www.brainconcierge.com/topic/rTMS.html
愛知県名古屋市 医療法人コジマ会 ジャパン藤脳クリニック http://www.prof-k.jp/kei/
岐阜県岐阜市 河村病院 http://www5b.biglobe.ne.jp/~medical/facilities.html
京都府京都市 京都大原記念病院 http://www.kyotoohara.jp/ft_neuro15/
大阪府吹田市 大阪大学医学部附属病院 http://neuromod.casi.osaka-u.ac.jp/project.html
兵庫県宝塚市 宝塚リハビリテーション病院 http://www.takara-reha.com/magnetism/index.html
鳥取県倉吉市 医療法人(財団)共済会 清水病院 http://shimizuhospital.jp/index.php?id=115
福岡県糟屋郡 社会医療法人 青洲会 福岡青洲会病院 http://www.f-seisyukai.jp/about/keizugai.html

研究報告

日本臨床神経生理学会 磁気刺激法に関する委員会報告 http://jscn.umin.ac.jp/guideline/file/TMS30_3.pdf
クリニカルTMSソサエティ アメリカのTMS協会 http://www.clinicaltmssociety.org/