うつ病とはどんな病気?
「うつ病」とは気分障害の一つで、これといった理由がなくとも抑うつ(気分が落ち込むこと)気分が続いている状態や、不眠や食欲の減退、疲労感といった身体的症状によって日常生活をまともに過ごせなくなっている状態のことを指します。
正式名称は「大うつ病性障害」と定義されています。
気分障害には、うつ病の他に「双極性障害(そうきょくせいしょうがい)」というものがあります。
双極性障害は「抑うつ状態」と「躁(そう)状態(気分が高揚した状態)」を繰り返す病気ですが、どちらも「うつ」の状態が現れるため、専門家でなければ診断が難しい病気です。
治療方法も異なりますので、うつ病かも思ったら専門医の診察をおすすめいたします。
双極性障害とは
主なうつ病の症状
人は誰でも、著しく憂鬱な気分になることがあります。とはいえ、何事もなければ、しばらく経つと気分はまた晴れやかに戻ることでしょう。しかしそれがいつまで経っても回復せず、以下のような精神的・肉体的な症状が見られることがあります。
こうした症状が同時に見られる場合や、
2週間以上おさまる兆しが見えない場合は、
うつ病の疑いありますから、早急な診察が求められます。
主なうつの種類・症状
環境の変化や不安など、様々な原因からうつ病を引き起こします。主なうつの種類として、さまざまな俗称のうつがあります。
主なうつの種類と症状はそれぞれクリックしてご覧ください。
うつ病の原因は?
うつ病の原因は、実はいまだにはっきりとはわかっていませんが、脳の中の神経伝達物質のバランスが崩れたり、脳の血行や代謝が衰えたりすることが大きく関係していると考えられています。
また、自律神経の機能やホルモンの分泌の低下が原因のひとつともいわれてます。
発症の背景として、辛い出来事による身体的・精神的なストレスが影響するケースの他、結婚や出産、進学や就職といった、環境の変化が影響する場合もあります。
うつ病の発症率は年々増加の一途をたどっている特徴がみられます。
初期症状等の正確な知識を身につければ、ご自身だけでなくご家族やご友人の「うつ病の早期の発見」と「根本的な治療」を行うことが可能です。
うつ病の自己診断
「大うつ病」の9つの診断基準
うつ病には「大うつ病」と呼ばれる、狭義の定義がありますが、この「大うつ病」に関して診断するための、9つの基準が知られています。
以下の9つをよく確認しながら、自分自身ないし身近な人の現状を振り返ってみると、比較的簡単に、うつ病かどうかのセルフチェックが可能になります。
過去2週間以上続いているかどうかがポイントです。
「大うつ病」のチェック項目
抑うつ気分が続いている
これといった理由がなくても気分が滅入っていたり、悲しみに沈んだりします。
物事に対する興味ないし
喜びが失われている
仕事や、熱中していた息抜きなどに対する情熱が薄れた状態です。
ここまでは特に重要なポイントで、うつ病を発症している場合、
ほぼ確実に見られる症状と言えます。
ここから先は、人によってあてはまるかどうかは大きく分かれます。
食欲の減退 or 増加、体重の減少 or 増加がはじまっている
大きく2パターンに分かれます。
- 食事制限をしているわけでもないのに、食が進まず、体重が下がっている。
- いつもより大幅に食欲がアップし、猛スピードで大量の食事を摂ってしまう。
不眠症気味である、ないし眠り過ぎてしまう
大きく2パターンに分かれます。
- 何時になっても寝付けない、やっと眠りに落ちても中途半端な時間に目が覚めてしまう。
- かなり寝ているのに眠気がおさまらず、毎日の睡眠時間がかなり増えてしまう。
精神活動の停滞、ないし焦燥感の喚起
精神活動が停滞すると、あらゆる動作が遅れ気味になります。特に会話に表れることが多く、言葉が出るのが遅くなったり、しゃべりたがらなくなったりします。
それと対照的に焦燥感が増幅されると、絶えず焦りやいら立ちを感じるため、じっとしていることができなくなります。
易疲労性ないし気力の減退
あまり体を動かしていないのにすぐに疲れを感じてしまい、何をするのもおっくうになります。
極端な罪責感
自分を「価値がない人間」などと感じて自分を責めてばかりいるようになります。
思考力・集中力の衰退ないし
決断力の衰退
物事を深く考えることが難しくなり、何か大切なことを決めないといけないときでも、そのことが頭に入ってこなくなります。
死ぬことを何度も考える、さらに自殺することを具体的に想像する
死ぬことや消滅することを考察する機会が多くなります。顕著になると、本格的な自殺の実行につながる恐れもあります。
チェック1と2に加えて、それ以降の項目に5つ以上あてはまる場合は、
うつ病がすでに進行している恐れが濃厚ですから、
速やかに専門医の診断を受ける方が安全でしょう。