コロナ後遺症の「ブレインフォグ」とは?

コロナ後遺症の「ブレインフォグ」とは?

日本ではじめて新型コロナ感染症の後遺症として「ブレインフォグ」という症状が発表されたのは、2021年3月頃でした。
ブレインフォグは、脳にモヤがかかっているかのように頭がぼんやりする症状のことで、コロナ以前から存在した言葉ですが、最近はメディアでも大きく取り上げられ注目されるようになりました。

デルタ株までのコロナでは味覚・嗅覚障害が後遺症として注目されていましたが、オミクロン株ではこのブレインフォグを訴える方が増えているようです。

今回は、そんなブレインフォグについて詳しく説明していきます。

「ブレインフォグ」とは?

ブレインフォグとは、医学用語として定義された病名ではなく症状を表す言葉です。
頭の中にモヤがかったようなぼんやりした状態になり、考えがまとまらず、記憶障害や集中力の低下、物忘れなどがみられます。
自分では気づきにくく、数ヶ月経ってから「最近なにかがおかしい」と気づく場合もあるようです。

日常生活でみられるブレインフォグの特徴

  • ・人の話や書いてあることが理解できず、理解しようと努めるだけでぐったりする
  • ・今まで間違えたことのないようなことに失敗する
  • ・物事や人の話を覚えられない、思い出せない
  • ・手に持っていたものを置いた瞬間、置いたことを忘れて移動する
  • ・話の途中で何を話しているかわからなくなる
  • ・マルチタスクの優先順位がわからない
  • ・言いたいことに対して適切な言葉が浮かんでこない

ブレインフォグはコロナの後遺症だけでなく、うつ病や適応障害、慢性疲労症候群、PMS、ADHD、アルコール依存症などさまざまな症状と併発する可能性があります。

新型コロナウィルス感染症の後遺症としてのブレインフォグ

コロナの症状が重症だった人は、回復後に認知機能の低下が起こりやすいといわれています。 コロナ発症後になぜ物忘れや決断力の低下が起こるのかは、そのメカニズムはまだはっきりとわかっていません。

ブレインフォグを発症しやすい時期

症状が出る時期は人それぞれです。
コロナにかかった直後に発症して続く場合もありますし、コロナから回復した後に新たに出現する場合もあります。
症状の出方も人によって違い、ブレインフォグの症状が出たり出なかったりしながら、長期にわたって症状が続くケースもみられます。

ブレインフォグが続く期間

個人差はありますが、コロナの後遺症は半数以上が5か月以内に症状の改善が感じられやすいようです。しかし、1年以上症状が持続するケースもまれとはいえず、長期間その症状に悩まされている人も少なくはありません。

ブレインフォグの治療法

発症する仕組みもまだ明らかになっていないブレインフォグは、その治療法も確立されていません。
しかし、最近になってブレインフォグの治療の1つとして、うつ病治療に用いられている「TMS治療」が有効なのではないかということが言われはじめました。
TMS治療とは、脳を磁気で直接刺激し、身体を傷つけずに脳の働きを正常に戻していく副作用の少ない治療法です。
日本でも「うつ病治療」として医療機関でTMS治療を行っています。
ブレインフォグに関して、TMS治療を行っているかどうかは医療機関によりますので、直接お問い合わせください。
TMS治療(うつ磁気刺激治療)が受けられる医療施設一覧

ブレインフォグとコロナによる精神的な不調

ブレインフォグとコロナによる精神的な不調

つい先日、ハーバード公衆衛生大学院が興味深い論文を発表しました。
論文によると、コロナ感染前からうつ病を発症していたり、コロナに対して強い不安や懸念を抱えていたりする人は、感染後の症状が長引く確率が高いということがわかったそうです。
さらに、感染前に強い精神的ストレスを感じていると、コロナ後遺症が残るリスクも高いことを突き止めたといいます。
中でも、特に長引く後遺症として名を連ねているのが、慢性的な疲労やブレインフォグ、抜け毛、息切れなどです。

この研究でハーバード公衆衛生大学院は、「ストレスをコロナ後遺症と関連づけて研究し、ストレスを減らす治療を導入していくことで、コロナ後遺症の予防・治療に役立つかを調べていく必要がある」と結論づけています。

また、後遺症は病気ではないため、適切な治療が受けられないケースも問題視されています。
つらい後遺症に悩まされながら、「診断書がなくて仕事を休めない」という不安を抱えた方も少なくありません。
ブレインフォグは症状が長引くほどに、社会復帰が難しくなったり、人間関係が崩れる原因になりやすかったりして、結果的にうつ病発症のリスクとなることもあります。

後遺症がある場合、症状に対する適切な治療を受けられる新型コロナ後遺症の専門外来の医療機関に行くことは大切です。
もし、うつ症状が主にみられる場合は、まずはお近くの心療内科や精神科に相談してみてみるのも良いでしょう。

ウィズコロナの時代こそ健康に過ごすためには、心のケアが大切です。

初めて心療内科・精神科を受診する方へ

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【プロフィール】
牧野 絵美
ライター・編集者、心理カウンセラー。人間観察が趣味で、取材や執筆においても対話と心理描写を得意とする。若いころは自身の繊細さに振り回され、うつ病を繰り返した。自分との向き合い方をつかんだ今は、誰にでも人生は変えられるということを伝えていきたい。

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