受験生も安心して受けられるTMS治療が「受験うつ」の助けに

みんな「受験うつ」の予備軍といわれる現代っ子たち

いよいよ受験シーズンが近づいてきた12月。
受験生のみなさんは、心身ともに落ち着かない毎日を送っているかもしれません。
こうした受験シーズンのストレスフルな環境は、知らず知らずのうちに「受験うつ」の発症が心配される時期でもあります。
今回は大切な時期だからこそ、早めに気づいて対処したい「受験うつ」の重要なサインについてお話しします。

みんな「受験うつ」の予備軍といわれる現代っ子たち

令和2年に実施された厚生労働省の患者調査によると、気分障害の患者数はわかっているだけで119万人にのぼると報告されています。
若年層のうつ病では、多くの人が苦労と挫折を味わう受験期に発症するケースがよく見れられ、これを「受験うつ」と呼んでいます。
受験シーズンは、今も昔も変わらず、多くの受験生にとってつらいものです。
しかし、現代っ子は打たれ弱い傾向があるともいわれており、それがうつ病発症の原因になっているともいわれています。

もともと、多くの受験生にとって、受験は目標を定めて長期にわたって努力を続ける初めての経験であり、大きなストレスになってしまいがちです。
そのなかで、現代は簡単に情報を手に入れられる情報社会であることも、受験うつに拍車をかけているのではないかといわれています。

受験中というナーバスな時期に、物価高騰、コロナ禍の企業の倒産、労働に対する報酬の減額、大規模なリストラなどのニュースばかりが流れては、未来に希望を持てなくなってしまうのも無理はありません。
このように受験うつになりやすい環境が整ってしまっている現代の受験生は、誰でも「受験うつ」の予備軍になり得てしまうのです。

受験うつの原因となる環境とは?

受験うつは、「受験生の心を休ませられる場所がないこと」が最大の原因です。
学校では同級生がみんなライバルで気が抜けず、もはや教室は緊迫状態の戦場です。
自宅でも親の目や言葉に常にプレッシャーを感じ、インターネット・SNSなどで情報を調べては追い詰められるような感覚を覚えているでしょう。
また、受験生のいる家庭は家族もピリピリしやすく、一触即発の雰囲気になってしまうことも珍しくありません。
そうなると受験生は、家族を振り回している自分への情けなさも感じますし、家族から心配されることさえ耐え難いストレスになっていきます。
このようにして、どこにいても心の休まる場所がないという環境が、受験うつの発症・重症化につながってしまうのです。

家族が知っておきたい受験生のSOSのサイン

家族が知っておきたい受験生のSOSのサイン

受験生が発する、SOSのサインに気づいてあげることが受験うつの防止になります。
どのようなタイミングに注意すべきかを知り、SOSのサインを見落とさないようにしてあげましょう。

特に注意すべきタイミング

受験の年の「夏休み明け」が要注意の時期です。 夏休み中に生活リズムがくずれてしまう受検生は多く、勉強がはかどらなかったという受験生は少なくありません。
それが成績を落とすことにつながり、だんだんと焦りが出てくるのが9月です。
成績が落ちたことで親や先生から注意されることが増えると、さらに焦りと情けなさが増加していきます。
この時期の心の変化がケアされないまま月日がすぎていくと、11月、12月と受験が近づいていくにつれ受験うつ発症の可能性がどんどん高まっていきます。

9月に受験生の言動の変化がないかに注意し、たとえ成績が落ちてしまったとしてもむやみに怒ってはいけません。
あくまで明るい雰囲気で話を聞いてあげるようにしましょう。
成績低下の理由を本人が自覚しているか、今後自分がどうしていきたいのかの意思確認をし、「あなたならできる」と心から信じてあげることが大切です。
受験生には「叱咤激励」より「安心」を与えてあげるよう心がけてください。

最もわかりやすいSOSのサインは「睡眠障害」

受験うつのSOSの中で、「睡眠障害」は気づいてあげられやすい特徴といえます。
勉強をしたいから寝ていられないという受験生も多いですが、精神的に追い詰められている受験生は、どれだけ疲れていてもぐっすり眠れない状況に陥っています。

睡眠障害の種類

  • ・入眠困難/寝付きは悪く、布団に入ってから何時間も眠りにつけない
  • ・中途覚醒/眠りが浅く、夜中に何度も目が覚めてしまう
  • ・早朝覚醒/予定よりかなり早い時間に目が覚めて、その後眠れなくなる
  • ・熟眠障害/熟睡できておらず、長時間寝ても疲れが取れない

睡眠障害は、心身の疲れを加速させるだけでなく、勉強の効率にも大きく影響します。
日中に眠気におそわれて授業に集中できなかったり、イライラして勉強が手につかなくなったりしがちです。
記憶力や判断力もにぶくなるので、長時間机の前に座っていても頭に入ってこないという
事態にも陥りやすいでしょう。

これによって成績が低下していくと、学校に行くこと自体にストレスを感じ、不登校になってしまうケースも見られます。
頭痛や吐き気といった症状を訴えるときは、風邪ではなく精神的な疲労や睡眠障害が原因の可能性もあります。
受験生の言動に違和感を覚えたときは、休ませることも大切です。

受験ストレスの緩和が期待できる治療もあります

受験生本人も受験生を支える家族も大きなストレスを抱えやすいのが、受験シーズンです。
深く悩んでいる受験生をどのように支えるべきか迷ったときは、精神科や心療内科に相談することも一つの手です。

TMS治療は専門クリニックへ

品川メンタルクリニック【公式】

専門家の意見を聞くことで、受験うつを未然に防ぐことも可能でしょう。
また、うつ病治療に用いられる「TMS治療(磁気刺激治療)」は、ストレスによって低下した脳機能を改善させる治療法です。
副作用がほとんどなく、ストレス過多になりやすい受験生にも役立つ治療ですので一度検討してみるのも良いかもしれません。

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受験中のイライラや心の不安定さは、決して甘えではありません。
家族も無理をしすぎず、受験生本人と手を取り合って受験シーズンを乗り切っていってください。

【プロフィール】
牧野 絵美
ライター・編集者、心理カウンセラー。人間観察が趣味で、取材や執筆においても対話と心理描写を得意とする。若いころは自身の繊細さに振り回され、うつ病を繰り返した。自分との向き合い方をつかんだ今は、誰にでも人生は変えられるということを伝えていきたい。

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