進化しているうつ病の効果的な治療方法
うつ病は精神病の一つとしてかなり前から知られていた疾患ですが、原因をつきとめられていないこともあり、完治しにくい病気として確実性や即効性のある方法はなかなか確立されませんでした。
それでもこれまでに多数の治療方法が開発されており、従来の治療法より短期間で改善する最新治療法も登場しています。ここではまったく異なる方法を比較しながらそれぞれの違いを説明しましょう。
うつ病の治療法1：経頭蓋磁気刺激治療法(TMS)
経頭蓋磁気刺激治療法(TMS)とは
頭部に、磁気を照射して、脳の働きを正常に戻すことでうつ病を改善する方法です。継続して定期的に治療を行うことで、再発を予防することも可能です。自宅からの通院で治療ができます。
具体的な治療方法
DLPFC（背外側前頭前野）と呼ばれる部位に、磁気を照射して活性化を行います。
DLPFCの機能が改善することで、不安感・焦燥感が解消されるほか、判断能力や好奇心、意欲といった機能が自然と回復しうつ病が改善します。
経頭蓋磁気刺激治療法(TMS)のメリットとデメリット
メリット：
副作用はほとんどなく、数回の治療で効果を実感することも少なくありません。
体へのリスクが少なく、効果が高い方法とされています。薬物治療をやめたい方や不安な方には最適な治療方法です。
薬との併用も可能で、徐々に減薬や断薬を目指します。実際に薬なしの生活になった方もいます。
デメリット：
頭皮の下の筋肉や神経を刺激するため、軽度の痛みや不快感を伴う可能性はあります。
経頭蓋磁気刺激治療法（TMS）の詳しい治療内容は下記バナーをクリックの上、ご覧ください。
うつ病の治療法2：長期的な休養をとる方法
うつ病の治療で必ずと言っていいほどすすめられることは「しっかりと休養をとること」でしょう。特に急性期（診断～3か月程度）は休養が重要です。
具体的な治療方法
「責任感の強い人ほど、うつ病になりやすい」とよくいわれています。
そのようなタイプの人は、仕事や家事等から思い切って当分の間離れた過ごし方をしないと、うつ病はよくなりません。そのため長期の休職を取り、家庭で休養をとったり、必要性があれば入院したりするなどして日常の雑務から完全に解放されることで生活リズムの根本的な見直しをはかり、うつ病を快方に向かわせる方法です。いつまで休んだら良いかという判断はドクターに相談し、アドバイスを受けましょう。
長期的な休養をとる方法のメリットとデメリット
メリット：
何をするのも億劫な状況でも長期的に休養を取ることでうつ病は徐々に回復します。
デメリット：
再び仕事や家事のある日常に戻ったら、ぶり返してしまう恐れも少なくありません。
うつ病の治療法3：投薬による方法
うつ病専門の薬の投与は、うつ病治療の代表的な方法です。ほとんどの場合、初期は数種類の薬を試しながら、効果や副作用を確認します。
薬が体に合わない場合だとさらに多くの数種類の薬を同時に服用し、その期間も長期にわたります。具体的な服用方法については、担当医とよく話し合う必要があります。
投薬治療に用いられる代表的な薬
以下3つが代表的なうつ病の薬ですが、
ほかにも症状に合わせてさまざまな薬を組み合わせます。
抗うつ薬
うつ病専用の薬の中核をなすもので、脳の中にある物質の作用を強化する役割を果たします。
抑うつ気分や不安感・焦燥感を解消させる働きを持つほか、意欲や物事に対しての好奇心を喚起する働きを持ちます。
抗不安薬
名前にあるように、不安を静める作用を持つ薬です。特に不安感・焦燥感が強い場合に処方されます。
睡眠薬
いつまでも寝付けない場合や、すぐに眠りから覚めてしまう場合に処方されます
投薬治療のメリットとデメリット
メリット：
薬の服用のため、手軽に治療しやすい一般的な方法です。
デメリット：
効果が出るまで時間がかかるほか、医師の指示があるまで服用を続ける必要があるといったデメリットがあります。
また、平衡感覚の欠如や脱力感といった副作用が出ることも少なくありません。
抗うつ薬の効能とリスク
抗うつ薬は、脳に含まれる神経伝達物質に対して作用するように製造されています。
神経伝達物質にも種類がありますが、
- セロトニン
- ノルアドレナリン
の2つに対して働きかけるように開発されています。
「この2つのどちらかに働くのか」で分類することもできますが、科学構造や作用機序等よって次のように分けることも多いです。
抗うつ薬
SSRI
セロトニンに強い効き目がある薬です。
服用後の副作用は少ないものの、飲んでから吐き気をもよおすこともあるため、慣れないうちはスムーズに飲めないという体験談も少なくありません。
SNRI
セロトニンにもノルアドレナリンにも効き目があります。
SSRIよりさらに副作用が少ないですが、排尿時に違和感を覚えたり、のどの渇きをずっと覚えたりするという特徴があります。
NaSSA
ノルアドレナリンに強い効き目を発揮します。
速効性も他の薬と比べて速いという傾向がありますが、服用後にかなりの眠気をもよおすことがあるため仕事等を休まない場合は注意が必要です。
三環系
セロトニンにもノルアドレナリンにも効き目があります。
ただし副作用も強めで、のどの渇きや排尿時の違和感ほか、眼圧が上昇するといったデメリットがあります。
四環系
三環系と同様に、セロトニンにもノルアドレナリンにも効き目があります。
副作用は三環系と比べれば比較的緩和される傾向がありますが、それでものどの渇きや眠気、平衡感覚の欠如や排尿時の違和感…と、種類は多岐にわたります。
どの薬についても一長一短があり、決定的な薬は存在しません。
通常は医師と詳細に相談して決めることになりますが、服用の際の注意点や
副作用等についてよく教わっておく必要があります。
人によっては薬との相性が悪く、治療効果を感じられないケースもあります。
薬以外の治療方法にも目を向けることは大切なことでしょう。
うつ病の治療法4：精神療法・心理療法
経験を積んだカウンセラーの指導のもとで、うつ病をゆっくりと克服していく方法です。
現在のうつ病については、「認知行動療法」が有名で、英米のようなうつ病治療の先進国においては、投薬治療と同等に認知されています。
具体的な治療方法
認知行動療法では、マイナス思考に支配された患者の考え方を徐々に異なる方向に変えていきます。自分の考え方を自分の力で変えていくことになるため、成功した場合はうつ病になりにくい性格に変わることも可能です。
精神療法・心理療法のメリットとデメリット
メリット：
投薬治療などとは違い、副作用など身体への負担がありません。
デメリット：
自分で自分の性格を変えていくことになるため、まったく変わろうとする意欲がない場合や、ただ指示に従っているだけの、受け身の態度が目立つ場合は、効果が出ない可能性も高まります。
また、医療機関ではない場所で受けると健康保険が適用されません。
うつ病の治療法5：電気けいれん療法
頭部に、電気を流して、うつ病を改善する方法です。
具体的な治療方法
代表的なものに、ECT（電気けいれん療法）があります。
両前頭葉上の皮膚に電極をあてて、通電を行う方法です。
電気けいれん療法のメリットとデメリット
メリット：
自殺の危険性がある重度のうつ病や双極性障害に効果があります。
デメリット：
記憶障害をはじめ、さまざまな副作用を伴う方法でもあります。
また、全身麻酔をかけてから行うため、入院する必要もあります。
主なうつ病治療との比較
| 項目 | 治療費 | 治療期間 | 副作用 | 仕事 |
|---|---|---|---|---|
| 国内 TMS治療 （通院） |
約60万円 | 約1.5か月 | ほとんど なし |
支障なし |
| アメリカ TMS治療 |
約240万円 | 約1か月 | ほとんど なし |
休職 |
| 薬物治療と カウンセリング |
約72万円 | 平均5年 | 副作用あり | 副作用がでると 支障あり |
| 電気けいれん 療法 |
約50～ 70万円 |
数週間～ 数か月 |
体に 大きな負担 |
入院のため休職 |
うつ病の磁気刺激治療が受けられる医療施設
TMS治療を受けられる医療施設の一覧になります。治療は予約制となっている医療施設もありますので、治療を希望される場合は、ホームページやお電話にて事前にご確認の上、受診してください。
なお実施の有無が変更している場合もございますので、直接医療施設へお問い合わせください。
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医療法人社団翔友会 品川メンタルクリニック 品川本院 
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医療法人社団翔友会 品川メンタルクリニック 梅田院 
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| 宮城県大崎市 | 医療法人社団清靖会 木村病院 |
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| 東京都豊島区 | あきメンタルクリニック |
| 東京都新宿区 | 市ヶ谷ひもろぎクリニック |
| 東京都新宿区 | 慶應義塾大学病院 |
| 東京都港区 | 東京慈恵会医科大学附属病院 |
| 東京都中野区 | 総合東京病院 |
| 東京都渋谷区 | つのおクリニック |
| 東京都文京区 | 本郷赤門前クリニック ※提携クリニックにて実施 |
| 神奈川県横浜市 | 地方独立行政法人 神奈川県立病院機構 神奈川県立精神医療センター |
| 神奈川県横浜市 | もりの緑メンタルクリニック |
| 石川県河北郡 | 金沢医科大学病院 |
| 福井県福井市 | 公益財団法人松原病院 |
| 静岡県静岡市 | 医療法人社団明光会 あおいクリニック |
| 愛知県名古屋市 | 医療法人永朋会 和光医院 |
| 京都府宇治市 | 京都府立洛南病院 |
| 京都市中京区 | 医療法人瑞枝会クリニック |
| 大阪府泉南郡 | いとうまもる診療所 |
| 大阪府高槻市 | 大阪医科大学附属病院 |
| 愛媛県今治市 | 医療法人Dクリニック |
| 佐賀県唐津市 | 医療法人虹と海のホスピタル |
| 沖縄県那覇市 | あかりクリニック |
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