HSPとうつの関係
近年、書籍やテレビなどのメディアでも取り上げられることが多くなってきた「HSP」。
名前が付いているので病気と思われがちですが、実は病名ではなく、その人の「気質」を表す名前です。
しかし、HSPがきっかけで、うつ病を発症するケースもあります。
「HSP」は気質のため、治療することはできませんが、うつ病の治療によって改善することが可能です。
HSPとは?
HSPとは「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」と呼び、頭文字をとって「HSP( エイチ・エス・ピー)」と呼ばれています。
HSPは生まれつき「人一倍繊細な人」つまり「とても感受性が強く敏感な気質を持った人」を表す言葉です。
「繊細さん」とも言われ、病気ではなく人の気質を表します。
HSPうつとは?
HSPうつとは、HSPが原因でストレスを感じ、そのストレスがきっけとなって発症したうつ症状の俗称です。
うつ病の原因にHSPが大きく関わっていると言われています。
HSPとHSPうつの違いとは
HSPとうつ病は、似たような症状が現れます。
従って、うつ病なのかHSPなのか自分自身でもよく理解していないことが多いようです。
大きな違いとしては、2つあげられます。
それは「物心がついた時から不調な症状があるかないか」と「自殺願望があるかないか」です。
物心がついた幼い頃から、不調な症状が出ていたと感じているならば、HSPでしょう。
しかし、そのような症状が、ある時期の前後で変わっている場合は、うつ病の可能性があります。
不調な症状が先天的なものなのか、後天的なものなのかの違いになります。
自殺願望については、強い自殺願望があるかないかになります。
「とても死にたい」と思ってしまう場合は、うつ病の可能性があります。そのように思うことがない場合は、HSPでしょう。
- HSP
- 先天的
(生まれつきの気質) - 強い自殺願望なし
- HSPうつ
- 後天的
(病気) - 強い自殺願望あり
HSPうつの主な原因と対処法
HSPうつは、生まれながらに持ったHSPの繊細さや敏感さの気質が原因となり、ストレスを感じやすいことから、ストレスが溜まり続けることで、うつ病を発症する傾向があります。
HSPうつの主な原因
HSPはHSPではない人に比べて、脳内の神経が高ぶりやすい傾向があります。
HSPの人はストレスを処理する「扁桃体」が活発なため、不安や恐怖を感じやすいのです。
また「ノルアドレナリン」やストレスホルモンといわれる「コチゾール」も分泌されやすいため、あらゆることに警戒し、敏感に反応してしまいます。
だからこそ、HSPはうつ病を発症しやすいのです。
HSPうつの対処法
HSP自体は病気でなく、気質のため、治療することはできませんが、HSPうつの場合、うつ症状を改善することは可能です。
基本的にはうつ病に治療になります。
- 長期的な休養をとる
- 薬による治療
- 精神療法・心理療法
- 磁気刺激治療(TMS)
HSPはストレスを溜めやすい
HSPは、エレイン・アーロン博士によって付けられた「人の気質」を表す名称です。生まれながらに持ったHSPの繊細さや敏感さの気質が原因となり、ストレスを感じやすいといわれています。以下のような特徴があります。
ストレスになりやすい!?
HSPの特徴
自己肯定感が低い
HSPの人は生まれながら自己肯定感が低い傾向があります。身の回りの出来事をすべて自分の責任と感じてしまうことが多く、なかなか相手に本音を伝えることができない性格です。
他人に共感しやすい
HSPの人は他人をよく観察していて、感情や気分などの動きにとても敏感です。まるで自分のことのように感情移入してしまう傾向あります。辛い出来事も当事者ではないのに、いつまでも深く心を痛める傾向があります。
五感がとても敏感
HSPの人は五感が敏感で、音、匂い、光、電磁波など無意識に反応してしまうので、とても疲れやすい傾向があります。人混みも苦手なので、外出するだけでストレスがかかってしまいます。
HSPはうつ病になりやすい
HSPは、とてもストレスを溜めやすい気質を生まれながらに持っています。だからこそ、ストレスをうまく解消することができないと、うつ病を発症するリスクが高いのです。
下記にあげるうつ病の症状が多く見られるようでしたら、うつ病を発症しているかもしれません。
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不眠・過眠
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思考停止
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体調不良
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絶望感
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食欲増加
食欲減少 -
自殺願望
うつ病を発症している場合は、自分で治すことは難しいです。
心療内科や精神科のクリニックや病院に一度相談に行くことをお勧めします。
HSPであるからこそ、早めにご自身の異変に気づくことが大切です。症状が軽いHSPうつであれば、回復も早くなります。
HSPはストレスを溜めやすい
HSPうつに関して、よくいただく質問と回答をまとめています。
簡単にチェックするポイントは2つあります。
不調な症状が生まれつきのものかどうかと自殺願望があるかどうかです。
生まれつきの不調があり、ほとんど自殺願望がない場合はHSPです。
ある時期を境に不調が出始め、強い自殺願望がある場合は、HSPうつの可能性が高いです。
正確に知りたい場合は、光トポグラフィー検査を行っているクリニックで診てもらうとよいでしょう。
HSPの人は、日常生活の中で自分自身を見つめる時間を持ち、できるだけ自分を分析する癖をつけましょう。
そして、少しでもいつもとは違う体の不調に気付くことが大切です。
また、人に頼ってはいけないと思い込んでしまったり、行きづらいのは自分が弱い人間だからと自分を責めたりする傾向があります。そんな時は、信頼できる身近な人に相談することも良いでしょう。
HSPうつは、HSPが原因のストレスが溜まることで発症するうつ病です。
HSP自体は生まれ持った気質なので、治すことはできませんが、うつ病は治すことできます。
HSPうつで苦しい思いをしていた方もうつ病を治すことでうつ症状による不調は解消されます。