受験うつとは
急増中!受験うつの実態 1年で7倍増に
「受験うつ」とは、受験期に発症したうつ病の通称になります。
特に最近では未成年に発症するケースが増加しています。
気分障害患者数は近年増え続けておりますが、未成年に関しては、およそ15万人と急増しています。
新宿メンタルクリニックでの患者数の推移では、この一年で総来院数そして学生ともに7倍増となっているようです。
(下記参照 新宿メンタルクリニック提供)
受験うつの特徴
プレッシャー型受験うつ
身近な人々から過度な期待を受けることで発症するタイプです。成人のうつは悲しみを感じることが多いのですが、思春期のうつは悲しみよりもイライラが主な症状として出てくることがあります。 不機嫌、敵意、欲求不満、すぐに怒りを爆発させるなどの症状が出てきます。
さらに、家出をほのめかしたりすることがあります。これは「助けてほしい」「今の状況から逃れたい」という心のあらわれです。
モチベーション喪失型受験うつ
勉強する気をなくし、合格する自信もなくすことで発症するタイプです。受験勉強が思い通りにはかどらないことなどが原因となることが多いです。
「自分には価値が無い」という気持ちが特に強くなるので、批判や拒絶、自分の失敗に極端に敏感になっていきます。
このため学校を休みがちになって成績が落ちてきたり、以前はできていた勉強ができなくなってしまい、より落ち込んでいくということもあります。
比較・競争型受験うつ
同級生や他の受験生と自分を比較して劣等感を持つことで発症するタイプです。
成人がうつ病になると周囲との交流を絶ってしまいますが、思春期のうつ病では何人かの友達とのつきあいは続けていることが多くあります。
また、うつ症状からくる様々な問題から逃げるために、ネット依存になることもあります。しかし、そのためにますます孤立し症状を悪化させていきます。
受験うつの原因
「うつ病」とは、強いストレスを継続して受けることで、脳内の機能が正常に働かなくなることでもたらされると考えられています。
未成年者はまだストレスに弱い年頃だと考えられており、「受験」という人生最初の試練に直面しています。「不合格になると、人生が大きく変わってしまうのかもしれない」という不安を毎日感じながら勉強しないといけません。
このような事情から、受験期が受験うつの発症要因と思ってしまうのも不思議ではありません。
受験うつの症状
学生へのアンケート結果
日本メンタルヘルス研究センター主催の各種セミナーに参加の学生約8割が、「受験うつ」の自覚はないものの、「親からは、成績が落ちた事を指摘されるが、自分は、悩んでいないし、困ってもいないが、過剰に疲れる」「イライラして落着きがない」、「家に籠りがちで、夜眠れない」、「集中できず、勉強が手につかないし、学校にも行きたくなくなる」などの悩みをか開けているようです。
近年はうつ病の重症化の結果、自殺するケースも相次いでいます。
下の図のように、未成年の気分[感情]障害での自殺は、約4倍にまで急激に増加しております。受験うつも放置しておくことはおすすめできません。
入試に関する悩み | その他進路に関する悩み | 学業不振 | 教師との人間関係 | いじめ | その他学友との不和 | その他 | 合計 |
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21名 | 40名 | 64名 | 2名 | 3名 | 17名 | 33名 | 180名 |
参考:警視庁|24年度版 平成年齢階級別、原因・動機別自殺者数
今後のご対応について
受験うつの治療は早期にはじめることが大切です。
とはいえ、治療の方法はよく選ばないといけません。
うつ病の治療では投薬方法がよく使われますが、受験うつの場合、それが有効だとは限りません。
『受験うつ』を乗り切る最新の治療方法について詳しくご説明します!