加味帰脾湯はいつから効果が出る?目安期間と効かない時の対処法

加味帰脾湯は、心身の疲労や不眠、不安感など、様々な不定愁訴に用いられる漢方薬です。
体質や症状に合わせて処方されることが多く、その効果を期待して服用を始める方も多いでしょう。
しかし、漢方薬は西洋薬とは異なり、効果が現れるまでに時間がかかることがあります。「加味帰脾湯はいつから効果が出るのだろう?」「どれくらい飲み続ければいいのだろう?」と疑問に思っている方もいるかもしれません。

この記事では、加味帰脾湯の効果が実感できるまでの一般的な目安期間や、どのような症状に効果が期待できるのか、効果がない場合の対処法などを詳しく解説します。加味帰脾湯の服用を検討している方や、現在服用しているけれど効果が分からないという方は、ぜひ参考にしてください。

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効果が出るまでの一般的な目安期間

漢方薬は、体のバランスを整え、体質そのものを改善することを目指すため、一般的に西洋薬のような即効性は期待できません。加味帰脾湯も例外ではなく、効果を実感するまでにはある程度の期間が必要です。

効果を実感しやすい症状と期間

加味帰脾湯の効果を実感しやすい症状としては、比較的短期的に変化が現れる可能性のあるものと、より体質の改善が必要で時間がかかるものがあります。

例えば、不眠(寝つきが悪い、眠りが浅い)や漠然とした不安感、動悸、めまいといった精神的な症状や自律神経系の症状については、比較的早い段階で効果を実感できることがあります。早い方では数日~1週間程度で何らかの変化を感じ始めることもありますが、これはあくまで個人差が大きいことを前提としてください。

一方で、慢性的な疲労感や倦怠感、食欲不振、貧血傾向など、より根本的な体質改善に関わる症状については、効果を実感するまでに時間がかかる傾向があります。数週間から1ヶ月、あるいはそれ以上の期間、継続して服用することで、徐々に体全体の調子が上向いてくるのを感じられることが多いです。

体質や症状による個人差

加味帰脾湯の効果が出るまでの期間には、大きな個人差があります。これは、漢方薬が個々の体質や症状の状態に合わせて処方されるものであり、同じ漢方薬でも人によって合う・合わないがあるためです。

効果が出るまでの期間に影響を与える要因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 体質(証): その人の元々の体質や病気の状態。漢方医学では「実証」「虚証」「中間証」といった分類や、「気」「血」「水」の過不足や滞りなどで体質を判断します。加味帰脾湯は、特に「気」と「血」が不足し、心(精神機能)と脾(消化器機能)の働きが弱った状態である「心脾両虚(しんぴりょうきょ)」のタイプに用いられます。この証に合っているかどうかが、効果の現れ方に大きく関わります。
  • 症状の程度と期間: 症状が始まってからの期間が短い場合や、症状が比較的軽い場合は、比較的早く効果を実感できることがあります。逆に、長期間にわたって慢性的に症状が続いている場合は、体質改善に時間がかかるため、効果が出るまでにもより長い期間が必要になることがあります。
  • 年齢: 一般的に、若い方や回復力のある方は効果を実感しやすい傾向がありますが、高齢者の方でも時間をかけて効果が現れることもあります。
  • 生活習慣: 十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動など、健康的な生活習慣を送っていると、漢方薬の効果が現れやすくなることがあります。不規則な生活や過度なストレスは、漢方薬の効果を妨げる可能性があります。
  • 他の病気の有無や併用薬: 他に持病があったり、他の薬を服用していたりする場合も、効果の現れ方に影響を与えることがあります。

このように、加味帰脾湯の効果が出るまでの期間は一概には言えません。一般的には「1ヶ月程度」を一つの目安として、根気強く服用を続けることが推奨されます。ただし、この期間内に全く効果を感じられない場合や、逆に症状が悪化する場合は、後述するように専門家への相談が必要です。

加味帰脾湯の主な効果・効能

加味帰脾湯は、主に心身の疲労や不眠、不安といった精神的な症状、消化機能の低下、貧血傾向などに効果を発揮する漢方薬です。その成り立ちと効果・効能について詳しく見ていきましょう。

加味帰脾湯はどんな漢方薬?

加味帰脾湯は、元々「帰脾湯(きひとう)」という漢方薬に、山梔子(さんしし)柴胡(さいこ)という2種類の生薬を加えたものです。帰脾湯は、脾(消化器系)の働きを高めて気血を補い、心(精神活動)の働きを安定させることで、胃腸虚弱や貧血、不眠などを改善する薬方です。

加味帰脾湯では、帰脾湯の効果に加えて、加味された山梔子と柴胡が精神的な「熱」や「気の滞り」を取り除く作用を持つため、イライラや興奮、胸苦しさ、憂鬱感といった精神的な症状や、自律神経の乱れによる症状に対して、より強く効果を発揮することが期待できます。

実際に、海外の医学論文でも、加味帰脾湯が日本で不安や神経症に対して広く使用されていることが示されています。

構成生薬は以下の通りです。(製剤によって含まれる生薬や分量は異なります。)

生薬名 読み方 主な働き
人参 にんじん 補気(気を補う)、健脾(脾の働きを丈夫にする)
白朮 びゃくじゅつ 健脾(脾の働きを丈夫にする)、燥湿(体内の余分な湿を取り除く)
黄耆 おうぎ 補気(気を補う)、昇挙(気を持ち上げる)
茯苓 ぶくりょう 健脾(脾の働きを丈夫にする)、利水(体内の余分な水を取り除く)、寧心安神(精神を落ち着かせる)
竜眼肉 りゅうがんにく 養血(血を養う)、安神(精神を落ち着かせる)
酸棗仁 さんそうにん 養心安神(心と精神を養い落ち着かせる)
当帰 とうき 補血活血(血を補い巡りを良くする)
大棗 たいそう 補脾益気(脾の働きを高め気を補う)、養血安神(血を養い精神を落ち着かせる)
甘草 かんぞう 補脾益気(脾の働きを高め気を補う)、緩急止痛(痛みを和らげる)、調和諸薬(他の生薬の効果を調和させる)
木香 もっこう 行気(気の巡りを良くする)、健脾(脾の働きを丈夫にする)
遠志 おんじ 安神益智(精神を落ち着かせ記憶力を高める)、祛痰開竅(痰を取り除き気の通りを良くする)
山梔子 さんしし 清熱瀉火(体内の余分な熱を冷ます)、除煩(イライラを取り除く)
柴胡 さいこ 疏肝解鬱(肝の気の滞りを改善し憂鬱感を晴らす)、清熱(熱を冷ます)
生姜 しょうきょう 温中散寒(胃腸を温める)、解表(体表の邪気を取り除く)、止嘔(吐き気を止める) ※製剤によっては含まれない場合もあります

不眠症・不安感への効果

加味帰脾湯は、寝つきが悪い、眠りが浅い、夢を多く見る、夜中に目が覚めてしまうといった不眠の症状に効果が期待できます。また、考え事や心配事が多くて頭から離れない、漠然とした不安感がある、ゆううつな気分になる、驚きやすいといった精神的な不安定さにも用いられます。

これは、加味帰脾湯が「気」と「血」を補うことで、心(精神)に十分な栄養が行き渡るように働きかけ、精神的な動揺を鎮める作用があるためです。特に、精神的な疲労が蓄積し、眠りが浅くなっている状態(心血不足、心神不安)に適しています。加味された山梔子と柴胡は、精神的な緊張やイライラ、胸苦しさといった「熱」や「気の滞り」からくる不眠や不安を和らげる効果もเสริม(เสริม:付け加える、補う)します。

自律神経の乱れへの効果

ストレスや疲労の蓄積は、自律神経のバランスを乱し、様々な身体症状を引き起こします。加味帰脾湯は、動悸、めまい、立ちくらみ、のぼせ、ほてり、異常な発汗、手足の震えといった自律神経失調症に類似した症状にも効果が期待できます。

これは、加味帰脾湯が気血を補い、精神を安定させることで、自律神経の興奮を鎮め、体のバランスを整える働きがあるためと考えられます。特に、精神的な疲労や不安が原因で自律神経が乱れているタイプに適しています。

疲労感・貧血傾向への効果

加味帰脾湯は、体がだるい、疲れやすい、食欲がない、顔色が悪い、貧血気味、声に力がない、少し動くと息切れがするといった症状にも用いられます。

これらの症状は、漢方医学でいう「気虚(ききょ)」や「血虚(けっきょ)」と呼ばれる、気(生命エネルギー)や血(血液とその働き)が不足している状態に相当します。加味帰脾湯は、人参、白朮、黄耆などが脾(消化器系)の働きを高めて気を作り出し、当帰、竜眼肉、大棗などが血を補う(補血)ことで、体のエネルギー不足や栄養不足を改善し、全身の疲労感や貧血傾向を和らげる効果が期待できます。また、これらの気血不足は、精神的な不安定さや不眠の原因ともなるため、体と心の両面からアプローチすることで、症状の改善を目指します。

国内の論文では、加味帰脾湯を投与することで、強い疲労感や不眠を伴う抑うつ傾向の患者さんだけでなく、PMS(月経前症候群)や月経痛も軽快したという症例報告も存在します。

加味帰脾湯の効果がない場合に考えること

加味帰脾湯をしばらく服用しても効果を実感できない場合、いくつかの原因が考えられます。自己判断で服用を続けたり中止したりせず、必ず専門家に相談することが重要です。

服用期間の目安(1ヶ月)と医療機関への相談

一般的に、漢方薬は効果が出るまでに時間がかかるため、少なくとも1ヶ月程度は継続して服用することが推奨されます。これは、体のバランスが整い、体質が改善されていくのに必要な期間と考えられるからです。

もし1ヶ月程度服用しても全く効果を感じられない場合、あるいは症状が悪化している場合は、必ず医師や薬剤師に相談してください。これは、服用期間が短すぎる、量が合っていないといったことだけでなく、以下のような別の原因が考えられるためです。

体質に合わない可能性

漢方薬は、個々の体質(証)に合わせて選ぶことが非常に重要です。加味帰脾湯は「心脾両虚」という証に適した薬ですが、もしご自身の体質が加味帰脾湯の適応する証と異なっている場合、期待する効果が得られないことがあります。例えば、体力が充実している「実証」の方や、熱がこもるタイプの不調には、加味帰脾湯は適さない場合があります。

医師や薬剤師は、問診や腹診、舌診などを行い、患者さんの体質や症状を総合的に判断して最適な漢方薬を選択します。効果がない場合は、改めて体質を診てもらい、別の漢方薬がより適している可能性について相談しましょう。

他の病気が隠れている可能性

症状が加味帰脾湯で改善されない場合、その症状の背景に別の病気が隠れている可能性も考えられます。例えば、不眠や疲労感、動悸などは、甲状腺の病気や貧血、うつ病など、他の病気が原因で起こっている場合もあります。

漢方薬は対症療法だけでなく、根本原因の改善を目指すものですが、器質的な疾患がある場合は、西洋医学的な治療が必要になることがあります。加味帰脾湯で効果が見られない場合は、一度医療機関を受診して、症状の原因を詳しく調べてもらうことをお勧めします。

服用方法が間違っている可能性

正しく服用できていないために効果が出にくい場合もあります。定められた量や回数を守れているか、食前・食間といった指示されたタイミングで服用できているかなど、もう一度確認してみましょう。ただし、自己判断で量を変えたり、回数を増やしたりすることは避けてください。

加味帰脾湯を1ヶ月服用しても効果がない場合は、「この薬は自分には合わないのかな」「症状が重すぎるのかな」と悩むだけでなく、必ず専門家に相談し、体質や症状を再評価してもらうことが、適切な治療に繋がります。

加味帰脾湯の正しい飲み方と注意点

加味帰脾湯の効果を最大限に引き出すためには、正しい飲み方と注意点を守ることが大切です。また、副作用についても理解しておく必要があります。

効果的な服用タイミング

漢方薬は、一般的に食前(食事の30分~1時間前)または食間(食事と食事の間、食後約2時間後)に服用することが推奨されています。これは、胃の中に食べ物がない空腹時のほうが、漢方薬の成分が吸収されやすいと考えられているためです。

加味帰脾湯も、食前または食間に、コップ一杯の水またはぬるま湯で服用するのが一般的です。添付文書に指定がある場合は、それに従ってください。顆粒や粉末タイプの場合は、口に含んでから水で流し込むか、少量の水で溶かしてから服用します。錠剤やカプセルタイプの場合は、そのまま水で服用します。

もし食前や食間に服用するのが難しい場合は、食後に服用しても構いませんが、空腹時のほうが吸収が良いとされています。飲み忘れを防ぐためにも、ご自身のライフスタイルに合わせて、毎日同じタイミングで服用することを習慣化すると良いでしょう。

ただし、服用タイミングについて不安がある場合は、医師や薬剤師に相談してください。

副作用について

加味帰脾湯は比較的穏やかな作用を持つ漢方薬ですが、全く副作用がないわけではありません。体質や体調によっては、以下のような副作用が現れる可能性があります。

  • 胃腸症状: 胃部不快感、食欲不振、悪心、下痢など。特に胃腸が弱い方は、これらの症状が出やすいことがあります。
  • 皮膚症状: 発疹、かゆみなど。
  • その他: 稀に、むくみや体重増加、血圧上昇などが起こることがあります。(甘草が含まれているため)

これらの副作用は比較的軽度であることが多いですが、症状が気になる場合や続く場合は、服用を中止し、医師や薬剤師に相談してください。

また、非常に稀ではありますが、以下のような重篤な副作用の可能性もゼロではありません。

  • 間質性肺炎: 階段を上ったり、少し無理をしたりすると息切れがする・息苦しくなる、空咳が出る、発熱などがみられ、これらが急にあらわれたり持続したりする。
  • 偽アルドステロン症、ミオパチー: 手足のだるさ、しびれ、つっぱり感やこわばりに加えて、脱力感、筋肉痛があらわれ、徐々に強くなる。(甘草の長期・多量服用によるもの)
  • 肝機能障害、黄疸: 発熱、かゆみ、発疹、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、褐色尿、全身のだるさ、食欲不振など。

これらの重篤な副作用の初期症状が現れた場合は、直ちに服用を中止し、すぐに医療機関を受診してください。

副作用のリスクを避けるためにも、自己判断で服用量を増やしたり、長期間漫然と服用を続けたりせず、必ず医師や薬剤師の指導のもとで服用することが大切です。また、妊娠中や授乳中の方、他の病気で治療を受けている方、他の薬を服用している方は、必ず事前に医師や薬剤師に相談してください。

加味帰脾湯と類似漢方との違い

加味帰脾湯以外にも、不眠や不安、疲労感などの症状に用いられる漢方薬はいくつかあります。それぞれの漢方薬は、ターゲットとする体質や症状の傾向が異なります。加味帰脾湯が自分に合わないと感じる場合や、他の漢方薬との違いを知りたい場合に参考になります。

帰脾湯との違い

前述の通り、加味帰脾湯は帰脾湯に山梔子と柴胡を加えたものです。

漢方薬名 構成生薬 主な適応 特徴
帰脾湯 人参、白朮、黄耆、茯苓、竜眼肉、酸棗仁、当帰、大棗、甘草、木香、遠志、生姜(製剤による) 胃腸虚弱、貧血、不眠、健忘、動悸 脾(消化器)の働きを高めて気血を補い、心(精神)を養う基本的な薬方。肉体的な疲労やそれに伴う不眠・精神不安定に適する。
加味帰脾湯 帰脾湯の構成生薬+山梔子、柴胡 帰脾湯の適応症状+
イライラ、興奮、胸苦しさ、憂鬱、口渇、ほてり、寝汗
帰脾湯の効果に加えて、山梔子と柴胡が精神的な「熱」や「気の滞り」を取り除く。精神的な緊張やイライラが強く、それに伴う不眠や自律神経症状がある場合に特に適する。

このように、加味帰脾湯は帰脾湯よりも精神的な症状、特にイライラや興奮といった「熱」や「滞り」を伴う症状に対して、より効果を発揮するよう調整されています。

加味逍遥散、半夏厚朴湯、酸棗仁湯など

不眠や不安、自律神経の乱れに用いられる他の代表的な漢方薬との違いは以下の通りです。

漢方薬名 主な構成生薬 主な適応 特徴
加味帰脾湯 人参、黄耆、当帰、竜眼肉、酸棗仁など(補気養血安神)、山梔子、柴胡(清熱疏肝) 胃腸虚弱、貧血傾向のある人の不眠、不安、考えすぎ、動悸、イライラなど 気血不足による心脾両虚の体質で、精神的な疲労や不安、それに伴う不眠・消化器症状がある場合に適する。特にイライラや興奮など熱や滞りを伴う場合に加味帰脾湯が選ばれる。体力は中等度以下。
加味逍遥散 柴胡、芍薬、当帰、茯苓、白朮、甘草、生姜、薄荷+山梔子、牡丹皮 虚弱体質で神経過敏な人の肩こり、疲労、便秘、生理不順、イライラ、不安、不眠など 特に女性に多く用いられ、気の滞り(気滞)や血の滞り(瘀血)、熱が原因の様々な不定愁訴に効果。精神的なストレスによるイライラや落ち込み、生理前後の不調、自律神経症状に適する。比較的体力がある方から虚弱な方まで用いられるが、胃腸は比較的丈夫なことが多い。
半夏厚朴湯 半夏、厚朴、茯苓、蘇葉、生姜 喉のつかえ感(ヒステリー球)、不安感、動悸、めまい、吐き気、咳など 気の滞りの中でも特に「梅核気(ばいかくき)」と呼ばれる喉の異物感や、不安感、神経症状に適する。胃腸が弱い方でも比較的服用しやすい。ストレスなどによる気の巡りの悪さが主な原因の場合に用いられる。体力は中等度以下。
酸棗仁湯 酸棗仁、茯苓、知母、川芎、甘草 心身が疲れて眠れない、眠りが浅い 疲労による不眠に特化した漢方薬。特に心血不足や肝血不足によって精神が不安定になり、眠れない、眠りが浅い、寝汗をかくといった症状に適する。比較的体力がなく、虚弱な方に用いられることが多い。

このように、同じ不眠や不安、疲労といった症状でも、その背景にある体質(胃腸の強弱、気血の状態、熱や滞りの有無など)によって適応する漢方薬が異なります。加味帰脾湯は、胃腸が弱く気血が不足しているタイプで、精神的な疲労やそれに伴う不眠・不安がある場合に適しており、特にイライラや興奮がある場合に有効です。

どの漢方薬が自分に合っているかは、専門的な判断が必要です。自己判断せず、医師や薬剤師に相談して、最も適した漢方薬を選んでもらうようにしましょう。

まとめ:加味帰脾湯は効果が出るまで継続が大切

加味帰脾湯は、心身の疲労や不眠、不安感、自律神経の乱れといった幅広い症状に効果が期待できる漢方薬です。これらの症状は、現代社会において多くの人が抱えやすい悩みであり、加味帰脾湯は心と体の両面からバランスを整えることで、それらの改善を目指します。

しかし、漢方薬の特性として、西洋薬のような即効性は期待できません。加味帰脾湯の効果を実感するまでには、一般的に数週間から1ヶ月程度の期間が必要となることが多いです。効果が出るまでの期間には個人差が大きく、体質や症状の程度、服用を始めた時期などによって異なります。

効果を実感するためには、焦らず、毎日決められた量を根気強く継続して服用することが非常に大切です。服用期間の目安とされる1ヶ月を過ぎても全く効果を感じられない場合や、症状が悪化する場合は、自己判断せずに必ず医師や薬剤師に相談してください。体質に合っていない可能性や、他の病気が隠れている可能性も考えられます。

加味帰脾湯は、正しい体質診断と服用方法を守れば、穏やかに心身の不調を改善してくれる頼れる味方となり得ます。不安や疑問がある場合は一人で悩まず、専門家のサポートを受けながら、ご自身の体質に合った方法で健康を取り戻しましょう。


免責事項

この記事は情報提供を目的としており、特定の製品や治療法を推奨するものではありません。
漢方薬の服用にあたっては、必ず医師、薬剤師、または登録販売者にご相談の上、用法・用量を守って正しくお使いください。
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