ショウキョウの効果と副作用を徹底解説!使う前に確認すべき注意点

ショウキョウという言葉を聞いたことがありますか?
これは古くから漢方薬や民間療法で重宝されてきた生薬の名前です。
一般的に知られている「生姜(しょうが)」とよく似ていますが、実は違いがあります。
体を温めたり、胃腸の調子を整えたりと、私たちの健康に役立つ様々な効果が期待されるショウキョウですが、「効果がやばい」という声や、「副作用があるのでは?」といった不安の声も聞かれます。

この記事では、生薬としてのショウキョウが具体的にどのようなものなのか、一般的な生姜や他の生姜加工品との違い、そして期待される効果・効能、さらに気になる副作用や摂取上の注意点、安全な活用方法まで、ショウキョウに関するあらゆる疑問にお答えします。
ショウキョウについて正しく理解し、日々の生活に安全かつ効果的に取り入れるための参考にしてください。

生薬「ショウキョウ」の定義

生薬としての「ショウキョウ(生姜)」は、ショウガ科ショウガ属の植物、ショウガ(Zingiber officinale)の根茎を乾燥させたものを指します。
古くから東洋医学において重要な生薬の一つとして位置づけられており、日本の薬局方にも収載されています。

ショウキョウは、単に乾燥させただけではなく、その薬効を最大限に引き出すための特定の製造工程を経て作られます。
この乾燥という工程を経ることで、生の生姜に含まれる特定の成分が変化し、異なる薬効を持つようになります。
特に、体を温める効果や、胃腸に対する作用が重視され、様々な漢方方剤に配合されています。

生薬としての品質は、栽培方法、収穫時期、乾燥方法などによって異なるとされており、品質基準を満たしたものが医薬品や漢方薬の原料として使用されます。
ショウキョウは、その独特の芳香と辛味を持ち、これは主にジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロンといった成分によるものです。
これらの成分が、ショウキョウの持つ様々な薬効に関与しています。

歴史的には、中国の古典的な薬物書である『神農本草経(しんのうほんぞうけい)』にも記載されており、その薬効は数千年にわたって経験的に確かめられ、伝えられてきました。
日本へは奈良時代以前に伝来したとされ、以来、日本の伝統医学や食文化に深く根ざしています。

生姜との違い:ショウキョウとカンキョウ

一般的にスーパーなどで手に入る「生姜」は、主に生のままの根茎を指します。
一方、「ショウキョウ」は前述の通り、その根茎を乾燥させた生薬です。
さらに、生姜の加工法にはいくつかの種類があり、それぞれ薬効が異なります。
代表的なものに「カンキョウ(乾姜)」があります。

これらの違いは、主に加工方法と、それによって変化する含有成分にあります。

名称 加工方法 主な含有成分の変化 期待される主な薬効の傾向
生姜 生の根茎 ジンゲロールが豊富 発汗作用、解熱作用、吐き気止め、消化促進(胃腸を整える)、軽い血行促進(体の表面を温める)
ショウキョウ 乾燥させた根茎 ジンゲロールの一部がショウガオールに変化 体を内部から温める効果(強い温熱作用)、健胃作用、鎮痛・抗炎症作用、抗菌作用
カンキョウ 蒸してから乾燥させた根茎(乾姜) ジンゲロールの大部分がショウガオールやジンゲロンに変化し、ショウガオールが特に豊富になる ショウキョウよりもさらに強力な温熱作用(体の深部を温める)、胃腸の冷えによる痛みや下痢への作用、強壮作用(より体を力づける)

生の生姜(ショウガ):
主に辛味成分として「ジンゲロール」を豊富に含みます。
ジンゲロールは強い殺菌作用や抗炎症作用を持つほか、体の表面の血管を広げて血行を良くし、発汗を促す作用があります。
そのため、風邪のひきはじめや寒気を感じる時、吐き気を抑えたい時などに用いられることが多いです。
胃腸の働きを助ける効果もあります。

ショウキョウ(乾燥生姜):
生の生姜を乾燥させる過程で、ジンゲロールの一部が「ショウガオール」という成分に変化します。
ショウガオールはジンゲロールよりも体を深部から温める作用が強いとされています。
また、鎮痛作用や抗炎症作用も期待できます。
漢方では、体の内部の冷えによる症状(胃腸の不調、関節痛など)に用いられることが多いです。

カンキョウ(乾姜):
生の生姜を一度蒸してから乾燥させたものです。
蒸すという工程を経ることで、ジンゲロールはさらに効率よくショウガオールやジンゲロンといった成分に変化します。
特にショウガオールの含有量が多くなるため、ショウキョウよりもさらに強力に体を温める作用があると言われています。
体の奥底の冷えや、それによって起こる様々な不調に対して用いられます。

このように、同じショウガ科の植物の根茎から作られますが、加工方法が違うだけで含有成分のバランスが変化し、それぞれ異なる得意な薬効を持つようになります。
漢方薬では、これらの生姜加工品を目的とする効果に合わせて使い分けています。

ショウキョウの和名は何?

生薬名としての「ショウキョウ」は、漢字で「生薑」と書くこともあります。
この漢字表記からわかるように、植物自体の和名は「ショウガ(生姜)」です。

つまり、「ショウガ」は植物の名前であり、食用の根茎全体を指す言葉としても使われます。
一方、「ショウキョウ」は、そのショウガの根茎を特定の加工(主に乾燥)を施した後の、生薬としての名称です。

したがって、「ショウキョウの和名」というよりは、「ショウキョウは、ショウガという植物の根茎を加工した生薬である」と理解するのが正しいでしょう。
スーパーなどで購入する生の「生姜」は、生薬名では「ショウキョウ」とは呼びません。
生薬として扱う場合は、乾燥などの加工を経たものだけが「ショウキョウ」と呼ばれます。

植物としてのショウガは、温暖な気候を好み、日本では主に高知県などで多く栽培されています。
食用だけでなく、薬用としても古くから世界中で利用されてきた歴史を持ちます。
ショウキョウとして利用される場合も、薬効成分を豊富に含む根茎が使われます。

ショウキョウの主な効果・効能

ショウキョウは、その独特の成分組成から、私たちの体に様々な良い影響をもたらすと期待されています。
古くから伝わる経験的な薬効に加え、近年では科学的な研究も進み、その作用メカニウムが少しずつ明らかになってきています。

ショウキョウにはどんな効果があるのですか?(抗炎症・抗菌・血行促進など)

ショウキョウに期待される主な効果・効能は多岐にわたります。
ここでは代表的なものを詳しく見ていきましょう。

1. 体を温める効果(温中散寒:おんちゅうさんかん)
ショウキョウに含まれるショウガオールなどの成分には、血管を広げ、血行を促進する作用があります。
特に、体の深部を温める効果(温中)に優れているとされ、寒さ(寒邪:かんじゃ)によって引き起こされる体の不調を改善する(散寒)ために用いられます。
冷え性、手足の末端の冷え、寒気を感じる風邪の初期症状などに効果が期待できます。
血行が促進されることで、体の隅々まで栄養や酸素が行き渡りやすくなり、代謝の向上にも繋がる可能性があります。

2. 健胃・整腸作用(温胃止嘔:おんいしおう、健脾:けんぴ)
ショウキョウは、胃腸の働きを活発にし、消化を助ける作用があります。
胃を温め(温胃)、胃の冷えによる吐き気や嘔吐を抑える(止嘔)効果が期待されます。
また、胃腸の機能を高める(健脾)ことで、食欲不振、消化不良、胃もたれ、腹部の張りなどを改善するのに役立ちます。
特に、冷たいものを摂りすぎたり、体が冷えたりしてお腹の調子が悪くなった場合に有効とされています。

3. 鎮痛・抗炎症作用(止痛:しつう、消炎:しょうえん)
ショウキョウに含まれる成分には、痛みを和らげたり(止痛)、炎症を鎮めたり(消炎)する作用があることが示唆されています。
これは、体内で炎症を引き起こす物質の生成を抑えることなどによるものと考えられています。
関節痛、筋肉痛、神経痛、頭痛など、様々な痛みの緩和に用いられることがあります。
特に、冷えや湿気によって悪化する痛みに有効とされています。

4. 抗菌・抗ウイルス作用
ショウキョウには、特定の細菌やウイルスの増殖を抑える作用があることが研究で報告されています。
これにより、風邪やインフルエンザなどの感染症の予防や、初期症状の緩和に役立つと考えられています。
特に、喉の痛みや咳、鼻水といった症状に対して用いられることがあります。

5. 免疫力向上
ショウキョウの持つ温熱作用や血行促進作用、さらに含まれる多様な成分が、全身の機能維持や免疫細胞の働きをサポートすることで、免疫力の向上に繋がる可能性が指摘されています。
体が温まり、血行が良くなることは、免疫細胞が体内をスムーズに移動し、病原体と戦う上でも有利に働くと考えられます。

これらの効果は、「ショウキョウの効果はやばい」と表現されるほど劇的な変化をもたらす場合もあれば、穏やかな変化しかもたらさない場合もあります。
効果の感じ方には個人差が大きく、体質や症状の種類、重さ、摂取量、摂取期間など様々な要因が影響します。
あくまで生薬として、体のバランスを整え、自己治癒力をサポートする役割を担うものとして理解することが大切です。

漢方薬への配合と適用症状

ショウキョウは、その幅広い薬効から、非常に多くの漢方方剤に配合されている重要な生薬です。
漢方医学では、個々の生薬が持つ薬効だけでなく、複数の生薬を組み合わせることで生まれる相乗効果や、特定の生薬の弱点を補うといった考え方で処方が構成されます。
ショウキョウも、他の生薬と組み合わされることで、その効果が最大限に引き出されます。

ショウキョウが配合される代表的な漢方薬とその適用症状をいくつかご紹介します。

漢方薬名 主な配合生薬(一部) ショウキョウの主な役割 主な適用症状
葛根湯(かっこんとう) 葛根、麻黄、桂枝、芍薬、大棗、甘草、生姜(ショウキョウ) 発汗を助け、体を温め、胃腸を保護する 風邪の初期症状(寒気、頭痛、肩こり)、鼻かぜ、副鼻腔炎
小青竜湯(しょうせいりゅうとう) 麻黄、桂皮、五味子、乾姜、細辛、半夏、甘草、生姜(ショウキョウ) 体を温め、水分代謝を整え、鼻水・鼻詰まりを改善 気管支炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症による水っぽい鼻水や咳、むくみ
半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう) 半夏、黄芩、乾姜、人参、甘草、大棗、生姜(ショウキョウ) 胃腸の機能を整え、吐き気や下痢を抑える 胃下垂、胃弱、胸やけ、げっぷ、吐き気、食欲不振、下痢、口内炎など、胃腸の不調全般
人参湯(にんじんとう) 人参、白朮、茯苓、甘草、乾姜(カンキョウ) 体を内側から力強く温め、胃腸の冷えを改善 胃腸虚弱で体が冷えやすい人の胃痛、下痢、嘔吐。特に慢性的な胃腸症状

※上記の漢方薬名や配合生薬、適用症状は一例です。
また、同じ生姜でもショウキョウが使われるかカンキョウが使われるかは処方によって異なります。
例えば、葛根湯にはショウキョウ、小青竜湯や半夏瀉心湯、人参湯にはカンキョウが使われることが多いですが、製薬会社や処方によっては違いがある場合もあります。

このように、ショウキョウ(またはカンキョウ)は、他の生薬と組み合わせられることで、風邪、アレルギー、胃腸の不調など、様々な症状に対応する漢方薬の一部として重要な役割を果たしています。
漢方薬は個人の体質(証:しょう)に合わせて処方されるため、同じ症状でも処方される漢方薬が異なることがあります。
漢方薬の使用を検討する場合は、自己判断せず、漢方に詳しい医師や薬剤師、登録販売者に相談することをお勧めします。

ショウキョウの注意点・副作用はやばい?

体に良い効果が期待されるショウキョウですが、生薬である以上、使用上の注意点や、人によっては副作用が現れる可能性もゼロではありません。
「副作用はやばいのでは?」と心配になる方もいるかもしれませんが、適切に使用すれば過度に恐れる必要はありません。

ショウキョウは肝臓に負担をかけますか?適量について

結論から言うと、一般的な摂取量において、ショウキョウが健康な肝臓に大きな負担をかける可能性は低いと考えられます。
生薬として、また食品としても長年にわたり利用されてきた歴史があり、通常量での摂取による肝臓への重篤な影響はほとんど報告されていません。

しかし、どのようなものでも過剰に摂取すれば体に負担をかける可能性があります。
ショウキョウに含まれる成分も、大量に摂取することで、体質によっては一時的に肝臓に負荷をかける可能性は否定できません。
特に、既に肝臓に疾患がある方や、肝臓の機能が低下している方は、摂取量に注意が必要です。

適量について:
ショウキョウの「適量」は、使用する目的(生薬、サプリメント、食品など)や製品の種類、個人の体質、症状によって異なります。

  • 生薬として: 漢方薬として処方される場合、他の生薬との組み合わせや、医師・薬剤師の判断によって量が決められます。
    日本薬局方によると、ショウキョウの1日量は通常2〜5g程度とされていますが、これはあくまで目安であり、処方によって増減します。
  • サプリメントとして: 製品によって含有量が異なります。
    製品の表示を確認し、推奨されている摂取量を守ることが非常に重要です。
    メーカーが設定する推奨量は、安全性や効果を考慮して定められています。
  • 食品として(乾燥ショウガパウダーなど): 料理や飲み物に使う場合、明確な上限量は定められていませんが、一度に大量に摂取することは避けましょう。
    風味付けや体を温める目的であれば、少量(1日数グラム程度)で十分効果を感じられることが多いです。

過剰摂取のサイン:
過剰摂取のサインとして、肝臓への影響よりも先に、胃の不快感、胸やけ、腹痛、下痢などの消化器系の症状が現れることが多いです。
これらの症状が出た場合は、摂取量を減らすか、一時的に摂取を中止してください。

肝臓の機能が気になる方へ:
肝臓の持病がある方や、肝機能の数値が気になる方は、ショウキョウを含むサプリメントや健康食品を日常的に摂取する前に、必ず医師や薬剤師に相談してください。
専門家のアドバイスのもと、安全な摂取方法や適量を確認することが最も重要です。

ショウキョウの考えられる副作用

ショウキョウは比較的安全な生薬とされていますが、体質や摂取方法によっては副作用が現れる可能性があります。
「副作用はやばい?」と心配されるかもしれませんが、多くの場合、軽度で一時的なものです。

ショウキョウの摂取によって考えられる主な副作用は以下の通りです。

  • 消化器系の不調: 胃部不快感、胸やけ、胃痛、腹痛、吐き気、下痢など。
    これは、ショウキョウの持つ刺激作用や、胃腸の動きを活発にする作用が強く出すぎたり、胃腸が弱い人が摂取したりした場合に起こりやすい症状です。
    特に空腹時の大量摂取は避けた方が良いでしょう。
  • 体のほてり、発汗: 体を温め、血行を促進する作用が強く出すぎた場合に、顔のほてりや全身の発汗が増加することがあります。
    これはショウキョウの本来の作用が強く現れたものと言えますが、不快に感じる場合もあります。
  • 皮膚のかゆみや発疹: まれに、アレルギー反応として皮膚のかゆみや発疹が現れることがあります。
    これについては後述します。

これらの副作用は、摂取量を減らすか、摂取を中止することで改善することがほとんどです。
もし症状が続く場合や、重い症状(激しい腹痛、蕁麻疹、呼吸困難など)が現れた場合は、直ちに医療機関を受診してください。

「やばい副作用」として、ショウキョウの過剰摂取による重篤な健康被害が一般的に報告されているわけではありません。
しかし、持病がある方や特定の薬を服用している方は、ショウキョウとの相互作用によって予期せぬ影響が出ないとも限りません。
このため、自己判断での大量摂取や、安易な個人輸入は避けるべきです。

ショウキョウのアレルギーについて

非常にまれではありますが、ショウキョウ(ショウガ)に対してアレルギー反応を示す方がいます。
ショウガ科の植物全体や、他の特定の植物に対してもアレルギーを持つ方が、ショウキョウにも反応することがあります。

ショウキョウに対するアレルギー症状としては、以下のようなものが考えられます。

  • 皮膚症状: 摂取後に口の周りや唇が腫れる(口腔アレルギー症候群)、皮膚のかゆみ、発疹、蕁麻疹など。
  • 消化器症状: 腹痛、下痢、吐き気、嘔吐など。
  • 呼吸器症状: 鼻水、鼻詰まり、くしゃみ、咳、息苦しさなど。
  • 全身症状: ごくまれに、アナフィラキシーショック(全身の蕁麻疹、血圧低下、呼吸困難などの重篤なアレルギー反応)を引き起こす可能性もゼロではありませんが、これは非常に稀なケースです。

過去に生姜や他のショウガ科の植物(ウコン、カルダモンなど)を摂取して、かゆみや発疹などのアレルギー症状が出た経験がある方は、ショウキョウを含む製品を摂取する際に注意が必要です。

もしショウキョウを摂取して、上記のようなアレルギーを疑う症状が現れた場合は、直ちに摂取を中止し、医療機関を受診してください。
特に呼吸困難などの重篤な症状が出た場合は、緊急での対応が必要です。

アレルギーのリスクは誰にでも起こりうるため、初めてショウキョウを含む製品を試す際は少量から始めるなど、ご自身の体調の変化に注意を払うことが推奨されます。

ショウキョウの利用と活用方法

ショウキョウは生薬としてだけでなく、様々な形で私たちの生活に取り入れることができます。
体を温めたい時や、胃腸の調子を整えたい時などに、手軽に利用できる方法をご紹介します。

ショウキョウを含む製品(サプリメント、食品)

ショウキョウは、様々な種類の製品として市販されています。
目的に合わせて、自分に合った形態を選ぶことができます。

1. 乾燥ショウガ(ショウキョウ)粉末・刻み:
生姜を乾燥させたものが、粉末状や刻んだ状態で販売されています。
これらはまさに生薬のショウキョウと同じものと考えて良いでしょう。

  • 活用方法: お茶に混ぜて飲む(生姜湯)、料理の風味付けに加える(炒め物、スープ、煮物など)、お菓子作りに使うなど、幅広く利用できます。
    生の生姜よりも辛味や香りが凝縮されており、少量でも効果を感じやすいです。
    特に体を温める効果を期待する場合は、生の生姜よりも乾燥ショウガの方が適しています。

2. ショウキョウ成分を含むサプリメント:
ショウキョウのエキスや特定の有効成分(ショウガオールなど)を抽出・濃縮し、カプセルやタブレット、ソフトカプセルなどの形状にしたものです。

  • メリット: 手軽に一定量の有効成分を摂取できます。
    味や香りが苦手な方でも摂取しやすいでしょう。
  • 活用方法: メーカーが推奨する用法・用量を守って水などで飲みます。
  • 選ぶ際のポイント: 製品によってショウキョウ以外の成分も含まれている場合があります。
    成分表示を確認し、信頼できるメーカーの製品を選ぶことが重要です。
    また、医薬品や特定保健用食品(トクホ)ではない「健康食品」に分類される場合、表示されている効果効能は限定的であったり、科学的根拠が必ずしも十分でない場合があるため注意が必要です。

3. ショウキョウを含む食品・飲料:
乾燥ショウガやそのエキスを原材料として使用した加工食品や飲料も多数販売されています。

  • 例: 生姜パウダー入りの飴、ジンジャーシロップ、スパイスミックス、一部の健康茶など。
  • 活用方法: そのまま摂取したり、他の食品や飲み物と組み合わせて摂取したりします。
  • 注意点: 食品であるため、含まれるショウキョウの量は製品によって大きく異なります。
    また、糖分などが多く含まれている製品もあるため、健康目的で摂取する場合は原材料表示や栄養成分表示をよく確認しましょう。

これらの製品を選ぶ際は、ご自身の目的(体を温めたい、胃腸を整えたいなど)に合ったものを選ぶことが大切です。
また、品質や安全性が確保された、信頼できる販売元から購入するようにしましょう。

ショウキョウを個人輸入する際の注意点

インターネットの普及により、海外から直接医薬品や健康食品を「個人輸入」することが容易になりました。
ショウキョウを含む製品についても、海外のサイトから購入できる場合があります。
しかし、ショウキョウやそれを含む製品の個人輸入は、非常に高いリスクを伴うため、安易に行うべきではありません。

海外の製品、特に医薬品や生薬は、日本の医薬品医療機器等法(薬機法)に基づく品質、有効性、安全性の基準を満たしているとは限りません。
個人輸入による製品には、以下のような危険性が潜んでいます。

  • 1. 偽造品・粗悪品の可能性:
    インターネットで販売されている製品の中には、有効成分が全く含まれていない偽物、表示量よりもはるかに少ない・多いもの、あるいは健康に害を及ぼす不純物や、未承認の成分が混入している粗悪品が数多く存在すると言われています。
    特に生薬の場合、品質管理が適切に行われていないと、農薬や重金属などが残留している可能性も否定できません。
  • 2. 品質や安全性の基準が不明:
    海外で販売されている製品が、日本の医薬品や生薬に求められる製造管理・品質管理基準(GMPなど)を満たしているとは限りません。
    どのような環境で製造され、どのような品質チェックを経ているか不明な製品は、安全に使用できる保証がありません。
  • 3. 健康被害のリスク:
    偽造品や粗悪品、不純物が含まれた製品を摂取することで、予期せぬ副作用が現れたり、重篤な健康被害を引き起こしたりするリスクがあります。
    死亡例が報告されているケースも存在します。
  • 4. 医薬品副作用被害救済制度の対象外:
    国内で正規に流通している医薬品や生薬によって健康被害が発生した場合、国の医薬品副作用被害救済制度によって医療費などの給付を受けられる場合があります。
    しかし、個人輸入した製品による健康被害は、この制度の対象外となります。
  • 5. 飲み合わせや禁忌の情報不足:
    個人輸入する製品に関する情報が不足している場合、既に服用している薬との飲み合わせが悪かったり、自身の持病によっては摂取すべきでない(禁忌)場合でも、それに気づかずに摂取してしまう危険性があります。

これらのリスクを避けるためにも、ショウキョウやそれを含む製品は、国内の薬局、ドラッグストア、信頼できる漢方薬局、または正規のオンラインストアなどで購入することを強く推奨します。
特に生薬として使用したい場合は、日本薬局方に定められた品質基準を満たした製品を選ぶことが重要です。

もし、海外の特定の製品に興味がある場合は、個人輸入代行業者を利用するのではなく、その製品が日本国内で正規に販売されていないかを確認するか、専門家(医師や薬剤師など)に相談することをお勧めします。
安全・安心を最優先に考えましょう。

まとめ:ショウキョウを正しく理解して活用しよう

ショウキョウは、ショウガの根茎を乾燥させた生薬であり、古くから体を温めたり、胃腸の調子を整えたりと、私たちの健康維持に様々な効果が期待されてきました。
生の生姜とは成分のバランスが異なり、特に体を内側から温める作用(温中散寒)に優れているのが特徴です。
また、ショウキョウをさらに蒸して乾燥させたカンキョウは、より強力な温熱作用を持ちます。

「ショウキョウの効果はやばい」という声も聞かれますが、これはショウキョウの持つ強力な温熱作用や、様々な体の不調に対する改善効果を実感した人の声と言えるでしょう。
漢方薬としても葛根湯や小青竜湯など多くの処方に配合され、幅広い症状の緩和に利用されています。

ただし、ショウキョウも生薬である以上、注意点や副作用の可能性はあります。
一般的な摂取量であれば、肝臓への負担は少ないと考えられますが、過剰摂取は胃腸の不調などを引き起こす可能性があります。
また、まれにアレルギー反応が出る方もいます。
特に持病がある方や、他の薬を服用中の方は、摂取前に医師や薬剤師に相談することが大切です。
自己判断での大量摂取や、安易な個人輸入は、品質や安全性の問題から健康被害のリスクを伴うため避けるべきです。

ショウキョウは、乾燥粉末や刻み、または成分を含むサプリメントや食品など、様々な形で私たちの生活に取り入れることができます。
これらの製品を賢く選び、適量を守って使用することで、ショウキョウの持つ健康効果を安全に享受することができるでしょう。

ショウキョウは、適切に理解し活用すれば、日々の健康をサポートしてくれる心強い味方となり得ます。
この記事を通して、ショウキョウについて正しく知ることができたなら幸いです。
もし、ご自身の体調や、ショウキョウの利用に関して不安な点がある場合は、必ず医療機関や専門家にご相談ください。

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