炭酸水素ナトリウムの効果と副作用|安全に使うための注意点

炭酸水素ナトリウム、多くの方が「重曹」という名前でご存じかもしれません。私たちの日常生活の様々な場面で活躍している、非常に身近な化学物質です。
料理、掃除、入浴剤、さらには医薬品としても利用されるなど、その用途は多岐にわたります。
しかし、これほど多様に使われる炭酸水素ナトリウムが、一体どのような性質を持ち、どのような効果をもたらすのか、詳しく知る機会は少ないかもしれません。
この記事では、そんな炭酸水素ナトリウムの基本的な知識から、その驚くべき多様な用途、性質、安全性、そしてよく似た炭酸ナトリウムとの違いまでを、分かりやすく深掘りして解説します。

炭酸水素ナトリウムとは?重曹との関係

炭酸水素ナトリウムは、古くから人類に利用されてきた物質の一つです。
天然にも存在しますが、工業的にも大量に生産されており、安価で手軽に入手できることから、私たちの暮らしに欠かせない存在となっています。
一般的に「重曹」と呼ばれることが多いですが、これは俗称であり、正式な化学名は炭酸水素ナトリウムです。
なぜ「重曹」と呼ばれるようになったかについては諸説ありますが、かつてソーダ灰(炭酸ナトリウム)を製造する際に、それよりも分子量の大きい(重い)炭酸水素ナトリウムができたことに由来するとも言われています。

別名・化学式 NaHCO3

炭酸水素ナトリウムの化学式は NaHCO₃ です。
ナトリウムイオン(Na⁺)と炭酸水素イオン(HCO₃⁻)が結合したイオン結晶です。

「重曹」の他にも、地域や分野によっていくつかの別名があります。
例えば、英語では Baking Soda(ベーキングソーダ) と呼ばれ、主に食品用として知られています。
これは、加熱すると二酸化炭素を発生させ、生地を膨らませる性質があるためです。
また、制酸剤としては 重炭酸ナトリウム と呼ばれることもあります。
これらの別名は、その用途や歴史によって使い分けられていますが、いずれも化学式 NaHCO₃ で表される同じ物質を指しています。

物理的・化学的性質(状態、溶解性、pH)

炭酸水素ナトリウムは、常温常圧では 白色の結晶性の粉末 です。
見た目は砂糖や塩に似ていますが、化学的には全く異なる物質です。
無臭で、わずかに塩味と苦味を感じることがあります。

溶解性 に関しては、水に比較的よく溶けます。
ただし、溶ける量には限界があり、温度が高いほど多く溶ける性質があります。
冷たい水よりも温かいお湯の方が溶けやすいので、洗浄などに使う際にはお湯に溶かすことが多いです。
アルコールなどの有機溶媒にはほとんど溶けません。

pH は、炭酸水素ナトリウム水溶液の重要な性質です。
水に溶かすと、弱アルカリ性を示します。
具体的には、濃度によって多少異なりますが、1%水溶液でおよそpH8.0~8.5程度です。
この弱アルカリ性という性質が、炭酸水素ナトリウムの多様な用途、特に掃除や消臭、制酸剤としての効果に深く関わっています。
酸性の物質を中和する働きがあり、酸性の汚れ(油汚れ、石鹸カスなど)や酸性のニオイ成分(汗、生ゴミ臭など)を分解したり、無害化したりすることができます。

炭酸水素ナトリウムの主な用途と効果

炭酸水素ナトリウムの弱アルカリ性、加熱によるガス発生、研磨作用、消臭作用など、多様な性質を活かして、私たちの生活の様々な場面で活用されています。
食品、医薬品、掃除、工業など、その用途は非常に広範です。

食品添加物としての用途

食品分野では、「重曹」または「ベーキングソーダ」として広く使われています。
最も代表的な用途は、 ベーキングパウダーの主成分 としてです。
ベーキングパウダーは、加熱や水分によって炭酸ガスを発生させることで、パンやケーキ、クッキーなどの生地をふっくらと膨らませるために使用されます。
炭酸水素ナトリウムが加熱分解する際に発生する二酸化炭素ガスが、生地の中に気泡を作り出すことで膨張が起こります。

また、あく抜きにも使われます。
タケノコや山菜などのあく成分には酸性のものが含まれており、炭酸水素ナトリウムの弱アルカリ性によってこれらを中和し、あくを取り除きやすくします。
肉や魚の下ごしらえにも利用されることがあります。
肉を柔らかくしたり、魚のぬめりを取ったりする効果があります。
これらも、弱アルカリ性がタンパク質に作用することによる効果です。

食品添加物としての炭酸水素ナトリウムは、食品衛生法に基づき安全性が確認されており、適切に使用される限り人体への悪影響はありません。

医薬品としての用途

医薬品としては、主に 制酸剤 として使用されます。
胃酸は酸性ですが、過剰に分泌されると胸やけや胃痛の原因となります。
炭酸水素ナトリウムは弱アルカリ性であるため、胃の中で過剰な胃酸を中和し、症状を緩和する効果があります。
ただし、胃酸と反応する際に二酸化炭素ガスを発生するため、お腹が張ったりゲップが出やすくなったりすることがあります。
また、長期間または大量に使用すると、体内の電解質バランスを崩したり、胃酸の反跳性分泌(一度中和されても、さらに多くの胃酸が分泌される現象)を引き起こしたりする可能性があるため、医師や薬剤師の指示に従って適切に使用することが重要です。

このほか、うがい薬の成分として、口腔内の酸を中和し、口臭を予防する目的で配合されることもあります。
また、注射剤として、アシドーシス(体液が酸性に傾いた状態)の治療にも使用されることがあります。

掃除・洗濯での用途

掃除や洗濯といった家庭用としても、炭酸水素ナトリウムは非常に優秀な働きをします。
環境に優しく、小さな子供やペットがいる家庭でも比較的安心して使えることから、近年特に注目されています。

主な効果としては以下の通りです。

  • 研磨効果: 炭酸水素ナトリウムの結晶は細かい粒子であり、適度な硬さを持っています。
    この性質を利用して、クレンザーのようにこびりついた汚れを物理的にこすり落とすことができます。
    シンク磨きや焦げ付き落としに有効です。
  • 脱臭・消臭効果: 弱アルカリ性であるため、酸性のニオイ成分(生ゴミの腐敗臭、汗臭、タバコ臭など)を中和し、ニオイそのものを分解または閉じ込める効果があります。
    冷蔵庫の消臭剤やゴミ箱への振りかけ、靴箱の脱臭などに利用できます。
  • 洗浄効果: 弱アルカリ性が、油汚れや皮脂汚れなどの酸性の汚れを乳化させ、落としやすくします。
    食器洗いや換気扇の掃除、衣類の軽い汚れ落としなどに活用できます。
  • 入浴剤: お風呂に入れると、お湯を弱アルカリ性にし、肌の古い角質や毛穴の汚れを落としやすくする効果が期待できます。
    また、炭酸ガスを発生させるタイプ(クエン酸などと混ぜる)の入浴剤の原料としても使われます。

これらの効果により、洗剤だけでは落ちにくい汚れやニオイに対しても、炭酸水素ナトリウムは有効な助けとなります。

工業用・消火剤としての用途

食品や家庭での利用だけでなく、工業分野でも幅広く使われています。
例えば、洗剤のビルドアップ剤(洗浄力を高める助剤)として配合されたり、皮革の製造工程で利用されたりします。

また、消火剤としても重要な役割を果たしています。
特に粉末消火器の主成分として広く利用されています。
火災に噴射された炭酸水素ナトリウムは、炎の熱によって瞬時に分解し、大量の二酸化炭素ガスを発生させます。
この二酸化炭素が酸素を遮断し、燃焼を抑制する効果があります。
また、分解時に熱を奪うことで冷却効果も得られます。
特に、油火災や電気火災など、水をかけるのが適さない火災に対して有効な消火剤です。

炭酸水素ナトリウムの化学反応・分解

炭酸水素ナトリウムの多様な用途は、その独特な化学反応や分解の性質に基づいています。
特に加熱による分解と、水溶液での反応は、多くの利用シーンで重要な役割を果たします。

加熱による熱分解

炭酸水素ナトリウムを加熱すると、化学的に分解され、別の物質に変化します。
この分解反応は、以下の化学反応式で表されます。

2NaHCO₃ (炭酸水素ナトリウム) → Na₂CO₃ (炭酸ナトリウム) + H₂O (水) + CO₂ (二酸化炭素)

つまり、炭酸水素ナトリウム2分子が加熱されると、炭酸ナトリウム1分子、水1分子、そして二酸化炭素ガス1分子に分解されるということです。

この反応は、食品を膨らませる際に非常に重要です。
パンやケーキの生地に配合された炭酸水素ナトリウムは、オーブンで加熱されることで分解し、発生した二酸化炭素ガスが生地の中に閉じ込められて気泡となり、フワフワとした食感を生み出します。
また、消火剤としての利用も、この分解によって発生する二酸化炭素ガスが酸素を遮断するという性質を利用しています。
分解は比較的低い温度(60℃程度から始まり、100℃以上で活発になる)で起こるため、様々な加熱調理プロセスで利用可能です。

水溶液での反応

炭酸水素ナトリウムを水に溶かすと、弱アルカリ性を示します。
これは、水溶液中で一部が加水分解するためです。

NaHCO₃ + H₂O ⇌ Na⁺ + HCO₃⁻
HCO₃⁻ + H₂O ⇌ H₂CO₃ + OH⁻

炭酸水素イオン(HCO₃⁻)が水(H₂O)と反応し、ごくわずかですが水酸化物イオン(OH⁻)を生成するため、水溶液がアルカリ性を示します。
ただし、炭酸水素イオンは弱い酸でもあるため、炭酸ナトリウムのように強いアルカリ性にはなりません。
これが「弱」アルカリ性である理由です。

この弱アルカリ性の水溶液は、酸性の物質と反応すると中和反応を起こします。

NaHCO₃ + 酸 → 塩 + H₂O + CO₂

例えば、お酢(酢酸)のような酸性の物質と混ぜると、激しく反応して二酸化炭素の泡が発生します。
この反応は、酸性の汚れを落とす原理や、制酸剤として胃酸を中和する原理です。
二酸化炭素が発生するため、掃除の際に泡立てて汚れを浮き上がらせる効果も期待できます。
クエン酸などと混ぜて「炭酸ガスパック」や「バスボム」を作るのも、この酸との反応で二酸化炭素を発生させるためです。

このように、炭酸水素ナトリウムは加熱によっても酸との反応によっても二酸化炭素を発生させる性質があり、これが多くの用途に結びついています。

炭酸水素ナトリウムの安全性・副作用・注意点

炭酸水素ナトリウムは、食品添加物としても認められているほど、基本的に安全性の高い物質です。
しかし、「やばい」といった懸念を持つ方もいるように、使い方を誤ると人体に影響が出たり、思わぬ事故につながったりする可能性もゼロではありません。
適正な使用と注意点を理解しておくことが重要です。

人体への影響と適正な使用

日常的な量の使用であれば、人体への悪影響はほとんどありません。
食品として摂取する場合も、パンやケーキに含まれる量、あるいはあく抜きに使用して洗い流す程度であれば問題ありません。
医薬品として制酸剤を使用する場合も、用法・用量を守れば安全に利用できます。

ただし、大量に経口摂取 すると、以下のような影響が出る可能性があります。

  • 胃腸の不調: 胃酸と反応して大量の二酸化炭素ガスが発生し、胃の膨満感、げっぷ、腹痛などを引き起こすことがあります。
  • ナトリウム過多: 炭酸水素ナトリウムはナトリウムを多く含むため、大量摂取は体内のナトリウムバランスを崩し、むくみや高血圧の悪化を招く可能性があります。
    特に腎臓病や心臓病などで塩分制限をしている方は注意が必要です。
  • アルカローシス: ごく稀に、大量摂取によって体液がアルカリ性に傾きすぎ(代謝性アルカローシス)、吐き気、頭痛、筋肉のけいれんなどの症状が現れることがあります。
  • 医薬品としての副作用: 制酸剤としての適正な使用範囲内でも、前述のゲップや膨満感、下痢、稀に反跳性胃酸分泌などが起こることがあります。

皮膚接触 については、通常の使用で皮膚への刺激は少ないですが、敏感肌の方や長時間高濃度の水溶液に触れる場合は、肌が乾燥したり、荒れたりすることがあります。
ゴム手袋を使用するなどして保護すると良いでしょう。

吸入 については、粉末状の炭酸水素ナトリウムを誤って大量に吸い込むと、気道を刺激して咳が出たり、呼吸が苦しくなったりする可能性があります。
粉末を取り扱う際は、顔を近づけすぎたり、風通しの悪い場所で作業したりしないように注意しましょう。

「やばい」と感じるような強い毒性や急激な健康被害は稀ですが、不適切な使い方や過剰摂取は体に負担をかける可能性があることを理解しておくべきです。
特に、医薬品として使用する場合は、必ず医師や薬剤師の指示に従ってください。

取り扱い上の注意点

安全に炭酸水素ナトリウムを使用するためには、いくつかの注意点があります。

  1. 用途に応じたグレードを選ぶ: 食品用、掃除用、工業用など、製品には様々なグレードがあります。
    これらは製造基準や不純物の許容レベルが異なります。
    食品に使う場合は必ず「食品添加物」として表示されている食品用を選びましょう。
    掃除用や工業用のものを食品に使用することは避けてください。
  2. 湿気を避けて保管する: 炭酸水素ナトリウムは湿気を吸いやすく、固まったり変質したりすることがあります。
    開封後は密閉できる容器に入れ、湿気の少ない涼しい場所に保管しましょう。
  3. 酸性の物質との混合に注意: 酸性の物質(お酢、クエン酸、酸性の洗剤など)と混ぜると、二酸化炭素が大量に発生し、容器が破損したり、急な泡立ちで中身が溢れたりする危険があります。
    特に密閉容器での混合は絶対に避けてください。
  4. 金属や塗装面への使用: アルカリ性であるため、アルミ製品や一部の塗装面、ワックスがけされたフローリングなど、アルカリに弱い素材に使用すると変色や劣化の原因となることがあります。
    目立たない場所で試してから使用するか、使用を避けましょう。
  5. 子供やペットの手の届かない場所に保管: 誤飲を防ぐため、保管場所には十分注意が必要です。

重曹・炭酸ナトリウムとの違い

炭酸水素ナトリウム(重曹)とよく似た名前を持つ物質に 炭酸ナトリウム があります。
化学式も似ており、どちらもアルカリ性を示しますが、性質や用途には重要な違いがあります。
この違いを理解することが、適切に使い分ける上で非常に重要です。

化学式は以下の通りです。

  • 炭酸水素ナトリウム(重曹): NaHCO₃
  • 炭酸ナトリウム: Na₂CO₃

最も大きな違いは、水に溶かしたときの アルカリ性の強さ です。

  • 炭酸水素ナトリウム(重曹): 弱アルカリ性(pH 8.0~8.5程度)
  • 炭酸ナトリウム: 強アルカリ性(pH 11.0~11.5程度)

このアルカリ性の強さの違いが、それぞれの主な用途の違いにつながっています。

項目炭酸水素ナトリウム(重曹)炭酸ナトリウム
化学式NaHCO₃Na₂CO₃
別名重曹、ベーキングソーダ、重炭酸ナトリウム炭酸ソーダ、ソーダ灰、ウォッシングソーダ
水溶液のpH弱アルカリ性 (pH 8.0~8.5程度)強アルカリ性 (pH 11.0~11.5程度)
主な用途食品添加物 (膨張剤)、制酸剤、軽い掃除、脱臭強力な洗浄、工業用、ガラス原料
加熱による分解比較的低温で分解 (CO₂発生)分解しにくい (高温が必要)
人体への影響比較的穏やか刺激が強い

このように、炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムは、化学式が似ていても、アルカリ性の強さや化学的な性質に違いがあり、それぞれ異なる用途で利用されています。
使う目的に合わせて、適切な方を選ぶことが大切です。

炭酸水素ナトリウムの購入方法

炭酸水素ナトリウムは非常にポピュラーな物質であるため、様々な場所で手軽に購入することができます。
用途や必要な量に応じて、最適な購入先を選ぶと良いでしょう。

一般的な購入先は以下の通りです。

  • 食品スーパー: 食品添加物としての「食品用重曹」が、製菓材料売り場や調味料売り場などで販売されています。
    少量パックから大容量のものまで様々です。
  • ドラッグストア: 掃除用品コーナーや入浴剤コーナーなどで、「掃除用重曹」「入浴剤用重曹」が販売されています。
    医薬品として「重曹(炭酸水素ナトリウム)」が販売されている場合もありますが、こちらは制酸剤などの目的で使用するもので、食品用とは異なります。
  • ホームセンター: 掃除用品、DIY用品などのコーナーで、比較的安価な大容量の「掃除用重曹」が販売されています。
    園芸用として扱われている場合もあります。
  • 100円ショップ: 小量の「掃除用重曹」が販売されていることがあります。
    まずは少量試してみたい場合に便利です。
  • ネット通販: 大手ECサイトや化学薬品販売サイトなどで、様々なグレード、容量の炭酸水素ナトリウムが販売されています。
    食品用、掃除用、工業用など、明確に用途が表示されている製品が多いです。
    大容量での購入や、特定のグレードを探している場合に便利です。

購入する際には、必ず 「食品用」「掃除用」などの用途やグレード表示 を確認してください。
特に食品として使用する場合は、「食品添加物」として認可されている製品を選びましょう。
掃除用や工業用の製品には不純物が含まれている可能性があり、食品には適しません。

関連キーワードとして「個人輸入」が挙げられますが、炭酸水素ナトリウムに関しては、国内で食品用から工業用まで様々なグレードが手軽に入手できるため、わざわざ個人輸入するメリットはほとんどありません。
医薬品グレードのものを特定の目的で使用したい場合などにごく稀にあるかもしれませんが、品質の保証がない製品を個人輸入するよりも、国内で正規に流通している医薬品(医師や薬剤師の指導の下で使用)や食品用製品を利用する方が、安全性ははるかに高いと言えます。
安易な個人輸入は避けることを強く推奨します。

炭酸水素ナトリウムについてよくある質問

ユーザーが抱きやすい「炭酸水素ナトリウム」に関する疑問点について、Q&A形式で分かりやすく解説します。

質問回答
重曹と炭酸ナトリウムは同じものですか?いいえ、異なります。
重曹は「炭酸水素ナトリウム(NaHCO₃)」、炭酸ナトリウムは「炭酸ナトリウム(Na₂CO₃)」です。
化学式が異なり、特に水に溶かしたときのアルカリ性の強さが違います。
重曹は弱アルカリ性で食品にも使われますが、炭酸ナトリウムは強アルカリ性で洗浄力が強い代わりに肌への刺激も強いです。
「ベーキングソーダ」と「重曹」の違いは何ですか?化学的には同じ「炭酸水素ナトリウム」です。
主に用途によって呼び分けられます。
「ベーキングソーダ」は英語圏での呼び名で、特に食品用の膨張剤として使われることが多いです。
日本では食品用、掃除用、医薬品用など広く「重曹」と呼ばれることが一般的です。
製品を選ぶ際は、「食品添加物」として表示されているか、あるいは掃除用かなどを確認しましょう。
重曹は料理に使えますか?はい、食品添加物として認可されている「食品用重曹」は料理に使えます。
ベーキングパウダーの主成分として生地を膨らませたり、豆や山菜のあく抜きに使われたりします。
ただし、掃除用や工業用の重曹は食品に使えません。
重曹で掃除するときの注意点は?弱アルカリ性なので、酸性の汚れ(油汚れ、焦げ付き、水垢の初期段階、生ゴミの臭いなど)に効果的です。
研磨効果もあるため、クレンザー代わりにもなります。
ただし、アルミ製品やニス塗りの家具など、アルカリに弱い素材には使わないように注意が必要です。
また、酸性の洗剤(お酢やクエン酸など)と混ぜるとガスが発生するので危険です。換気をしっかり行い、ゴム手袋を使用すると安心です。
重曹は環境に優しいって本当ですか?はい、比較的環境負荷が低いと言われています。
天然にも存在する物質であり、分解されても有害な物質をほとんど出しません。
ただし、大量に流すと排水のpHをアルカリ性に傾ける可能性はあるため、使いすぎには注意が必要です。
重曹は賞味期限や使用期限がありますか?食品用重曹には品質保持のため賞味期限(正確には「期限表示」)が記載されていることがあります。
掃除用などには明確な期限はありませんが、湿気を吸って固まると使いにくくなります。
密閉して保管すれば、比較的長期間(数年程度)は使用可能ですが、品質が気になる場合は新しいものを使用しましょう。
特に食品用は風味が落ちる可能性があるので、期限内に使い切るのが望ましいです。
  • 公開

関連記事