休職で診断書のもらい方|心療内科や精神科での対応方法!期間・費用・手当・もらえない場合を解説
休職を検討する際、多くの会社で必要となるのが医師の診断書です。体調不良や精神的な不調により仕事の継続が難しくなった場合、診断書を会社に提出することで、休職という選択肢が可能になります。しかし、「どうやってもらえばいいの?」「すぐに出してもらえるの?」「どんな内容が書いてあるの?」といった疑問や不安を感じる方も少なくありません。
この記事では、休職診断書の正しいもらい方から、取得にかかる期間、もらえないケースとその対処法、診断書の記載内容、そして休職中の給与や手当についてまで、精神科医の知見も踏まえながら徹底的に解説します。あなたの不安を解消し、適切な手続きを進めるための具体的な情報を提供します。
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休職に必要な診断書とは?
休職診断書とは、医師が患者の病状や健康状態を診断し、その結果に基づいて、一定期間の休業や就労に関する医学的な意見を記載した書類です。主に、従業員が傷病のために業務を遂行できない状態であることを会社に証明し、休職制度の適用を受けるために使用されます。
診断書の役割と重要性
診断書は、従業員の健康状態に関する医学的な証拠としての役割を果たします。会社は、従業員からの休職の申し出があった際に、診断書を確認することで、その必要性や期間の妥当性を判断します。
診断書の具体的な役割は以下の通りです。
- 休職の正当性の証明: 従業員が業務を継続できない状態であることを医師が客観的に証明します。
- 休職期間の目安の設定: 医師が病状に基づいて必要な休養期間を示します。これにより、会社は休職期間を設定しやすくなります。
- 会社への状況説明: 病名や病状、治療状況、予後など、会社が従業員の状況を理解するための医学的な情報を提供します。
- 傷病手当金などの申請: 健康保険から傷病手当金を受ける際に、医師の証明として診断書(または医師の意見書)が必要になります。
- 復職に向けた判断材料: 休職期間満了後の復職が可能かどうかの判断や、復職に向けたリハビリ出勤の要否などを検討する際の重要な情報源となります。
診断書があることで、従業員は安心して療養に専念でき、会社も適切な対応を取りやすくなります。診断書は単なる手続き上の書類ではなく、従業員の健康を守り、その後のキャリアにも関わる重要な書類と言えます。
休職制度と診断書の関連性
日本の多くの企業では、従業員が私傷病(業務外の病気や怪我)によって長期にわたり就業できない場合に備え、「休職制度」を設けています。この休職制度を利用するためには、多くの場合、医師の診断書提出が必須とされています。
休職制度に関する取り決めは、各社の就業規則に明記されています。就業規則には、休職が認められる条件、休職期間の上限、休職中の賃金の取り扱い、休職期間満了時の復職手続きなどが定められています。そして、その条件の一つとして、「医師の診断書により、傷病のため就業が困難であると認められた場合」といった規定が盛り込まれているのが一般的です。
診断書は、この就業規則に則って休職を申請するための客観的な根拠となります。会社側は、診断書を基に休職の承認や期間の決定を行います。診断書がない場合や、診断書の内容が会社の定める休職条件を満たさない場合は、休職が認められない可能性もあります。
つまり、休職診断書は、従業員が会社の休職制度を利用するための入り口となる、極めて重要な書類なのです。休職を検討し始めたら、まずは自身の会社の就業規則を確認し、診断書提出の義務や手続きについて把握しておくことが大切です。
休職診断書の正しいもらい方・取得ステップ
休職診断書を取得するには、いくつかのステップを踏む必要があります。スムーズに診断書をもらうためには、事前の準備と医師への適切な情報提供が鍵となります。
ステップ1:医療機関を受診する
体調不良や精神的な不調を感じたら、まずは医療機関を受診しましょう。受診する医療機関は、症状の種類によって異なります。
- 身体的な不調: 内科、整形外科、耳鼻咽喉科など、症状に応じた専門科を受診します。
- 精神的な不調: 精神科、心療内科を受診します。特に精神的な不調による休職の場合は、これらの専門医の診断がより説得力を持ちます。
かかりつけ医と専門医の選択に迷う場合は、まずかかりつけ医に相談したり、精神科・心療内科の専門医を受診したりすることを検討しましょう。
受診前の準備:
受診前に、以下の点を整理しておくと診察がスムーズに進みます。
- 具体的な症状(いつから、どのように)
- 症状による仕事や日常生活での支障
- 会社の状況(業務内容、労働時間、人間関係など)
- 受診歴や服用中の薬
- 診断書が必要であること
ステップ2:医師に症状と状況を具体的に伝える
診察では、医師にあなたの症状や状況を正確かつ具体的に伝えることが最も重要です。遠慮せずに、正直に話しましょう。最も辛い症状、それが仕事にどう影響しているか、始まったきっかけ、日常生活への影響などを詳しく伝えます。医師はこれらの情報をもとに、病名を診断し、休職の必要性を判断します。
ステップ3:診断書の発行を依頼する
診察の結果、医師が休職の必要性を認めると判断した場合、診断書の発行を依頼します。「会社に提出する休職のための診断書」であることを明確に伝え、会社からの指定様式の有無、傷病手当金申請にも使用する可能性があること、必要な部数などを伝えます。
ステップ4:診断書の記載内容を確認する
診断書を受け取ったら、その場で記載内容を確認しましょう。氏名、診断名、発症日、就労不能であること、休職期間などが正しく記載されているかチェックします。疑問点や間違いがあれば、その場で確認・訂正をお願いしましょう。
ステップ5:会社に診断書を提出する
診断書の内容を確認したら、会社の指定された部署(人事部など)に提出します。提出方法、提出期限、提出時の添え状などを会社の指示に従って行います。提出前に必ず診断書のコピーを取っておきましょう。
休職のための診断書はすぐにもらえる?即日発行の可能性
休職が必要なほど体調が悪い場合、「すぐにでも診断書が欲しい」と考えるのは自然なことです。しかし、診断書が即日発行されるかどうかは、状況によって異なります。
診断書がすぐもらえるケース・もらえないケース
一般的に、以下のような場合は比較的早く診断書がもらえる可能性があります。
- かかりつけ医である
- 症状が明確で重度である
- 診断書作成に慣れている医療機関
- 事前に診断書が必要な旨を伝えている
一方、以下のような場合は発行に時間がかかることが多いです。
- 初診である
- 診断が難しい症状
- 精神的な不調の初診(複数回の診察が必要な場合がある)
- 医療機関の事務手続きに時間がかかる(特に大きな病院)
診断書の発行にかかる期間
一般的に、診断書の発行にかかる期間は数日~1週間程度を見込んでおくと良いでしょう。医療機関の規模、混雑状況、医師の専門性、診断書の内容によって必要な期間は異なります。
早く診断書が必要な場合の対応
急ぎで診断書が必要な場合は、予約時や受付、診察時に医師に事情を伝え、即日発行や希望日までの発行が可能か相談してみましょう。ただし、医師は医学的な判断に基づいて作成するため、患者の希望だけで即日発行できるとは限りません。
診断書をもらえないケースと対処法
体調が悪くて受診しても、必ずしも休職診断書がもらえるとは限りません。医師の判断によっては、休職ではなく別の選択肢が提案されることもあります。
医師が休職の必要性を認めない場合
医師が休職診断書の発行を認めない主な理由は以下の通りです。
- 医学的に休職が不要と判断される
- 診断基準を満たさない(特に精神疾患)
- 症状と就労不能の因果関係が不明確
- 情報不足
症状が軽度と判断された場合
症状が軽度と判断された場合、休職診断書は発行されませんが、通院加療、就業時間の短縮、業務内容の変更・軽減、在宅勤務や時差出勤など、働き方を調整するための診断書や意見書を作成してもらえる場合があります。
医師とのコミュニケーションの重要性
診断書をもらえなかった場合は、医師に丁寧に理由を尋ね、改めて仕事や日常生活での具体的な困りごとを詳しく伝えましょう。代替案について相談し、今後の治療方針を確認することも大切です。医師はあなたの味方ですので、正直に状況を伝えることが適切な対応につながります。
別の医療機関を受診する選択肢
現在の医師の見解に納得がいかない場合や、どうしても休職が必要だと感じる場合は、セカンドオピニオンとして別の医療機関(特に専門医)を受診するという選択肢もあります。ただし、複数の医療機関で都合の良い診断書を選ぶといった行為は避け、医学的な判断に基づいた適切な意見を聞くことが重要です。
休職診断書の基本的な書き方・記載項目
休職診断書は、医師が記載する書類ですが、どのような項目が記載されるかを知っておくと、内容を確認する際に役立ちます。
診断書に必ず記載される項目
一般的に、以下の項目が記載されます。
- 患者情報(氏名など)
- 診断名(病名)
- 発症日
- 現病歴・症状
- 治療状況
- 今後の見通し(予後)
- 就労に関する医師の意見(就労不能であること、休職期間など)
- 診断書作成日
- 医療機関情報、医師情報
会社への提出に必要な記載内容
会社が最も重視するのは「就労不能であること」と「必要な休職期間」です。これらが明確に記載されていることが必須条件となります。その他、病名や自宅療養の必要性、職場環境への配慮などが記載される場合もあります。会社から特定の記載項目を求められた場合は、医師に相談してみましょう。
医師に伝えておきたい要望
患者側から医師に診断書に記載してほしい内容を要望することは可能ですが、医師は医学的な判断に基づいて記載します。希望する休職期間、傷病手当金申請にも使用すること、会社に知られたくない病名への配慮などを相談してみましょう。
メンタル不調(うつ病・適応障害など)での休職診断書
近年、メンタルヘルス不調による休職が増加しています。精神疾患で休職する場合、診断書のもらい方や医療機関選びには、身体的な不調の場合とは異なる留意点があります。
メンタル不調の診断基準
精神科や心療内科の医師は、DSM-5などの診断基準を参考に、問診や行動観察を通して診断を行います。うつ病や適応障害などの診断は、一定期間の症状の継続や、社会生活・職業生活への支障の程度などが基準となります。
診断書発行が可能な症状
メンタル不調で休職診断書の発行が可能となるのは、症状が重度で、就労を継続することが医学的に困難と判断される場合です。
症状の例 | 具体的な影響(仕事・日常生活) |
---|---|
強い抑うつ気分 | 何事にも興味や喜びを感じられない、気分転換が難しい |
意欲・集中力の低下 | 仕事への意欲が湧かない、業務に集中できない、ミスが増える |
睡眠障害 | 不眠、過眠、朝起き上がれない、日中の強い眠気 |
倦怠感・疲労感 | 体がだるく重い、疲労が回復しない、通勤が辛い |
思考力・決断力の低下 | 物事を考えられない、判断に時間がかかる、決断できない |
不安・焦燥感 | 漠然とした不安感、落ち着かない、イライラする、人との接触が怖い |
身体症状 | 頭痛、胃痛、動悸、息苦しさなど(検査では異常がない場合も) |
希死念慮 | 生きているのが辛いと感じる、死を考えたり計画したりする |
これらの症状が顕著で、仕事に行くのが辛い、業務をこなせない、職場にいるだけで症状が悪化するといった状況であれば、休職が必要と判断される可能性が高まります。
専門医療機関(精神科・心療内科)の選び方
メンタル不調で休職を検討する場合、精神科または心療内科を受診します。
- 精神科: 気分の落ち込み、意欲低下、不安、幻覚、妄想など、精神症状が主な場合。
- 心療内科: ストレスなどが原因で、胃痛、頭痛、動悸など、身体的な症状が現れている場合。
どちらの科でも対応可能な場合も多いですが、症状に合わせて選びましょう。医療機関を選ぶ際は、専門性、アクセス、予約の取りやすさ、医師との相性などを考慮し、可能であれば事前に情報収集することをおすすめします。
休職診断書の期間が切れたらどうなる?
休職診断書に記載された休職期間が満了する時期が近づいてきたら、今後のことを検討する必要があります。
期間満了後の選択肢
休職期間満了時、体調や病状によって、取りうる選択肢は異なります。
- 復職: 病状が回復し、医師が就労可能と判断した場合。会社との面談などを経て職場に復帰します。
- 休職期間の延長: まだ回復しておらず、治療継続が必要だが復職の見込みがある場合。会社の規定内で休職期間を延長します。
- 退職: 回復の見込みが立たない、会社の休職期間上限を超えてしまう場合など。
休職期間延長のための診断書
休職期間を延長する場合、再度医師の診断書が必要です。この診断書には、現在の病状と、さらに〇ヶ月程度の休養が必要であるという医師の意見が記載されます。休職期間満了前に主治医に相談し、診断書を作成してもらいます。
復職に向けた流れと診断書
病状が回復し復職を検討できる段階になったら、主治医に相談し、復職可能である旨の診断書(または意見書)を作成してもらいます。この診断書には、病状が回復傾向にあること、就労可能であること、復職にあたって必要な配慮などが記載されます。診断書を会社に提出後、会社との面談や産業医面談を経て、復職日や働き方が決定されます。
休職中の給与・手当について
休職中、会社からの給与支給がなくなる場合がほとんどですが、健康保険から「傷病手当金」が支給される可能性があります。
傷病手当金の制度概要
傷病手当金は、健康保険の被保険者が、業務外の病気や怪我のために会社を休み、給与が受けられない場合に、生活を保障するために健康保険から支給される給付金です。
傷病手当金の支給条件:
以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。
- 業務外の事由による病気や怪我であること
- 療養による労務不能であること(医師の証明が必要)
- 連続する3日間を含む4日以上仕事に就けなかったこと(待期期間あり)
- 休業した期間について給与の支払いがないこと(または傷病手当金の日額より少ないこと)
傷病手当金申請に必要な診断書
傷病手当金の申請には、医師の証明が不可欠です。傷病手当金支給申請書には、医師が病状や労務不能期間について記載する欄があり、休職期間中、1ヶ月ごとなど定期的に医師に記入してもらう必要があります。休職診断書自体が申請書の代わりになるわけではありません。
会社からの給与支給について
休職中の給与の取り扱いは、会社の就業規則によって異なります。多くは無給ですが、一部支給される場合もあります。傷病手当金は、会社からの給与がない場合に支給されるため、給与が支払われた場合は傷病手当金の支給額が調整されるか、支給されません。就業規則を確認し、休職期間中の給与について事前に把握しておくことが重要です。
休職診断書に関するよくある疑問
休職診断書に関して、多くの方が抱く疑問にお答えします。
診断書があれば必ず休職できる?
必ずしも診断書があれば休職できるわけではありません。診断書は医師の医学的な意見であり、最終的に休職を認めるかどうかの判断は会社の就業規則に基づいて会社が行います。
診断書は後からでも書いてもらえる?
症状が出ていた時点に遡って診断書を作成してもらうことは難しい場合が多いですが、かかりつけ医など、過去の病状を把握している医師であれば可能な場合もあります。症状が出現し、就労に支障が出始めたら、できるだけ早く医療機関を受診することが重要です。
診断書提出義務について
多くの会社の就業規則では、病気や怪我による長期欠勤・休職に際して診断書の提出を義務付けています。これは適切な労務管理のためであり、正当な理由なく提出を拒否すると会社の規則違反となる可能性があります。
診断書発行の費用
診断書の発行は自費診療となり、医療機関によって費用は異なりますが、一般的には数千円程度(3,000円~5,000円程度)が目安です。傷病手当金申請書の医師証明にも別途費用がかかる場合があります。
まとめ:休職診断書を適切に取得するために
休職診断書は、体調不良や精神的な不調により仕事の継続が困難になった場合に、安心して療養に専念するための重要な一歩となります。診断書を適切に取得するためには、以下の点を押さえることが大切です。
まず、体調の異変を感じたら、早めに医療機関を受診すること。診察時には、具体的な症状や、それが仕事や日常生活にどのような支障をきたしているかを、正直かつ詳しく医師に伝えることが重要です。
医師が休職の必要性を判断した場合、診断書の発行を依頼します。会社の指定様式の有無を確認し、必要であれば提出します。発行された診断書の内容、特に病名、期間、就労可否の記載を確認し、間違いがなければ会社の指定された部署に提出します。提出前には、必ずコピーを手元に保管しておきましょう。
診断書がすぐにもらえるかどうかは状況によりますが、一般的には数日~1週間程度かかることがあります。急ぎの場合は、その旨を医療機関に伝え、対応が可能か相談してみましょう。もし診断書がもらえなかった場合は、医師と十分なコミュニケーションを取り、理由を確認し、代替案(働き方の調整など)について相談することが大切です。必要であれば、別の医療機関でセカンドオピニオンを聞くことも選択肢の一つです。
休職中の経済的な不安に対しては、健康保険の傷病手当金制度があります。傷病手当金の申請には医師の証明が必要なため、休職診断書とは別に、申請書の医師記載欄への記入を依頼することを忘れないようにしましょう。傷病手当金は、会社の休職期間中の給与規定と合わせて、あなたの生活を支える重要な収入源となる可能性があります。会社の就業規則を確認し、傷病手当金の制度についても理解を深めておくことが重要です。
休職診断書の取得や手続きは、体調が優れない中で行うのは大変な作業かもしれません。しかし、これはご自身の健康を守り、将来再び働くための大切なプロセスです。一人で抱え込まず、まずは信頼できる医師に相談し、会社の担当者とも連携を取りながら、適切な手続きを進めていきましょう。
免責事項:
本記事は、休職診断書に関する一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断や治療、あるいは法的なアドバイスを保証するものではありません。個別の状況については、必ず医療機関の医師や会社の担当者、必要に応じて専門家(弁護士や社会保険労務士など)にご相談ください。
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