うつ病かも?周りの⼈だからこそ気づけるサイン
年末年始に帰省をしたという⼈もいらっしゃったと思います。
あっという間に年末年始の休暇も過ぎて会社や学校が始まり、普段の⽣活が戻ってきました。
しかし、そんな家族や友達と交わる中で、家族や友達の様⼦が以前と違うと感じたことはありませんか。
「明るくなったな」「お互い年を重ねたな」という喜びや懐かしさを感じる様⼦であればいいのですが、「なんだか会話が噛み合わない」「うつろな感じがする」などの様⼦が⾒て取れたら注意が必要かもしれません。
冬は、⼀年の中でもうつ症状が現れやすい季節です。
うつ症状の違和感は本⼈より周りの⼈のほうが気付きやすい場合もあり、周囲が気にかけてあげることでうつ病発症やうつ病の重症化を防ぐことにつながります。
ここでは、どのような様⼦に注意すべきか、気をつけるべきサインについてお話しします。
うつ病になりやすい⼈には特徴がある
うつ病は同じ環境で過ごしても、なりやすい⼈となりにくい⼈がいます。
もともと以下のようなタイプの⼈は、何かのきっかけでうつ病を発症しやすい傾向があります。
- ・まじめな⼈
- ・⼏帳⾯な⼈
- ・責任感の強い⼈
- ・仕事熱⼼な⼈
- ・完ぺき主義者
- ・相⼿の⾔動や空気に敏感な⼈
このような⼈は、ストレス発散したり、⼈を頼ったりすることが苦⼿な場合も少なくありません。
その結果、知らず知らずのうちにストレスを溜め込み、うつ病になりやすくなってしまいます。
しかし、普段しっかりしている⼈だからこそ、うつ症状とのギャップは「いつもと違う」ということを強く感じられるはず。
うつ症状のサインは、普段の⽣活の中で⾒つけることができます。
「会話」「⾷事」「睡眠」からわかるサインを要チェック!
久しぶりに会った家族や友達がうつ病を発症していた場合、以前とは違う様⼦に違和感を覚える可能性があります。
以前は、好奇⼼旺盛でなんでも挑戦するタイプだったのに、今は「何もしたくない」と部屋に閉じこもるなど、今と昔のギャップが激しいときは要注意です。
「会話」からわかるサイン
友達でも家族でも、真っ先に感じられるのは「会話」の中の変化です。
⽬がうつろ、笑顔が消えた、以前と顔つきが違う、常にイライラしている、⼝数が極端に減ったなど、これまでと違う様⼦が⾒て取れます。
これまで⼤好きだったものや趣味などの話にも興味を⽰さなくなり、無気⼒な⾔動が増えたと感じたら、注意してください。
「⾷事」からわかるサイン
⾷べ物の味がしない、⾷欲がないというのもうつ病のサインです。
これは本⼈の感覚なので周囲の⼈にはわかりにくい変化ですが、⾷事中にそのようなことを聞いたときは注意しましょう。
また、⾷事のスピードが遅くなったり、⾷事の量が極端に減ったりする場合もあります。
これは周囲でも気付けるサインなので、気のせいとは思わずに⼼配してあげてください。
⼀般的なうつ病ではなく、冬だけに現れる「冬季うつ」では過⾷になるケースも少なくありません。
⾷事において、拒⾷も過⾷も決して正常な状態とはいえませんので、違和感を覚えたときは数⽇観察してみることをおすすめします。
「睡眠」からわかるサイン
最近になって、寝付きが悪くなったり、夜中によく⽬が覚めたりする場合は、ストレス過多の状態である可能性⼤です。
睡眠は、体と⼼の健康にとってとても⼤切なものです。
眠りの質が悪い状態が毎⽇続くと、⽇中の疲れを取ることもできません。
ただでさえ疲れている体と⼼がどんどん疲弊していき、うつ症状が重症化していく危険もあります。
しかし、これは家族やパートナーが気付くこともできるサインです。
夜中によく⽬が覚めている、朝⽅⽬が覚めると眠れていないようだ、寝起きがすこぶる悪いなどの特徴がある場合は、⼀度「何か⼼配事があるのか」とじっくり話してみることをおすすめします。
サインに気付いたらまずすべきこと
うつ病は今や誰でもなる可能性があるといわれるほど、珍しい病気ではありません。
うつ病ではないかと思う⾝近な⼈がいるなら、無理に原因を探したり、叱咤激励をしたりしないことが⼤切です。
うつ病には、「共感すること」が何よりもの治療になるのです。
これはさじ加減が難しいのですが、ただ⽢やかすことや悩みをすべて受け⽌めることとは違います。
本⼈が何も考えたくないほど、とてもつらい状態だということを深く理解し、話を聞いてあげる気持ちが必要なのです。
うつ病を発症している場合は、前向きな⾔葉ですらプレッシャーになることがあります。
否定はもとより、励ますこともせず「私はあなたの味⽅だよ」という⼼と態度が、うつ病の⼈の精神を癒すのです。
無理させることは絶対にNGですが、できるだけ⼼のうちを吐き出させてあげる会話を⼼がけましょう。
これだけで症状が軽くなることもあります。
その上で、⾷事や睡眠などに改善がみられなければ、精神科や⼼療内科などに相談するように促してあげるとよいでしょう。
うつ病は重症化してしまうと治療に時間がかる病気です。
しかし、早めに治療することで、早く治せる病気でもあります。
周囲の⼈は慌てず、冷静に、どっしりと構えていてあげましょう。
周囲の安定感が、本⼈の安⼼感になることをどうか忘れないでください。
※参考:
知ることからはじめよう「みんなのメンタルヘルス」総合サイト|うつ病|厚⽣労働省
こころの⽿|ご家族にできること|厚⽣労働省
同僚がうつ病かも?そんな時の適切な対応とは|コモレビ
もしかしてあの⼈はうつ病?周りの⼈のための判断ポイント|うつのトリセツ
【プロフィール】
牧野 絵美
ライター・編集者、心理カウンセラー。人間観察が趣味で、取材や執筆においても対話と心理描写を得意とする。若いころは自身の繊細さに振り回され、うつ病を繰り返した。自分との向き合い方をつかんだ今は、誰にでも人生は変えられるということを伝えていきたい。
- 公開