【精神科・心療内科に行ってみた】 うつ病治療を効率的にする「光トポグラフィー検査」体験記

【プロフィール】
牧野絵美
ライター・編集者、心理カウンセラー。人間観察が趣味で、取材や執筆においても対話と心理描写を得意とする。若いころは自身の繊細さに振り回され、うつ病を繰り返した。自分との向き合い方をつかんだ今は、誰にでも人生は変えられるということを伝えていきたい。

うつ病は心の病?脳の病?

「体調が悪い」と自覚があっても、病院の雰囲気やどんな治療が行われるのか分からないと治療には行きにくいものですよね。
特に精神科や心療内科は「よく分からない」と感じやすい診療科のひとつかと思います。

今回はそんな精神科・心療内科のナゾを紐解くべく、「新宿ストレスクリニック」が実際に行っているうつ病の検査「光トポグラフィー検査」を体験してきました。
「どんな検査?」「痛い?」「つらくない?」そんな不安にすべてお答えします!

光トポグラフィー検査とは

光トポグラフィー検査とは、脳の血流量の変化パターンからうつ病かどうかの診断をサポートする検査です。
うつ病の検査は長きにわたって、問診のみで行われてきました。
精神疾患の診断には問診が重要である一方、医師の主観だけで診断することは、診断の精度に限界があったこともたしかです。
それが近年、光トポグラフィー検査の登場により、問診と併用することで、より客観的で正確なうつ病診断ができるようになりました。

光トポグラフィー検査では、近赤外光を用いて、脳活動に伴う大脳皮質のヘモグロビン濃度変化を測定・画像化する装置を使用します。近赤外光は身体に害のない光で、特記すべき副作用、危険性はありません。精神疾患分野だけでなく、脳外科関連などの先進医療にも利用されており、安全性は広く認められています。

とはいえ、いかに画期的な検査であっても、光トポグラフィー検査でうつ病が治るわけではありません。
客観的な診断が難しかった今までの精神疾患の治療から考えると、光トポグラフィー検査が、今の症状に対して、より的確な治療法をすばやく見つける方法であることは間違いないでしょう。

【実体験】光トポグラフィー検査の流れと検査結果

【実体験】TMS治療の流れ

医師や、医師の指示を受けた専門スタッフの手によって行われる光トポグラフィー検査。新宿ストレスクリニックでは、完全個室での検査になりますので、自分のペースで検査を進めてもらえるので安心できました。検査も難しかったり、痛かったりといった不安要素は何もありません。
検査の内容も簡単で、行われるのはたったの3ステップ。流れを見ていきましょう。

検査の流れ

① 検査についての説明

頭部に光トポグラフィー検査機器を装着します。やや装置の重みはありますが、痛みなどは一切ありません。
装置を付け終わると、担当してくれている医師または専門のスタッフが、検査方法や注意点を分かりやすく説明してくれます。検査にあたり、不明なことなどあればここで質問を。個室なので人の目を気にする必要もありませんし、質問にはしっかり丁寧に答えてくれます。

② 検査開始

検査時間は、全部で3分程度。
内容は出題された質問に答えるだけと簡単で、ゲーム感覚で受けることができます。回答を考えている時や答えている時に、大脳の血液量がどれくらい増減するかを調べることで、うつ病や双極性障害などの傾向を測定しています。
質疑応答のぶっつけ本番が緊張する場合は、練習もさせてくれるので安心して検査に臨めます。

③ 検査終了

検査結果は、脳の血流の変化量が波形グラフとして示されます。そのデータをもとに医師の診断を受けます。
波形グラフについても詳しく説明してくれるので、分からないことや不安なことはどんどん質問しましょう。

光トポグラフィー検査の結果は4つのパターンに分けられる

光トポグラフィー検査では、4つの血流量のパターンがグラフ化されます。何か物事を考えるとき、「うつ病」「双極性障害(躁うつ病)」「統合失調症」「健常者」の4つは、脳の反応速度に違いが出ることが分かっています。その違い「活動量=血流量」を調べることで、4つの状態を振り分けられるのです。

光トポグラフィー検査の結果

光トポグラフィー検査の結果

光トポグラフィー検査の結果

グラフの見方は、医師や専門スタッフがしっかり説明してくれます。自分の波形がどれに当たり、どのような状態なのか理解を深めましょう。
数値化されたデータのため、客観的に自分がうつ病かどうかを判断できます。

光トポグラフィー検査の精度はどのくらい?

2012年11月、国立精神・神経医療研究センターで実施された報告書によると、曲型的なうつ秒症状の患者群で精度は6割から8割だといわれています。ただし、光トポグラフィー検査はあくまで「診断補助」としての検査。精神疾患の有無を確定したり、診断名を証明したりするものではありません。
グラフパターンが客観的に「うつ病」「双極性障害(躁うつ病)」「統合失調症」「健常者」の可能性を示唆するため、医師の問診と総合的に判断することで精度の高い診断を可能にしています。

検査結果から分かること

検査の結果、筆者の波形パターンは、「うつ病に類似」という結果になりました。

光トポグラフィー検査の精度

自分としては活発に毎日を過ごしているつもりだったものの、「もしかして?」と少し不安になりましたが、先述したように光ポトグラフィーはあくまで診断の補助とのこと。「憂うつな気分が続く」「落ち込みが激しい」「頭痛やだるさが何日も続いている」といった問診で分かるうつ病特有の症状がまったく見られない場合は、うつ病とは診断されないそうです。
このように、光トポグラフィー検査は、検査だけで診断が行えるものではありませんので、検査結果だけで「自分は病気なのだ」と思い込む必要はありません。

とはいえ、波長に傾向が見られる以上、うつ病予備軍である可能性もゼロではないでしょう。楽観はしすぎず、今の自分の状態を顧みることは大切なのではないかと思います。
筆者の場合は、ちょうど忙しい時期だったため、結果に驚きつつも少々無理をしていた自分に気づくきっかけになりました。その行動によって、もしかしたら、うつ病を未然に防げたのではないかと思うと、身体の定期検診同様、たまには心の検診もするべきだという気持ちが高まりました。
また、検査を体験したことで、脳は本当にストレスによって疲れるということや、ストレスがうつ病のリスクを高めるという事実に、改めて気づかされる経験となりました。

光トポグラフィー検査を「受けたいけど迷う」という方へ

みなさんに2つ質問させてください。

光トポグラフィー検査を受けるかどうか迷う理由はなんでしょうか?
光トポグラフィー検査を受けたいと思っている理由はなんでしょうか?

迷う理由は、きっと「検査費用」と「身体への負担がないかどうか」ではないかと思います。
費用だけが理由であれば、生活を圧迫してまで無理をしていただきたくありません。しかし、検査を受けたい理由が「うつ病ではないかと自分で疑っている」「ストレス過多で最近おかしいと感じている」のであれば、他の何をやめても検査を優先してほしいというのが正直な意見です。

何度もお話しした通り、光トポグラフィー検査は身体への負担がほぼありません。検査で使われる光も人体に悪影響はなく、安全です。ですから、逆に費用さえ問題ないなら、受けるかどうか迷う必要もないのではないかとさえ思います。
検査を受けた結果、「健常」と出れば自分の身体への自信を取り戻せますし、何かしらの病気と診断されたら早い段階で治療が始められます。
うつ病をはじめとする精神疾患は、一度発症すれば治療に長い時間と労力と治療費がかかります。早く症状に気づき、治療を始めることで、時間・労力・治療費は最小限に抑えられるのです。

光トポグラフィー検査は、病気を特定するものではありませんが、疑いを持ち続けて送っている苦しい毎日に、答えをくれることは間違いないでしょう。
光トポグラフィー検査が気になりつつ、なかなか一歩を踏み出せないなら、「迷っている理由」と「受けたい理由」を自分に聞いてみてください。最適な選択を、最速でし、一日も早くみなさんの快適な暮らしが戻ることを願っています。

体験して分かった「よくある質問」にお答えします!

検査中は痛くないですか?

まったく痛くありません。装置の重みはありますが、締め付けたり、刺したりする装置ではなく、頭皮に装置が触れているだけです。

頭皮上から血流の測定できるのはなぜですか?

光の中でも特に赤い色(波長)の光は、生体組織を透過しやすい性質を持っています。暗闇で白い電気に手のひらをかざすと、手のひらを通して赤い光だけが透けて見えるのはそのため。光トポグラフィーはこの性質を用いた装置だから、頭皮上から測定ができるのです。

髪の毛の上から十分に光は届くので、検査前に髪を剃るなどの準備は必要ありません。ただし、正確な測定のためには、装置を安定して頭部に装着する必要があります。当日は、ヘアゴムやヘアピンの使用、編み込み、ヘアセット(整髪料の使用)などはせず、検査に臨みましょう。

光トポグラフィー検査を受けるだけで診断してもらえるのでしょうか?

検査を行っただけで、診断はできません。検査はあくまでうつ病などの診断を補助するもので、必ず医師による問診と併せて総合的に判断されます。
ただし、数値による明確な検査結果が出るため、症状が軽いうちに迅速な治療をはじめられ、より速く症状改善をしていける可能性を高められます。

TMS治療で抗うつ薬を断薬・減薬することはできますか?

症状や状態によって個人差がありますが、断薬や減薬が可能となる人は多いそうです。TMS治療は抗うつ薬との併用もできるそうです。

光トポグラフィー検査を受ける際、食事制限などは必要ですか?

食事制限など、検査前に必要な準備はありません。いつも通り食事をとり、リラックスできる状態で検査を受けましょう。

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新宿ストレスクリニック【公式】
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