4月、5月は新生活によるストレスを感じやすい時期
4月は、入学・入社など新しい生活がスタートし、多くの出会いやこれからの暮らしに心を躍らせる時期です。同時に慣れない環境の中で日々緊張やストレスを感じ、自律神経が乱れやすくなる時期でもあります。
よく耳にする「5月病」はいわゆる適応障害の段階の方が多いですが、適応障害はうつ病発症へ移行してしまうケースもあるので注意が必要です。
春は自律神経が乱れやすい
新しい環境になじめずにストレスを溜めやすいこの時期は、自分でも気づかない内に心身ともに疲労を抱えている方が多いです。
新生活だけではなく、寒暖差などによって自律神経の働きが乱れることもあります。
イライラ、不安、倦怠感、不眠、頭痛、腹痛などは自律神経の乱れにより起こります。
タケノコや春キャベツなど栄養豊富な旬の食材で、体の内側からケアしてあげましょう。
新入社員に起こりやすい適応障害
ストレス耐性は人それぞれ、何をストレスに感じるかもそれぞれ異なります。
入社した企業の配属先で環境になじめないなど、環境の変化についていけない場合に適応障害と言われる状態になりやすいです。
適応障害は無断欠勤や遅刻が増えたり、口数が少なくなったりするなどの症状が見られるのが特徴です。
適応障害とうつ病の違い
適応障害
ストレス要因から離れると症状が緩和され、好きなことなどを楽しめるようになります。
気分にムラがあり、怒り出す、泣き出すなどうつ病にはあまり見られない行動があり、怒りや焦りなど情緒面での症状が現れる傾向にあります。
ストレス要因から離れることで改善するケースが多いです。
うつ病
ストレス要因をなくしてもすぐに改善せず、1日中気分が落ち込んで好きなことも楽しめない状態です。
睡眠障害や食欲の減退、疲労感、倦怠感、鉛のように体が重いといった症状も見られます。
十分な休養だけではなく、抗うつ薬の服用や心理的療法、TMS治療などの治療を行うことが効果的です。
ストレスの予防や解消を意識する
まずは大前提としてストレスの自覚が大事です。
その上でストレスを溜めず、発散するためにメリハリのある生活を心がけましょう。
忙しい方も多いと思いますが、なるべく睡眠時間を確保しましょう。また、バランスのよい食事を摂ることが望ましいです。
仕事とプライベートの区別をしっかりつけて、趣味の時間などは大切にしてください。
信頼できる友人など、困ったときに相談できる相手を見つけておくことも重要です。
うつ病は甘えではない
日本では、100人に3~7人の割合でうつ病を経験した人がいる(※)という報告があり、決して珍しい病気ではありません。
うつ病は甘えや気の緩みと誤解されがちなため、生きづらさを感じる方も少なくありません。
新入社員は初めてのことも多い上、新しい環境に適応していかなければならず、心身ともに疲弊しているのではないでしょうか。
生活にメリハリをつけたくても、生活リズムを整えたくても難しい場合もあると思います。
そんなとき、ご自身でできる対処法を試しても不調な状態が続く場合は、心療内科・精神科に相談することも考えておきましょう。
うつ病は放っておいても自然に治る病気ではありません。改善には早期発見・早期治療が大切です。
(※ 参照:厚生労働省|みんなのメンタルヘルス総合サイト)
【プロフィール】
小松 祐
四国地方出身、東京在住のWEBライター。
IT・WEB業界にWEBサイト管理者として携わりながら執筆活動を続けている。
小さい頃から文字と慣れ親しみ、書道の段位は特待生だった。
友人の精神疾患をきっかけに、精神科や心療内科について関心を持つようになる。
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